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冒険者ギルドのテンプレ事情

冒険者ギルド説明回?です。

文章の中でうまく設定を説明するのが難しいですね。

そのうち、設定ページを作ろうかとも思います。


2/4  ステータス表示の性別は削除しました。

   ステータス表示の文字色表示を削除し、モラルを追加しました。

 俺は街に入ると門のすぐそばにあった冒険者ギルドに向かった。

 外から窺う限り、酒場のように見える建物の中は、いいようのない緊張感に包まれている。

 ごめん、たぶん気のせいだわ……俺、行ったことない店に初めて行ったときに、入り口の前でうろうろしちゃうタイプですから。


「ちょっとそこを通してもらえないかな?」


 冒険者ギルドの入り口でまごまごしていると、後ろから声を掛けられる。振り向いてみると見覚えのある人物が訝しげに立っていた。


 ゲイルだったかなたしか? ここにいるということは盗賊を返り討ちにした件が認められて、無事門を通れたのだろう。さっきは遠目に見ただけだが、よく見ると身なりのいい金髪碧眼の爽やかなイケメンくんである、爆発すればいいのに。


「あっ、はい、すみません。お先にどうぞ」


 入り口の横に退き先を譲ると、ゲイル君は颯爽と冒険者ギルドに入っていった。

 さすがはイケメンである、憎らしいほど堂々としてやがる。俺はある程度の距離を空けて便乗して入っていく。入りづらい店とかでも、誰かが入って行くと精神的な敷居が低くなるよね。


 ギルドの中に入ると、正面に受付が3ヵ所あり、左奥のほうに買取窓口らしき広めの窓口が、左手前には食事もできそうな椅子とテーブルが並んでいる、ここでメンバーを待ったりするのだろう。

 まずは受付だが、右から気の強そうな金髪美女、ふくよかなおばちゃん、目つきの悪いオッサンの順に座っていた、今回は情報収集のためにも真ん中のおばちゃんにしておこうと思う。古今東西おばちゃんほど多くの情報をしゃべる存在は無いだろうからな、まぁ話してくれる情報は、どうでもいい情報も多いけどね。

 真ん中の受付に向かう途中、後方から響いた罵声に足を止められる。


「おい、そこのてめー! てめーのような優男が来るとこじゃねーぞ、ここは」


 恐る恐る振り返ると、そこにはチンピラに絡まれているゲイル君がいた。

 テンプレきたぁーと思いきや、ゲイル君かよ。盗賊討伐、ギルドで絡まれ、次に豚貴族から女の子助けたりとかしたら、もう主人公決定だな!


----------------

名前:ハッサン

種族:普人族

モラル:-78

レベル:18

筋力:39 (89)

耐久:45 (103)

敏捷:33 (76)

器用:28 (64)

精神:24 (55)

魔力: 9 (21)

通常スキル:大剣術Lv2 斧術Lv2 体術Lv2 隠密Lv2 異次元収納Lv2

固有スキル:なし

ギフトスキル:なし

----------------


 一応チンピラを鑑定してみるとハッサンさんというらしい、ハッサンさん……ハッさんでいいか、ハッさんのレベルはゲイル君より高いが、パラメータもスキル構成もゲイル君のほうが優秀なのでなんとでもなるだろう。

 俺は騒ぎを放置してさっさと真ん中の受付にいくことにし、受付の前に付くと、すぐにおばちゃんに話しかけられた。


「あんた、見ない顔だね。ここのギルドは初めてかい?」

「はい、アスラと申します。先ほどこの街に到着しまして、登録して身分証明になるものがほしいのですが」

「あたしはマーサだよ、登録だと銀貨1枚かかるけど大丈夫かい? 無いなら作ってからでもいいよ。どうせ街の入り口で保証金払ってるんだろう?」

「はい、銀貨1枚ですね、先にお支払いしておきますね」


 マーサさんに銀貨1枚を渡し、代わりに登録用紙を貰う。


「その紙に名前と年齢、拠点を書いておくれ、あとこれは必須じゃないが持ってるスキルと、特技とかもあるといいやね」

「えーっと、名前はアスラっと、年齢は18歳で、拠点はと……この街ってなんて名前でしたっけ?」

「マッケイブの街だよ、なんだい知らないで来たのかい」

「いえ、先ほどショックなことがありまして、ど忘れしちゃったみたいです」


 適当なウソをついた手前、ハッさんとゲイル君が居る方を親指で指さしつつ聞いてみる。


「あれですよ、何か絡まれてるみたいですけど、放置してていいんですか?」

「あの程度は日常茶飯事さね、あんなことでびっくりしてるんじゃ、冒険者なんてやめといたほうがいいんじゃないかい?」

「はは、日常茶飯事ですか……荒っぽいんですね」

「そりゃそうさ、冒険者になるやつなんて腕っぷしだけが頼りなやつばかりだからね。おっと、これは忘れておくれなよ」


 マーサさんがおどけて、忘れてくれって言うが、特に反応は返さず聞いてないふりをして登録用紙の記載を完了させる。


「えっと何か言いましたかね? 僕は何も聞いていませんでしたよ。あ、記載のほう完了しましたので登録のほうお願いします。スキルとか特技は後でも加えられますよね?」

「ありがとさん、もちろん後でも問題ないよ、登録するからちょいとお待ちよ」


 登録作業が完了するまで、ぼーっとハッさんとゲイル君の争いを見ていると、ゲイル君が鞘を付けたままの剣をハッさんに突き付けていた。剣もすごくつよそうだな……ちょっと見てみるか。


---------------------------

名称:フレイムソード

スキル:火魔法

説明:刃渡り75cmの下級の魔剣

  魔力を消費して刃先から火魔法「フレイムアロー」を放つ

---------------------------


 うぉ、下級だけど魔剣なんか持ってるよ、こやつ何者? 気にはなるけどあんまり係わらないようにしよ、面倒に巻き込まれたらやだしね。

 野次馬の中から何人かが止めに入った後、二言三言話したすえに何らかの話がついたのか、野次馬達とも連れ立って受付横の通路を通って、どこかに行ってしまった。


「登録完了したよ! さっきの騒ぎがおさまったのかい?」

「ありがとうございます。なんか剣を抜きそうになったかと思えば、皆でそっちの通路の先にいっちゃいましたよ」

「なるほどね、まだ話してなかったけど冒険者同士の私闘は原則禁止なんだよ、だけど訓練は別だからね、おおかた訓練所に行って、決闘ごっこでもしてるんだろうさ」

「なるほど納得です。あ、訓練所なんてあるんですね。私でも使えますか?」


 正直決闘とかどうでもいいが、訓練所があるなら小剣術の訓練ができるはずだ、これは何としてでも使いたいところだ。


「訓練所は日が昇ってるうちならいつでも使えるよ、使う前に受付に一声かけておくれ」

「了解です。後日使用させていただきますので、よろしくお願いします」

「あいよ、それで身分証明のほうなんだが、こいつを持っていきな」


 マーサさんに木でできた割符?のような物を渡された。


「その割符は3つに別れるようになっててね、1つはもう外してギルドに保管してある。残りの2つの内1つは街の外に出るときに門で使って、残りはあんたが常に持ち歩いてな」

「へー、もっとちゃんとしたものだと思ってたんですけど、こんななんですね」

「まぁね、ランクが上がればちゃんとした物になるんだが、見習いのうちはこんなもんさ」

「あ、ランクについてと、注意事項とかあったら聞いときたいんですけど」


 やべ、どうせ冒険者ギルドなんてテンプレ通りだろうと思って、詳しい話をぜんぜん聞いてなかったわ……やっかいな決まりとかあったらどうしよ。


「あー、説明してなかったね。ランクは見習いから始まって、アイアン、ブロンズ、シルバー、ゴールド、ミスリルの順で上がっていくね。見習いとアイアンの内は割符を使うから、基本的に拠点にしてる街だけでしか依頼を受けれないんだよ。ブロンズからは魔法が付与された冒険者カードを貰えるからね、どこの街でも使えるし、面倒な割符ともおさらばさ」

「なるほど、できるだけ早くブロンズランクになりたいもんですね」

「そうそうなれるものでも無いけどね、ブロンズランク以上はせいぜい冒険者全体の3割ってとこさ。残りの7割は見習いでひぃひぃ言ってるか、アイアンでくすぶってるかだね」


 俺はまだランクすら付いてないってことか、どうりであっさり登録できちゃったわけだよ、アイアンかブロンズにランクが上がるときに、ちゃんとした審査があるかもしれんな。たぶんブロンズからが一人前の冒険者なんだろう、それが3割しかいないってことは、ブロンズまで結構時間かかりそうだな。


「ランクについてはなんとなくわかりました。あとは冒険者としての注意事項ですか」

「たいした決まりは無いよ、冒険者同士の私闘の禁止してる以外は自己責任さね、ギルドは仕事の仲介はするけど、ごたごたの仲裁はしないよ」


 私旨いこと言ったみたいな顔してやがる……スルーだスルー。


「それで、冒険者の義務とかってありますかね?」

「見習いのうちは無いけど、アイアンからは街の防衛とかの強制依頼は受けてもらうことになるね。ブロンズからは指名依頼がある、これは強制じゃないけど断るとランクアップしずらくなるかもね」


 とりあえず、見習いのうちは気楽なもんらしい、義務がないなら権利もしょぼいんだろうし、報酬やっすいだろうなぁ。まぁ今日はこのくらいにしとくか、日も傾き始めてるし、そろそろ宿を取らんとまずい。


「今日はありがとうございました。最後にマーサさんのお勧めの宿屋とかありませんかね?」

「お勧めの宿屋ねぇ、たくさんあって困っちゃうさね」


 ギルドの業務と関係無い話になったせいか、マーサさんはこの後どうでもいい話も交えて、たっぷり1時間ほど掛けてお勧めの宿屋について語ってくれた。あと、俺がマーサさんからどうでもいい話を聞いている間に、ハッさんとゲイル君が仲良く肩を組んで訓練所から出てきた、あれか拳で解り合ったかんじか……もうゲイル君の伝説がこの街から始まるんじゃねーのってくらいに王道だよな。



 やっと解放された俺は、街の入り口で保証金を返してもらい、3軒目に訪ねた宿屋でなんとか部屋を取れた時には、既に日は沈んでおり、もう腹減って死にそうだったよ。


 今日の結論、おばちゃんの話はやっぱりどうでもいいことが多すぎる、次は金髪美女の受付にしよう!



お読みいただきありがとうございました。

初の女性キャラ登場がおばちゃんでしたが、

作者はババ専ではありませんので安心してください。

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