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虚構世界の弓使い  作者: 釜飯より生まれし男
2/17

ぼっちの初戦闘

瀬奈が目を開けるとあったそこには見たことのない光景が広がっていた。

多くのお店などの建物、アスファルトなどではなくレンガで舗装された道。

まるでタイムスリップした感覚におちいった。

瀬奈が惚けているとポーンと高い音が脳内で響き


【メッセージが届きました。メニューから確認して下さい】


との声が聞こえた。

我に返って瀬奈が


「メニュー、オープン」


と言うとメニューが目の前に表示された。

なおこのメニュー画面は他人に見せようとプレイヤーがしない限り他のプレイヤーには見えない設定になっている。

瀬奈はメニューのメッセージの項目をタップすると


『始まりの街 アルーニマへようこそ!

まずはここからしばらく進んだ先にある訓練所で武器の使い方を学ぼう!』


という内容のメールが来ていた。


(訓練所か…行った方がいいかな?でも武器の使い方自体は説明書を読んだしアーチェリーやってたからだいたいわかるんだよな…まぁいいか!実戦あるのみだよね!)


そう思いフィールドに出ようとした瀬奈に


「君初心者だよね?よかったらウチとパーティ組まない?」


そう話しかけてくるメンバーがいた。

瀬奈がその方向を向くと男2人と女1人のパーティでリーダーだと思われる人族の男が話しかけていた。


「俺たちベータテスターでさ、今初心者にいろいろ教えてんだよね。見た感じ初心者に見えたんだけどどうかな?」


他のメンバーのエルフ族の女性と獣人族の男性も瀬奈に笑いかける。

どう見ても親切なプレイヤーたちであり初心者狩りなどではないことは瀬奈にもわかっていた。

しかし瀬奈は


「え、あの、その、えと、ちょ、んと、あの」


これでもかというほどテンパっていた。


「ごごごごごごごめんなさーい!」


そう言うと同時に駆け出していた。

しかも声が小さくなったのと彼女の高いAGIで遠くに行ったせいで後ろのセリフは彼らにはほとんど聞こえず後にはポカンとした顔をした3人だけだった。





「やってしまった…」


瀬奈はフィールドのとある場所で自己嫌悪に陥っていた。

せっかく親切に話しかけてくれたのにあの対応である。

このゲームのもう一つの目的のあがり症の改善なんてこの調子では夢のまた夢である。

そして問題はもう一つあった。


「ここどこ?」


小日向瀬奈 ゲーム開始30分で迷子になっていた。


【スキル 俊足 を覚えました】


そんな声が頭に響く一旦頭を切り替えて瀬奈はスキルを確認する。


【スキル 俊足 ランクD 】AGIを上げる


このアナディンのスキルはランク制となっておりEDCBASの6段階になっている。


開始数十分スタミナが続く限り走り続けた瀬奈はEを飛ばしてDになっていた。


(また足が速くなったな…さてこれからどうしよう。とりあえず戦ってみないと)


そう考えた彼女は敵を探し始める。

アナディンでは全ての武器に熟練度が存在し、熟練度が一定になると武器スキルが使えるようになる。

これにより弱い武器でも熟練者ならある程度使えるのである。

もちろんレアな武器にはその武器特有のスキルがある。

それはさて置きあたりを伺っている瀬奈の耳がぴくりと動いた。

(獣人なので猫耳である。しっぽもある。アナディンの獣人は基本的にネコ耳である。)

獣人は種族スキルとして【スキル気配感知 E】が備わっているのである。

瀬奈が感知した方向を見るとそこには


「みゅー」


うさぎの魔物がいた。

その愛くるしさに心を奪われる瀬奈だがうさぎは次の瞬間瀬奈に襲いかかる。


「っ‼︎」


慌てて瀬奈はうさぎと距離を取り武器【初心者の弓】を構える。


なお弓は矢の制限などはなく頭の中で作成と唱えればいくらでも出すことができるのだ。矢も弓スキルが上がれば様々な種類を使えるようになるのだがそれはまた今度。


瀬奈はうさぎとかなり距離を取り【初心者の弓】の射程ギリギリまで離れる。そして矢をつがえて狙いを定め…………


放った


瀬奈の矢は唸りを上げて飛んでいき見事うさぎの眉間に突き刺さった。

うさぎはキューと鳴きながら倒れ消滅した。


「ふー、助かった。相手が弱くて助かったよ。」


実際はそれでも一撃で倒すのは難しいのだが彼女の矢はうさぎの急所を寸分たがわず射抜いたのである。


「何はともあれこれでひと安心か…………な?」


再び敵気配を今度は大量に感知し瀬奈は顔を歪める。

瀬奈は距離を取るとき先ほどのうさぎの縄張りに入ってしまったのだ。

瀬奈の前に現れるうさぎ達 その数20


「うそでしょーーーー!!!?」


こうして瀬奈とうさぎの第2ラウンドが始まった。







「はぁ…はぁ…」

瀬奈はへたり込んでいた。

あの後うさぎ群れから走って距離をとって一匹倒す。

走ってって距離をとって一匹倒すをずっと繰り返していたのである。

うさぎが全滅した時には瀬奈はもうクタクタだった。


【スキル俊足のランクが上がりました】

【弓スキル スナイパーを獲得しました】

【スキル 千里眼を獲得しました】


疲れ切った瀬奈の脳内にまた声が響く反射的に瀬奈はスキル画面を開く。


【スキル 俊足 C】 AGIがかなりあがる

【スキル 千里眼 E 】遠くを見ることができる

【弓スキル スナイパー D】 矢の飛距離が伸びる。このスキルははどの弓にも矢にも影響する


瀬奈は早速千里眼を使ってみる。


(離れたところというかより遠くが見えるようになったという感じかな?弓に使えるな。ともあれ今日は疲れたからもう帰ろう)


そう思い瀬奈はログアウトした。

こうして瀬奈のVRMMO1日目は終了したのである。

もうステータスは数字は使いません。


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