今度は実戦経験を積もう
3/18) 「討伐部位の剥ぎ取り」を削除(冒険者カードがあるので不要でした)
俺の目の前には、薄暗い森の中で、2メートル近い巨体のオークと、2人の可憐な少女が戦う光景が広がっている。白髪の少女が、武器を持っていない左手側から攻めて気を引き、黒髪の少女が右手側で好機をうかがっていた。
今のスズとマシロなら倒せるとは思うが、俺は念のため、敵が特殊な個体でないかを鑑定で確認しておくことにした。
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名称:オーク
種別:魔物
レベル:19
筋力:71 (171)
耐久:74 (178)
敏捷:29 (70)
器用:24 (58)
精神: 9 (22)
魔力: 4 (10)
スキル:棒術Lv3 体術Lv1 毒耐性Lv2 麻痺耐性Lv2
固有スキル:精力強化
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オークとしては弱めの個体だが、筋力と耐久はやはり高い。攻撃を食らうと危険ではあるが、敏捷値を見る限り、油断さえしなければ問題無く倒せるだろう。3匹いたオークの内、1匹はコテツが食い止めているし、もう1匹は俺の足元に転がっている。俺は、アンズがスズ達を見守っていることを確認してから、足元のオークから、鋼の投剣を抜き取った。
投剣の血を拭ってから、スキルで収納して前を向くと、既に決着がついており、巨大な豚が2匹転がっている。この3ヶ月のレベル上げで、スズとマシロも二人掛かりであればオーク程度は討伐できるようになっていた。
自重せずにパワーレベリングを続けた結果、2人は僅か3ヶ月でスペックだけならアイアンランクの中級レベル以上の強さになっていた。俺は今回の戦いで、2人のレベルが上がっていないかを鑑定で確認する。
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名前:スズネ・カミシロ
種族:混血種(鬼人/普人)
モラル:6 ↑6up
レベル:14 ↑12up
筋力:35 (99) ↑2up
耐久:36 (102) ↑2up
敏捷:43 (122) ↑1up
器用:28 (79) ↑1up
精神:19 (54) ↑1up
魔力:13 (37) ↑7up
通常スキル:生活魔法Lv1(new) 無属性魔法Lv3(new) 闇魔法Lv1(new) 肉体異常耐性Lv4(new) 精神異常耐性Lv2(new)
固有スキル:忍の心得Lv2(1up)
ギフトスキル:アスラの加護
スキルポイント:5pt
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名前:マシロ
種族:混血種(獣人/普人)
モラル:9 ↑6up
レベル:14 ↑12up
筋力:37 (105) ↑8up
耐久:37 (105) ↑7up
敏捷:47 (133) ↑4up
器用:32 (91) ↑2up
精神:20 (57)
魔力:13 (37) ↑6up
通常スキル:小剣術Lv2(new) 弓術Lv3(new) 隠密Lv2(new) 生活魔法Lv1(new) 水魔法Lv2(new) 無属性魔法Lv1(new) 肉体異常耐性Lv2(new) 精神異常耐性Lv2(new)
固有スキル:絶対感知Lv3(2up)
ギフトスキル:アスラの加護
スキルポイント:10pt
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2人のレベルは14のまま変わっていなかった。最近ではレベルが上がりづらくなってきたので、パワーレベリングを止めて、実戦経験の不足を埋めるためにも、オークやホブゴブリンを相手に戦わせていた。
スキルについては2人にいろいろ覚えてもらっている。どうやら担当のスキル神は同じらしいのだが、向こうで一緒にスキル訓練をするといったことは無かった。聞いた話によると、トルテさんは相変わらずのようだが、鬼軍曹のはずのサージェスさんが優しく教えてくれるらしい……あのロリコンめ!
スズには、耐性のレベル2で普通に喋れるようになった時点で、生活魔法を覚えさせ、魔力を重点に上げてもらっている。その後、耐性レベル3で日常生活が問題無くなり、耐性レベル4で多少の麻痺はあるが、戦闘もこなせるようになって、少しは身体能力のパラメータも上昇している。耐性レベルを5に上げるためには32ポイントも必要なため、今は他のスキルを優先に上げていた。
特筆すべきは、無属性魔法でパーティ化ができるようになったことで、もうおんぶに抱っこのレベル上げが必要無いと思うと、少しだけ寂しかったりする。ちなみにスズは闇魔法にも適性があり、森に入る時の暗視の闇魔法も担当してもらっている。そして、覚えた無属性魔法は次のとおりだ。
・無属性魔法Lv1『ガード』:魔力壁を作る
・無属性魔法Lv1『ブリット』:魔力弾を放つ
・無属性魔法Lv2『パーティライズ』:パーティを結成し、経験値を分配する
・無属性魔法Lv2『シグナル』:パーティメンバーに一定時間、自分の居場所を知らせる
・無属性魔法Lv3『プロミス』:両者同意のもと契約紋を刻む
・無属性魔法Lv3『フィジカルブースト』:自身の筋力、耐久、敏捷を一時的に上昇させる
『ガード』と『ブリット』は効果が魔力に依存しているようで、魔力が低い現状は使い物にならない。『パーティライズ』と『シグナル』はパーティ用の魔法で、『プロミス』はペット契約でも使ったものだ。けっこう使えそうなのが『フィジカルブースト』で魔力が低い現在でも、体感で1割程度は上がるらしい、効果時間が異様に短いらしいが、きっと魔力が上がるにつれてマシになるだろう。
マシロにもまずは、生活魔法と無属性魔法を覚えさせ、魔力訓練をさせながら、感知系と戦闘系のスキルを平均的に上げさせている。食生活の改善により、魔力以外のパラメータについても順調だ。戦闘にも参加するようになったので、これからもっと伸びるのでは無いかと思う。また、マシロには無属性魔法と水魔法への適正があったため、水魔法を覚えさせており、覚えた魔法は次のとおりだ。
・水魔法Lv1『ウォーター』:水を発射する、対象を押し流す
・水魔法Lv1『アクアミスト』:霧を発生させる
・水魔法Lv2『アクアヒール』:癒しの水で、傷を癒す
・水魔法Lv2『アイスアロー』:氷の矢で対象を穿つ
魔力が低い現状、使い物になるのが『アクアヒール』くらいだが、夏までに魔力を上げさせておいて、『アクアミスト』で涼を取るとか良いかもしれない。『ウォーター』は火消しに使える程度で、『アイスアロー』はゴブリンには効くが、オーク相手だと刺さりすらしない。
魔法の威力が、魔力に依存したものが多いので、魔術師系の人がどうやってレベル上げしてるのか不思議だが、魔術師系の人をあまり見ないのは、そういった理由もあるのではないかと思った。
スズとマシロには今後、固有スキルを優先で上げてもらおうと思っており、次のレベルまでスズは8ポイント、マシロは16ポイント必要なため、今はポイントを貯めているところだ。
「無事に討伐完了です」
「おわったよー」
「二人共おつかれ、これで24匹目だな。今日はこのくらいで訓練に移るか」
スズとマシロの頭を軽く撫でてから、訓練のため森を出て、街道沿いの開けた場所に向かう。俺達は、強くなるためにレベル上げだけをしているわけでは無かった。1ヶ月ほど前からだが、6時間程度で狩を切り上げ、2時間ほど訓練に時間を使うようにしている。
俺がこの3ヶ月でレベル上げ以外にしていたことを簡単に言うと、次の通りだ。
・スズに黒ゴス衣装を着せた、超可愛かった。
・スズとマシロが着替え中の部屋に突入、良いネタが増えた。
・腐りかけの領主と護衛の遺体を処分した、臭かった。
・冒険者ギルドで二つ名がついた、ダサかった。
・訓練中、アンズとの模擬戦に負けた、悔しかった。
小学生並みの感想も付けてみたが、概ねこんな感じだった。
スズ達と同じ部屋にいることで、ラッキースケベに遭遇することが多々あったが、なんとかノータッチの誓いを守れている、これもすべてナオちゃんのおかげだ。
そしてナオちゃんの異次元収納に入れていた、領主と護衛のことをうっかり忘れていたせいで、遺体が腐り始めていた。自分以外の異次元収納に入れていると、中身が見えなくて忘れてしまうのが難点だ。遺体は西の森で狩を初めてから直ぐに、オーク達に処理してもらった。あいつらなんでも食べるんだよ、毒や麻痺の耐性ついてるのは、きっと毒キノコとかのせいだろうな。
更に自重しないで討伐依頼をこなしまくったせいで、ついに二つ名が付いてしまった。『子連れの黒虎』これが俺の二つ名らしい……どうやらパワーレベリングの様子が見られていたようで、子供を連れて戦う、黒虎の防具の男ってことだ。もう一つ二つ名があるらしいが、そっちは触れないでほしい。
また、訓練中に模擬戦もするのだが、実は最初、アンズにあっさり負けた。スキルレベルもパラメータも俺の方が上だから、相手が魔物なら攻撃ゴリ押しで行ける俺のが有利だ。しかし、魂の修練場での訓練があったとしても、対人戦においては戦闘経験の差が大きいらしい。最近は勝てるようになってきたが、訓練の大切さは身に染みたので、今後も訓練は続けていこうと思っている。
そんなこんなで、最近は、朝からお昼を挟み、西の森で6時間ほど魔物を狩った後、街の近くに戻り2時間ほど戦闘訓練をして帰る日々を送っている。休日は1週間に1日のみだ、早く強くなってもっと休みたいよ……。
森から出た俺達は、街から歩いて20分程度の開けた場所で訓練を開始した。スズとマシロが組んで、木の武器で模擬戦を始める。コテツとアンズも模擬戦を始めたので、俺は観戦に回った。
俺やコテツとアンズが強くなっているかというと、コテツとアンズはレベルは1つしか上がっていないが、基礎パラメータが順調に上昇している。ペットとして捕まり弱っていたそうだが、今は全盛期に近づいたそうだ。
俺はというと、次のステータス表示を見てもらえればわかると思うが、筋力と耐久が特に上がっている。想定外だが、これも四身一体式パワーレベリングの恩恵であろう。
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名前:アスラ
種族:異世界人
モラル:219 ↑6up
レベル:27 ↑3up
筋力:45 (320) ↑7up
耐久:45 (320) ↑6up
敏捷:48 (341) ↑3up
器用:57 (405) ↑1up
精神:36 (256) ↑1up
魔力:30 (213) ↑3up
通常スキル:体術Lv4 小剣術Lv4 投擲術Lv4(1up) 射撃術Lv1 隠密Lv6 気配察知Lv4(1up) 異次元収納Lv2 生活魔法Lv2 錬金術Lv3 闇魔法Lv4(1up) 風魔法Lv4 詠唱省略Lv4 精神異常耐性Lv2 肉体異常耐性Lv2
固有スキル:エアマスター
ギフトスキル:異世界人セット(中) 加護付与 万物鑑定
スキルポイント:0pt
眷属:ナオ (1/2)
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パワーレベリングのために、不意打ちを避け、遠距離から倒せるように、気配察知と投擲術のレベルを上げている。投擲用に、小さなダガーに近い形状の鋼の投剣を6本を、小金貨6枚(約60万円)で購入している。あと、闇魔法はトルテさんに上級麻痺解除薬について聞くために、レベルを上げたようなもので、使える魔法は次の通りだ。
・闇魔法Lv4『エンチャントダーク』:武器に闇の力を付与する
・闇魔法Lv4『シャドウバインド』:闇の刃で影を縫い付け、対象の動きを封じる
『エンチャントダーク』は夜間使うと武器の威力が上がり、完全に闇に紛れられるが、通常使うなら『エンチャントウィンド』のが効果は高い。『シャドウバインド』は相手の影に、魔法の刃を刺す必要があり、森の中では敵の影が隠れてしまい、今一使い勝手が悪く、どちらもあまり使用していない。
肝心の上級麻痺解除薬は、調剤スキルでないと作れないらしいので、錬金術のスキルを上げるのは商都連合に行って、落ち着いてからにしようと思っている。
そして、闇魔法をレベル4にすることで、眷属の最大数も2に増えていた。これでスライムが2体、どんなプレイが……とか考えたりもしたが、俺はナオちゃんだけでも充分満足してる。それに、今後どうしても眷属にしたい魔物が出てくるかもしれないので、眷属は増やしていない。
どうやら、コテツとアンズの模擬戦は、コテツの勝利に終わったようだ。俺もコテツには負け越しているが、いつまでも負けたままではいられない。俺はもう1人じゃないんだ、今までみたいに敵から隠れてばかりではいられないし、守るためには直接的な強さも磨く必要があるだろう。
まずは、コテツに勝つ! と気合いを入れ、俺は木剣を持ってコテツの前に立つ。
まぁ、結局この日も負けたんだけどね。気合いだけで勝てたら苦労はしない。俺はこれからも訓練を続けていこうと心に誓った。
ほとんどレベルアップ報告回になってしまいました。
一応それだけじゃなくはしましたが、逃亡編でもう1回、レベルアップ報告回を挟む予定ですので、ご勘弁ください。
コテツ、アンズ、ナオちゃんのステータスはスキルがさほど変わらないので省略しました。




