ぼっちとイベント3
VRランキング1位、日間8位とは⁉︎
そうだこれは夢だ。ちょっと醤油1リットルぐらい飲んでくる。
「残り時間が半分切りましたけど、全然来ませんね〜」
サキが退屈したように話しかけてくる。
無理もないだろう。
最後に敵がきてから10分以上経っているのだ。
当然といえば当然である。
近づけば必ず矢が飛んできてしかも6割がた頭に当たるのだ。
敵からすればたまったものではない。
すでに相手チーム全員に「アノ タカダイ ヤバイ」と伝わっているのだ。
もちろん中には「当たらなければどうということはない」と言って挑んでくる勇士もいたのだが全員セーラによって倒された。
後にセーラは
「デンプシーロールしながら近づいてくる人には流石に引いた。ムカついたので頭のど真ん中を撃ち抜いてやった。」
と語っている。
「サキもそろそろ敵を倒しに行ったら?まだ誰も倒してないじゃない。」
「私はいいですよ。私の実力じゃ1人か2人倒せればいいほうですし、それにセーラさんも誰かがそばにいた方が嬉しいでしょう?」
「……まぁ」
よかったと言ってサキが笑いかけてくるので恥ずかしくなって思わず目を逸らした。
そんな会話をしながら時間を潰し残り15分ほどになった時にソレはやってきた。
「……来た」
「本当ですか?気を付けて下さいセーラさん!このタイミングにくるということはかなりの実力者ですよ!しかも何らかの対策も講じてるはずです!」
サキの忠告に耳を傾けながらセーラは相手を確認する。
(大盾1人と双剣が2人……大盾の人は強そうだなぁ)
双剣の2人は大盾の後ろに隠れてる。
このまま距離を詰める戦法なのだろう。
しかし高台から彼らを見下ろす位置にいるのだセーラにとっては無意味である。
セーラはそのまま後ろにいる双剣使いめがけて矢を放った。
セーラの矢は勢いよく双剣使いに飛んでいき、そして消し飛んだ。
「凄いわね〜セーラちゃんだっけ?あの弓使い。今の何もしなかったら直撃コースだったわ」
「あぁ。ピスコのスキルがなかったら俺たちもやられていたな」
「そうね。ありがとねピスコ」
彼女にそう言われピスコと呼ばれた男は頷く。
彼はアナディンでも有名な大盾使いなのだ。
「っとセーラたちが動き出したぞ」
「え、まじで?本当に?」
「おいおい俺の【気配感知 A】が信用できないのかよ」
「気配感知は信用できるけどあんたは信用できないのよ」
「ひどくね⁉︎」
「お前ら少し黙れ。罠の方は準備できてるんだろうな?」
「ええもちろん。もうあの子たちはこの高台から降りること出来ないわ」
「なっ……どうして……」
「どうしたんですかセーラさん⁉︎」
「矢が効かない……」
「えっ⁉︎」
「さっきから射っているんだけど全部消し飛ばされるの!」
「消し飛ばす……?この距離だとはっきり見えませんけど大盾使いがいませんか?」
「やっぱり!その人『無敵要塞』のピスコですよ!」
「ピスコ?」
「アナディン1の大盾使いです!おそらく矢が来ないのは【大盾スキル 光のカーテン】ですね。プレイヤーを中心にバリアをはりその中にいれば飛び道具を無効化できるんです。」
「それ弓使い圧倒的に不利じゃない」
「もともと弓対大盾は9−1で大盾有利なんです。とにかくこちらの攻撃は効きません。ここは三十六計逃げるに如かずですよ!」
「……そうね」
そうしてサキとセーラは高台から降りようとするしかししばらく進んだところにプレイヤーが2、3人倒れているところがあった。
「これは一体?」
「……やられましたね。おそらくこの高台周辺には罠が仕掛けられています。」
「罠?じゃあ彼らも?」
「はい……【スキル シビレ罠作成】ランクが上がるごとに罠を発見しづらくなるんです。おそらくこれはAですね。全く見つかりませんし」
「それが高台周辺に?」
「おそらくセーラさんの気配感知に引っかからないギリギリのところに設置したのでしょう。引っかかったら彼らのように麻痺状態になり敵にやられるのを待つばかりです。いずれにせよ私達は高台から降りることは出来ず、今もなおピスコさんたちが迫ってきている状態です」
「その心は?」
「大ピンチ」
「MAJIKA」
「MAJIDESU」
詳しいスキル説明しようと思ったけどいいや。どうせこれ以降出す予定ないし。