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室井八雲は憂鬱のため息を吐く―① 『ラブコメ(になる予定の話)』






 最近、ため息が増えたという自覚がある。


 ――というのもここ二日ほどで、僕のちゃぶ台みたいな人生が三回転半ぐらいひっくり返るような出来事が頻発したからだ。


 それを頭で受け止め切れていないからこそ、心労がため息となって吐き出される。


 だったら、さっさと受け止めてしまえばいい?


 正論だ。非の打ち所がないぐらいの正論だと認める。


 でも、僕と同じ立場になって、その言葉にあっさりうなずけるような人が、実際に何人いるだろう?


 間違いなく、少数だ。それも相当にレア度が高い。


 だからこそ、僕の如き凡人では、悩みの種は解消されない。


 言ってしまえば、堂々巡りのようなものだ。


 なんとかしたいのに、なんともならない。だから自然とため息が増えていく。


 新しい学園に入学して、新たな一歩を踏み出したばかりだというのに辛気臭いことこの上ないのが、僕――室井八雲というちっぽけな少年の現状だった。


「はあ……」


 始業開始のHR前に、つらつらと取り留めのないことを頭の片隅で考えていると、またため息が無意識に吐き出されてしまう。


 隣から感じる心配そうな視線に、ちょっと申し訳ない気分になる。


 ――と。


「どうした、八雲?」


「どうしたのよ、辛気くさい顔でため息なんて吐いちゃって……」


 僕のため息に、前の椅子に座っていた二人の幼なじみが反応する。


 そんな二人の幼なじみを紹介する前に――


 ちょっとした余談を挟ませてもらうけれど、僕らが先日から通い始めた『天城学園』は、生徒の総数が一万人を超えるようなマンモス校であり、いっそ学園都市ともいうべきスケールの大きい規模を備えている。


 なので、一クラスに与えられる教室も極端に大きい。


 他の学校では見られないぐらいの広さを有しているのだけど、最大で二百人の収容を想定されているので、それも当然といえば当然の話だろう。


 大学の講義室みたいな長机と長椅子が並んだ階段教室のやや前よりのところに僕らは座っている。


 ちなみに。


 僕らのクラスであるところの一年B組は、五十人弱という他に比べると少なめの人数で構成されているのだけど、その面々に関してはかなり錚々(そうそう)たる顔触れが揃っている。


 ぶっちゃけた話、二百人がみっしり詰まっているよりも存在密度が高くなってると思う。


 なんかいろんな物が混ざりに混ざって飽和し、嵐や津波の前の一瞬の静けさのようになっている気もするのだけども、そこら辺に関しては、今回の話にはあまり関係ないので身近な部分のみに留めさせてもらいますのでご了承ください。


 意味不明な戯言はさておき。


「いや……」


 振り返った二人の幼なじみ――水城刃と雛森明日香。


 家が近所だったために、物心付いた頃からの付き合いだ。


 刃はその名の通り、刃物みたいに怜悧な雰囲気を纏った少年だ。


 祖父が剣術家であり、幼い頃から手ほどきを受けてきたために『剣』を手にしていないと落ち着かないという性格になってしまったがために、常に竹刀袋を携帯している。


 小学時代は、普通に竹刀で。


 中学時代は、木刀にランクアップし。


 高校への進学を機に、目出度くも竹刀袋の中身は真剣へとクラスチェンジした。


 いや、それってい―――――――のかよっ!?


 ――という突っ込みは、今さら過ぎるのでしないのが吉なのである。


 なんか、その真剣も水城家に代々伝わる妖刀で、『(くれない)血染花(けつせんか)』という銘らしいのだけど、なんとも物騒な気がしてならない。


 つーか、普通に物騒だ。刀に宿った魂の『クレナイ』さんに挨拶された時はホントにどうしようかと思った。マジで。今でも対処には困ってるけども、易々とは顕れないでいてくれるみたいだから保留にしてる。


 明日香は僕と同じで、何処にでもいそうな普通の女の子だ。


 長い髪を色とりどりのリボンで彩り毎日のように髪型を変えてきたり、高校進学を機に簡単なお化粧に手を出したり、大好きな甘いものを食べた後の体重計の数値に一喜一憂するような平凡な女の子。


 とても安心感を与えてくれる癒し系女子だ。


 なお、効果・効能は僕基準です。


 明日香は蜂蜜色の髪を軽く梳きながら、大きな瞳に気遣わしげな光を宿し、僕の額に軽く手を触れさせてくる。


「熱があるわけじゃなさそうね」


「そこは自分の額でコツンじゃね?」


「バァカ♪」


 刃と明日香の恒例のやり取りに、思わず微笑んでしまう。


 正直なところ、僕はあんまり人付き合いが得意ではないし、急激な変化というものを好ましく思ってもいない。


 だからこそ、こんないつも通り(・・・・・)にこそ、安らぎを覚えるタイプの人間だった。


 時間が止まってしまえばいい……なんて思ったりはしないけれど、その流れが緩やかであって欲しいとは思っている。


「それで、隣に清楚系の美少女許婚を侍らせておきながら、なんでまたため息なんか吐いているんだよ」


 傍らの竹刀袋の上に手を乗せて、ゆらゆら揺らしながら刃。


「特に大した意味もなく、一昨日と昨日のことを振り返ってみたら自然と出てくるんだ」


「でしょうねー」


 明日香は苦笑している。


「やっぱり、私は八雲さんにご迷惑をおかけしているのでしょうか?」


 僕の隣にお淑やかに座っている清楚系の美少女許婚――藤原小鳥さんが頬に手を当てて、憂い顔で言う。


 彼女は一昨日に初めて(・・・・・・・・・・)出逢った僕の許婚だ(・・・・・・・・・)


 お姫様のような気品がある――とは誰が評した言葉であろうか。艶やかに長い黒髪。端正ながらも柔らかな容姿。淑やかな性格。花が似合う春の如き雰囲気。上品さと可愛らしさが同居した立ち居姿。


 美少女という言葉の理想系の一つのような少女だ。


 記号化するような物言いは不遜極まりないけれど、僕にとっては会話が生じるだけでも畏れ多いと言わざるを得ないぐらいに立場も隔たっているはずの相手なのだ。


 由緒正しき名門・藤原家のご息女なのだから、常識的に考えても一般人が簡単に会えるはずもなく、ましてや許婚など在り得ない話だ。


 なのに、藤原さんは僕の許婚として、僕の隣に現在進行形で座っている。


「いや、藤原さんが悪いわけじゃないんだ」


「ですが……」


「まだ何かの冗談と手違いと勘違いじゃないかと信じ切れていない部分はあるけれど、そんなどんでん返しが起こらない限りは、僕と藤原さんの関係には異論を挟むつもりはないよ」


「一縷の望みに懸けているかのような物言いが、既に異論を挟んでいるようなものだと思わないでもないが……」


「刃、五月蝿いよ。

 とにかく、将来的に結婚まで話が進むかどうかはさておき、藤原さんとは仲良くしたいと思ってる」


 可愛い女の子が慕ってくれているのに、邪険に振る舞ったりなんて出来るわけもない。


「は、はい」


 ちょっと目を伏せながら、頬を赤らめる藤原さん。


 現状維持というか、問題の先送りというか、なんかこうマンガとかだとイラッとくる煮え切らない態度なのに、そんな風にうれしそうに微笑まれると罪悪感が突き刺さる。


 でも、この年で許婚とか言われても、『それじゃあ結婚すっか☆』とかあっさり言えるほど開き直れるわけもないのである。


 むしろ、漠然と想像することさえできない。


 そんな程度の平凡な人生を歩んでいたのですよ。僕は。丸々十五年間。


「ヒューヒュー♪ お熱いねぇ、ご両人♡ 祝言はいつですかぁ?」


「明日香もちょっと黙ってて」


 またしても僕はため息を吐きながら、胡乱な眼差しを幼なじみたちに向ける。


 明日香は軽く両手を上げながらからかうようだった眼差しを、ふっと気遣わしげなものへと変化させた。


「でも、まあ……あんたの気持ちもわからないでもないわ」


「そうだな」


 刃も首を縦に振る。


「幼なじみがたった一日で、世界的な有名人になったとか、わたしもびっくりしたもの」


 そう。それだ。


 目下最大の悩みの種は、〝それ〟なのである。


 僕――室井八雲は、つい先日にもう一つの名前を(・・・・・・・・)与えられた(・・・・・)


 より正確には、その一族の一員だったと明かされたというべきだろうか。


 二日前の朝。


 十六歳の誕生日を迎えた息子に、「驚かないでね」と前置きをして母さんは言った。


『実は、私たちはあなたの本当の両親じゃないのよ』


 驚いた。


『うむ。実はお前はあの『天城財閥』で総帥をやっている男の隠し子なんだよ』


 父さんの発言も唐突すぎる。


 とにもかくにも。


 両親――だと信じていた人たち――からもらったステキな誕生日プレゼントが、平穏に続くはずだった僕の平凡な人生を大きく変化させた。


 正直なところ、その先のことはかなり曖昧だ。


 さして間を置かずに半ば拉致も同然な勢いで、黒服の人たちに丁重に『本当の父親』の元へと連れて行かれたのだけど、そこが央都の中枢――『城』と呼ばれている高層ビル群だったりしたのには言葉もない。


 根本的に常人が近寄っていい場所じゃないんだ。


 圧迫面接と言いたくなるような対面も、極度の緊張と混乱で何を話したかなんてほとんど覚えてはいない。けれど、実の父親であるらしい天城時人さんは無駄に高圧的な雰囲気の持ち主ではあったけれど、僕への態度は紳士的なものだった。


 互いに距離感を計りかねているところもあったと思うけれど、なんか親バカの素質がありそうな人だったのは確かだ。


 問題があったとすれば、僕が生まれた時から許婚と決まっていた女の子――藤原さんに引き合わされたことだ。あと今後の身の回りの世話を任せるとかいうメイドの子。


 ここでの会話なんか、もう脳が受け付けられる状態でなかったために、本当に霧の向こうにしかない。


 多分、あーとか、うーとか、えーとか言ってたんじゃなかろうか。


 そんな怒涛の展開に翻弄された翌日――新たに進学した学園で入学式が行われた日には、僕の名前は天城財閥現総帥の隠し子として世界中に広まっていた。


 新聞やテレビ、ネットなどに僕の顔が晒されまくっていた。


 あの『天城財閥』の現総帥の隠し子。


 秘されていた御曹司。


 天城の一族に連なる者。


 様々な煽り文句を付けられまくって、勝手な憶測などで飾り立てられて、赤面必至の人物像などを偉い人に語られていた僕はその頃、普通に天城学園の入学式に参加してました。


 新聞の一面に自分の顔が大写しになっていた衝撃で、口から魂が吐き出されていたけれど。


 やたらとデカイ講堂での入学式の最中でも、あっちこっちからスマフォで激写されまくってたっけなぁ……。


「八雲が何処か遠くに行っちゃうのかな~って、ヤキモキしたりもしたけど………」


 明日香は細い指を左右に振ってから、


「結局、何事もなかったように今までどおりの生活が維持されるのもおかしな話よね」


 肩を上下させる。


「僕らには理解の難しい大人の事情みたいなのがあるから、いろいろと情報の公開はしなくちゃいけなかったみたいなんだけど、僕個人に関しては今までどおりの生活が送れるように計らってくれてるんだよ」


 十六年も存在を隠していた僕の情報を、こんな時期に大々的に公開する必要があるのか、そこら辺の事情はよくわからないままだ。


 次期後継者として僕を指名するとかいう話なんかじゃないのは、実父から聞いている。


 今回の邂逅は、実の親と育ての親との間で交わされていた『約束』なのだそうだ。


 まだ聞かされていない何らかの事情で預けられた僕が、十六歳になったら実の父親に逢わせる――という。


 そもそもが実力主義を標榜している『天城財閥』なのだから、血縁だけのぽっと出が権力を得られるほど甘くはない。


 ただ、僕にその気があるのなら、『教育』をするのは吝かではないらしい。


 この世界の『神』に近しい座を目指すか。


 あるいは、これまでのように『普通』に生きていくか。


 大まかな二択の選択肢を提示され、成人するぐらいまでに『答え』を選んで欲しいとは言われているが、現状では後者しか選びようがない。


 さておき。


「いや、普通に騒がしくなったけどね」


 今は一番騒がれる時期だから、多少の不自由があるのは仕方がないと割り切るしかない。


 ため息は出るけども。


「そりゃそうだろ。あれだけ大々的に公開されたんだ」


 今も教室の外には、ちょっとした人だかりが出来ている。


 このクラスは良くも悪くも有名人が多いので全部が全部というわけでもなかろうが、何割かは僕目当てだろう。


 さすがに教室にまで入ってこないけれど、教室までの道すがらに寄ってくる人もいたし、ウチのクラスの一部からもかなり面白がられているのも自覚している。


「昨日もなんか大変そうだったしねぇ~」


 そうだ。昨日も天城財閥麾下十二企業の一角を占めている皇・姫野・滝沢・柊に連なる方々からご挨拶を頂いたりもした。


 同じクラスの一員としてよろしく――という当たり障りのない内容だったけれど、微笑の裏に潜む計算高そうな眼差しで軽く探りを入れられていた感もある。


 あと、実父の『友人』という肩書きを持つ人の娘である二年の四條さんも出向いてきてくれたっけ。


 端的にみんな怖かった。


 気分的には餓えたライオンの前に、生肉を巻き付けて立たされたような気分。


 思い出しただけで胃が痛いし、藤原さんが内助の功的なフォローをしてくれなかったら、とんだ醜態を晒していたかも知れない。


 ………思えば、藤原さんと肩の力を抜いて話せるようになったのは、あの時からだ。


「あっさり見捨てたくせに、よく言うよ」


 遠くから手を振って、そそくさと教室を去っていった幼なじみ二人の乾いた笑顔が今でも忘れられない。勿論、悪い意味で。


「さすがにあの面子の中に割って入るのは無理だ」


 刃が手をパタパタと左右に振る。


「ただ立ってるだけでもオーラが違うんだもん」


 明日香も無理無理と首を左右に振る。


 気持ちはよくわかるけど、それで納得できるかどうかは別問題だ。仮に逆の立場だったなら、迷わずに同じ行動をする確信があったとしても。


 被害者の心理とはそういうものだ。多分。


「とにかく……」


 けっとヤサグレ気味に舌打ちしてから、僕は話の軌道修正をする。


「あんなドタバタをあっさり受け入れられるほどに図太くはないんだから、ため息ぐらいは幾らでも出てくるよ」


「まあ、後に続く情報はないんだろ? なら、お前に関する騒ぎも一過性で、次第に鎮火していくだろうし、落ち着くまで待つんだな」


「わかってるよ。これ以上はもう大袈裟な事は起こらないと思うし……」


「あ。なんか今、八雲がフラグを立てたような気がする」


「俺もだ」


「?」


 死亡フラグ的な発言をしてしまった自覚はあるので、自分のうっかりさにため息を吐く。


 しかも、幼なじみ二人が丁寧にフラグを補強してくれたのにも頭が痛い。


 わかっていない風の藤原さんのきょとんとした顔だけが、僕の癒しだ。


 もういっそ、抱き締めてもらいたい。


「考え過ぎだって。これ以上何が起こるって言うんだ。仮に何かが起こったとしても、ちょっとやそっとじゃもう驚かないよ」


「それもそうね」


「だといいがな」


 対称的な幼なじみの反応にため息を吐いていると――


 たった一日で――しかも半日にも満たなかったのに、なんだか随分とやつれた印象のある担任の男性が入ってきた。


 ………………なんて、名前だったっけ?


 他のクラスメートの自己紹介のインパクトが凄すぎたせいで、まったく思い出せない。


 そのままショートホームルームが始まる。


「え~」


 教壇に備え付けられているマイクを通じて、見た目よりも二十は老けた感じの声が響く。


「昨日の今日でなんだが、転校生を紹介する」


「「「………………………………………………………。」」」


 妙な沈黙が満ちた。


 何らかの事情で入学式に間に合わなかった人というのは、少なからずいても不思議な話ではないのだが、入学式の翌日に転校生が現れるというのはあまり聞く話ではない。


 教室の一部がザワザワする中で、件の転校生が担任に呼ばれて入ってくる。


「………女の子か」


「あら?」


 ポツッとした呟きを僕が漏らしていると、隣の藤原さんも口元に手を当てながら小さな呟きを漏らしていた。


「ん?」


 藤原さんは少し驚いたように目を丸くしていた。


 その視線を追ってみると、転校生の少女を見ている。


 知り合いなのだろうか、と思いながら僕もその少女を見る。


 前の学校の制服なのか、ウチの学園の制服とは違うものに身を包んでいる。どこか教会のシスターを思わせる色やデザインは、貞淑な女子校のものなのではと思った。


 服と同色のベレー帽の下に覗く色素の薄い髪は背中まで伸ばしており、一房に黒いリボンを巻いている。


 どこか遠くを見るようでもあり、なんか眠たそうにしているだけにも見える瞳。


 緊張しているのか、もしくは単に感情の起伏が乏しいのか、その整った顔には表情らしい表情は浮いていない。


 何故か、ハードカバーの分厚い本を持っている。


 他に持っとくもんあるんじゃないのかと思ったのは、僕だけじゃないはずだ。


「あ、それじゃあ、自己紹介を」


 教壇に立った彼女に、担任がマイクを渡す。


「………………。」


 マイクを受け取った彼女は、それを口元に持っていかずに、そのまま口を開いた。


白鳳院(はくほういん)芙蓉(ふよう)


 表情と同じぐらい感情の宿っていない冷たい声だった。


 そして、多分、後ろの方までは届いていないと確信できるぐらい声の大きさが普通だった。


 この娘、誰とも仲良くする気ねーな。


 コミュニケーション能力に絶対に問題あるタイプだ。下手すりゃ、授業中も持参した本を読んでるようなタイプだ。それでも問題ないぐらい頭脳明晰だ、きっと。


 半分ぐらい呆れた目で、どうせ接点がないだろうから偏見みたいな個人的感想を脳裏でつらつらと述べていると――


 白鳳院さんの視線がこっち側を――というか、僕を照準(ロツクオン)した。


 自意識過剰じゃないと確信させるぐらい冷たい視線でじっと見られている。


 背中が寒くなったのは、さっき建てたフラグがさっそく凶悪な牙を剥いてきたような嫌な予感がしたからだ。


「わたしは室井八雲の許婚。末永くよろしく」


 その予感は外れずに、白鳳院さんは特大の爆弾を放り投げてきた。


「………………………………………………は?」


 どうやら僕の人生はまだ変貌している最中だったらしい。






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