第六話 結成②
「ふぅ・・・。よし、入るぞ!」
学校にも無事に到着し、教室の前で気合を入れた俺は普段のオタクオタクした雰囲気をリア充(笑)の雰囲気へと切り替える。まだ、二日目だ。油断は禁物だぞ!そーま!
ガラッ、教室に入り自分の席へ向かう。
「おはよ、神崎」
既に席についていた緑山くんに声をかけられた。やっぱり、挨拶をして貰えるってのはいい気分だなー!っと俺も返さないと!
「おはよ!緑山くん!」
よっしゃー!噛まずに言えたぜ!そーまくんの成長がみられるぜ!
「おはよう、神崎くん」
「お!おひゃょうごじゃいます、し、しののめしゃん・・・」
うわ!?いきなり東雲さんに話しかけられちゃったよ!?びっくりした!ちょっと噛んだのはびっくりしたからなんだからね!?勘違いしないでよね!?
「ふふ、やっぱり面白いわね。神崎くん」
「え、いや、これは・・・その・・・」
くそぅ・・・、俺のイメージが・・・。これじゃあネタキャラじゃないか・・・。
「遅かったわね!そーま!準備はできたわ!」
うお!?高坂まで出てきた!?中学の俺からじゃ考えられない進歩だな・・・。これでさっき噛んだ分はちゃらでお願いします・・・。
「あら、おはよう。高坂さん」
「でね!でね!・・・あ、おはよ東雲さん」
お、おーい!?あの東雲さんが挨拶してくださったのに、なんだそのついでにーみたいな挨拶は!?高坂!?
というか、さっきからビックリしてばっかだな俺!?
「それでね!そーま!放課後に手伝ってもらいたいことがあるから、ちょっと付き合ってね!条件もそこで言うわ!」
「お、おぅ」
いや、分かったけど・・・。なんで今言うんだよ・・・。本当こいつタイミング悪いな・・・。
「高坂さんと神崎くん、仲良かったのね。ちょっとびっくりしちゃった」
違うんです!東雲さん!俺とこいつは仲がいいとかそういうんじゃ・・・。
「えぇ、だって私とそーまはオタト・・・、友達だもの!」
お、おおい!?こいつ今オタ友って言いそうになってたよな!?こいつはやばいぞ・・・、下手したら直に高坂にバラされてしまいそうだ・・・。
「オタ・・・と、友達ですって!?ま、まぁいいわ。私とも仲良くしてね?高坂さん」
なんで東雲さんは動揺してるんだろ?なにか変なこと言ってたかな?
「ほんと!?こちらこそよろしくね、東雲さん!・・・じゃあ東雲さんも放課後付き合ってもらっていい?」
「もちろんよ、なんでも言ってね?」
ナイスだ!高坂!にしてもこんな俺と痛い高坂と仲良くしてくれるなんて・・・、天使なんじゃないですか?
「おい、神崎どういうことだよ!?」
「え?」
急に緑山くんが話しかけてきた。
「いつの間に、クラスの美人2トップと仲良くなったんだよ!?」
2トップって東雲さんと高坂か?高坂は確かにかわいいけど、東雲さんと並べられたら可哀想だろー。
「別に仲良くはないんじゃないか?ちょっと話すくらいだし」
「いや、クラスの人気ナンバー1と2と会話できるだけで羨ましいぞ!」
「東雲さんとは会話になってなかったと思うんだけど・・・」
我ながらほんと情けない・・・。
「確かにな、まぁ神崎なら大丈夫だろ」
なんか、棘のある言い方だなー。ここは反論したほうがいいのか?
「仲良くなったら、俺にも紹介してくれよな!」
うーん、紹介するほどのコミュ力はないんだけど・・・。
「ほら、そろそろ担任くるぞ。てなわけでよろしくな!」
「お、おぅ」
何をよろしくなんだろう?
ガララッ、担任の先生が教室へ入ってきた。やべ、席に着かなきゃ・・・。
こうして、俺の高校デビュー二日目が始まろうとしていた。
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テスト始まるので少し休みますー。