第二話 放課後①
こんにちは、aokuinaです。
投稿遅くなってすみませんでした。
では、「オタクな俺が高校デビューしてみた」第二話、お楽しみください。
どうやら他の委員会も決まったようだ。
「神崎ー、東雲ーちょっときてくれ、頼みたいことがあるんだ」
先生に呼ばれると、放課後に委員会の名簿を作って欲しいと頼まれた。名簿って普通先生が作るものじゃないのか‥‥?今日はラノベの発売日だから、早く家に帰りたかったんだけどなぁー。めんどくさい、やりたくない、働きたくない!
「神崎くん?放課後、教室でいいかしら?」
「あ、はい」
東雲さんに話しかけられてしまった‥‥。中学の頃は話しかけられることなんてなかったのに‥‥。これが高校デビューの力か、絶対ばれないようにしないとな‥‥。
この後、学校案内、プリント配布という流れで授業は終わった。
ーーーーー
放課後
初日の授業が終わり、クラスメイトはみんな帰ってしまった。なのでこの教室には俺と東雲さんの二人だけだ。やばい、緊張してきた‥‥。
「じゃあ、神崎くん、始めましょうか」
「そ、そーだね」
「‥‥‥」
東雲さんの言葉から、名簿作りが始まった。
「‥‥‥」
東雲さんは黙々と作業をしている。やっぱり、東雲さんは真面目なんだなー。
委員長に立候補するくらいだしな!
「‥‥‥」
「‥‥‥」
女子と話すのはつらいけど、沈黙はもっとつらいな‥‥。ここは男らしく話しかけるか?いや、でも‥‥、あーどうしよ!?‥‥いや、今の俺は昔とは違う!
数段もパワーアップしている俺なら女子との会話なんて余裕でできる!
よし、話かけようではないか!
「東雲さん、今日は良い天気ですね!」
よし!噛まずに言えたぞ!テンプレだけど。これならコミュ力ない俺でもいける!
「今は曇っているけど‥‥?」
なん‥‥だと‥‥!?肝心の天気がよくないんじゃ、俺の会心の会話術がきかない!?
「まぁ、人によっては曇りが良い天気とも言えるわね」
流石、俺の会心の会話術!実は結構コミュ力あるんじゃないか?俺!あとはこれをきっかけに話を広げればいける!あれ?案外余裕かも。
「曇りはいい天気だよね!涼しいし、日が直接当たらないから肌にも優しいし!」
女性なら美容にも気を遣うはず。これで話は広がった!
「雲から散乱光が当たると、晴れの時より紫外線が多くなることもあるから、一概にも曇りが肌に良いとは言えないんじゃない?」
「グハァ!」
東雲さんは冷静に俺の残念知識を指摘してきた‥‥。
曇りなのに、晴れの時より紫外線が多くなるってどうゆうことなんだよ!?
いや、今の問題はそこじゃないよ!会話全然広がってないじゃん!誰だよ、結構コミュ力あるとか言ったやつ!?俺だよ!
「あ、えと‥‥そのですね!」
ここはどうにかしないと‥‥。恥ずかしすぎる!
「神崎くんって面白いのね。同じ委員長が神崎くんでよかった」
東雲さんの委員長スマイルはそれはそれは、天使のようだった。良い人や‥‥。
‥‥若干東雲さんに救われたけど、これは結果オーライなんじゃないか?GJ俺!
「面白いといえば、高坂さんの自己紹介覚えてる?‥‥確か宇宙人がどうのこうのって」
高坂の自己紹介‥‥、忘れるわけがない。まさか現実の高校であのセリフを聞くとは思わなかった。それだけハ〇ヒが好きなのか?それとも‥‥。
「高校生にもなって、宇宙人とか信じてるなんて高坂さん可愛いわね」
「いるなら私もあってみたいわ、宇宙人」
そうきたか‥‥、流石に東雲さんはあの自己紹介知らないか。でも、知らないのにあのセリフを聞いて引かないなんて‥‥‥なんていい人なんだ!俺なら引くどころか、一生関わりたくないよ‥‥。
「そーだね、実は案外近くにいるかもよ?」
まるで、ハ〇ヒのように‥‥。
「いるわけないじゃない、いたら誰かがみつけているもの」
「でもさ、こういうふうに思っている方が楽しいと思うよ」
そう、小さかった頃、日曜朝にやってるヒーロー番組のヒーローを俺は信じていた。周りの人は「そんなのいねーよ」と言っていたけど、それでも本当にいると思っていた。いや、本当にいると思いたかっただけかもしれない‥‥。
大切なのは本当にいるか、どうかではなく、いると思うかということだと思う。
「深いわね‥‥‥でも期待して、叶わなかった時悲しいだけよ」
彼女はそう、明るく言うがなぜか少し悲しいそうな目をしていた。だけどそれは一瞬のことで、直に委員長スマイルに戻った。なんだろ‥‥、俺なんか変なこと言ったかな?
「私、中学校の友達が同じクラスにいなかったから、少し不安だったのだけど、神崎くんみたいな人がいれば楽しく高校生活を送れそうだわ。改めてよろしくね、神崎くん?」
‥‥‥これはフラグじゃない。これはフラグじゃない。これはフラグじゃない。よし、大丈夫だ!危ない危ない、このままだと勝手に勘違いして、勝手に告白して、勝手に振られるところだった。って勝手に振られるってなんだよ‥‥。
もともと女子と会話してなかったせいか、ちょっとのことでグラっときてしまう。それで小学校の時、何人の女子の厚意を好意と勘違いしたことか‥‥。
ダメだ‥‥、悲しくなってきた‥‥‥。
だいぶ脱線しながらも名簿作りは順調に進んでいった。
「これで最後みたいね。私はこの名簿を先生のところへ持っていくから、神崎くんは先に帰ってもいいわよ?」
東雲さんは、名簿を持ち立ち上がる。
‥‥‥買いたいラノベもあるし、ここは東雲さんに任せちゃおうかな。
「あ、ありがと。じゃあよろしくね、東雲さん」
「ええ、こちらこそありがとう神崎くん。おかげで楽しかったわ」
そういうと、なんだか嬉しそうに東雲さんは教室を後にした。
東雲さん良い人だったなー。こんな人と話せたのも、高校デビューのおかげかな。高校デビュー万歳!明るい未来が待ってるぜ!‥‥‥っとあまりにうまく行き過ぎて、テンションが上がってしまった‥‥。
「さて、本屋いくか」
なんだか、教室をでる足どりが軽かった。
少し書くスピードが上がってきました。
文章力も上がればいいんですが‥‥。
第三話は高坂さん回にする予定です。
次回も見ていただけたら光栄です。