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虚構世界の弓使い  作者: 釜飯より生まれし男
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ぼっちと周りの人

サブヒロイン(予定)登場です

「サキ〜今日も広場前で集合ね」


「うん分かった。家に着いたらすぐ行くよ」


友達からの誘いに返事をする。

私の名前は藤沢 咲

平坂高校の1年生です。

話の内容は一ヶ月前に発売されたゲーム「アナディン」のこと。今日そのアナディン発売から初のイベントが始まるんです。

私はまだ中堅ぐらいの実力しかないのであまり活躍はできないだろうけど…精一杯頑張ろうと思ってます。


ふと教室の隅に目を向けるといつも静かに座っているあの人の姿がありませんでした。


小日向 瀬奈 さん

この前のテストで学年1位を取ったとても頭のいい人なんです。

彼女が休むのは珍しくありません。

なんでも体が弱いらしく長期間休むことは今までもしばしばありました。


みんな話しかけづらいのか小日向さんはいつも1人、もちろん小日向さんから話しかけてこないのも原因の一つなのですが。


この間勇気を振り絞って話しかけたのですが


「小日向さん!学年1位おめでとう!」


「え、あ、う、その、あああありが、…………〜〜〜っ」


そう言って走って行ってしまいました。

何か気に触るようなことをしてしまったのでしょうか…。


今度機会があったらもう一度話しかけようと思います。








俺の名前は岩清水 諒太

高校1年だ。

こう言うと周りから嘘だろと言われる。

まぁ無理もない俺の顔は誰がどう見てもヤクザにしか見えないからだ。

そんな俺だが最近VRMMOを始めた。

これなら外見が悪くてもネタぐらいで済むだろうのおもったんだ。

だが種族設定をランダムにしたのはマズかった。

当たったのはハイドワーフというレア種族。

レアなのはいいがこの種族は料理向けなのだという。

戦うこともできなくなった俺は仕方なく料理店を開くことにした。

そのメニュー第1弾を触手焼きにしたのはマズかった。

ドワーフになってさらにいかつくなった俺の風貌も相まって誰も寄ってこないのだ。

こうなっては仕方がない。一ヶ月これで我慢して新しくキャラを作り直そう。

そう考えていた時だった。


「あの、えと、その、えーと、ひひひひひ…」


そんな声が聞こえた。顔を上げるとそこにはとても綺麗な緑色の毛の獣人の女の子がいた。


しばし見惚れていたがすぐに我に帰る。

よく聞こえなかったが俺に話しかけたんだ。きっと客に違いない。


「お嬢ちゃん、触手焼き一個買うのかい?」


「あ、その、はい!」


そう言われ触手焼き一個彼女に渡す。

味は俺が保証するが何せ俺以外の人が食うのは初めてだとても緊張する。

彼女が食べ終わった後美味しいかどうか聞くと


「あ!えと、あーと、えーと、おおおおいしい…です」


よかった。思わずため息をつく。俺の選択は間違ってなかったのだ。

その時信じられない言葉を聞いた。


「あの、その、また…………き…ます」


そう言うやいなや彼女は凄い勢いで走り出してしまった。

俺は突然のことに何も反応できなかった。



次の日もその次の日も彼女は本当に来てくれた。

相変わらず声は小さくてどもっているが最近ではちゃんと全部聞こえるようになった。

おそらく彼女は人見知りかあがり症なのだろう。

また「美人な獣人が通っている」という噂が立ち始め俺の店は大繁盛するようになった。

彼女には感謝してもしきれない今度名前を聞いてみよう。


けどここ1週間彼女の姿を見ない。

もうやめてしまったのだろうか?

とても心配だ。


次から一応本編に戻ります

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