情報共有と加護の付与
読み直して見たら、砂吐きそう、うぇ。
3/13) マシロの一人称を一部修正。
スズとマシロを部屋に招き入れ、ベッドの端に座らせる。俺も向かいのベッドに座り一息ついた。
可憐な美少女2人と同じ部屋に居るなんて今の状況を、前世の俺が知ったらどう思うかなぁ。やっぱ、それなんてエロゲとしか思えんよね。
漆黒の髪と雪のような白い肌のスズとは対照的に、マシロは絹糸のごとき白髪と褐色肌だ。背はスズのほうが大きいが、胸のほうはマシロのほうが大きいかもしれない。おっと、スズのジト目がきつくなってきた、男の視線がバレバレってのはほんとのようだ。
ともあれ、健康になったスズは言わずもがな、マシロもやつれてはいるが、充分美少女といっていい容姿をしている。そんな二人と一緒に居て、良く理性を保ててるもんだと、自分を褒めてやりたくなるね。
今はそんなことより、加護を付けるのを優先しないとならない。加護の付与方法を特定するのに、一応スズにも確認しとくか。
「そういや、スズっていつ加護のスキルが付いたかわかるかい?」
「……すみません、わからないです」
まぁ、そうだよなステータス表示の仕方がわからなければ、自分で気づけるもんでもないだろうし。そうすると、聞き方を変えるべきだな。
「そっか、じゃぁ記憶を取り戻したのは、いつだい?」
「あの、その……キス……した日の次の日でした」
やっぱり、あれが原因かな。ナオちゃんに加護付いたときのことも考えると、俺の体液が関係してるのは確かだろう。後は間接的に飲ませても効果が出るかどうかだよな。
「やっぱりね、たぶんキスで俺の加護がついたせいで記憶が戻ったんだな。ある意味、スズが危険な目にあったのは俺の所為とも言えるね、すまなかったなスズ」
「ううん、記憶が戻ったのは感謝してるし、捕まったのは私の所為。それにアスラさんは、私なんかを助けてくれたじゃないですか、私一生かけてでも恩返しします!」
俺の謝罪をスズは否定する。どうやらスズは随分と俺を誤解しているようだ。一生恩に着られるとか申し訳なさすぎるし、助けたっていうのも厳密には違う。変に買いかぶられても困るし、実際のところを話して、ちょっとは幻滅してもらっておくかね。
「あー、そんな恩に着なくてもいいんだ。スズは助けられたって思ってるみたいだけど実際は違うぞ。」
「へっ、それってどういうことです?」
「俺は人助けをするような立派な人間じゃない。俺はな、他の男がお前に触るのを許せなかっただけで、お前を助けたわけじゃないんだよ」
「っ!?」
ふふ、驚いてるな。実際、領主から助けた時って、助けようなんて思いは吹き飛んでたから、嘘は言ってない。これで前みたいに気安くなってくれればいいんだがな。
「だからさ、恩を返す必要も、俺に敬語使う必要も無いんだ。前みたいにアスラって呼んでくれよ」
「わっ、わっ……わかったよ。アスラ……ありがとね」
「そうだ、それでいい」
スズは何故か顔を真っ赤にしているが、どうやら、ちゃんとわかってくれたようだ。これで俺に対して変に負い目を持つことは無くなるだろうし、そのせいで自分から離れていくことも無いだろう。あの時みたいに別れも言わずに、居なくなられたら嫌だからな。
心配事も無くなったので、そろそろマシロへ加護を付与しようかと思う。いや、その前に最終確認はしとかないとな。
「マシロ、ちょっといいか?」
「なに? ……ああ、ボク、隣の部屋にいったほうがいいよね?」
マシロが鼻をスンスンさせてから、納得したように訊いてくる。
「ん? なんでそうなるんだよ」
「だって、スズお姉ちゃんからそんな匂い、ムグゥ」
「マシロちゃん、ちょっとこっち来てお姉さんと話そうね~」
スズがマシロの口を押させて、部屋の隅に連れていく。何かコソコソ話してるようだが、詳しい内容は聞こえてこない。しばらくして戻ってきたので、話を続けることにした。
「あー、話続けていいかな?」
「はい、いいよね、マシロちゃん」
マシロも首を必死に縦に振っているので、話を続けることにした。
「マシロは本当に解放されなくてもいいのか? けっこう危ない目に逢うと思うぞ」
「このまま一緒にいたい。お腹空くのはつらいし、ご主人はボクのこと嫌な目で見ないから」
まぁ、餓死ってかなりきついらしいしな。たしかに嫌な目では見てないかもしれんが、嫌らしい目で見てるのはいいのかな? いいならどんどん見るぞ。
「わかったずっと一緒にいようか。そういやマシロって、どうしてペットになったんだ?」
「ボクとママはね、たぶん貴族に飼われてたんだけど、没落したとかで売られたんだ」
「そっか、悪いこと聞いちゃったな。すまんなマシロ」
「いい、ボク離れに住んでたし、ママのことぜんぜん知らない。レベル1なったら一緒に住むって言ってたけど、そうなる前に売られた」
ふむ、貴族に飼われてたって、獣姦上等の貴族が生ませた子供ってことなのかな? レベル1から一緒に住むってのはなんでだろう。
「レベル1からってなんか違うのか? 俺って、いろいろ常識を知らないから教えてほしいんだけどさ」
「レベル1になるってのは大人になるってことで、子供も作れるようになるの。だからねレベル1にもなってない、子供も作れない子に手を出すと、モラルがすごく下がるそうなの」
俺の疑問にスズが答えてくれた。どうやらこの世界では、子作りできる=大人(レベル1)のようで、子供はモラル値的に守られているらしい。子供を作れる少女に手を出すのは子作り行為で有りだが、子供を作れない幼女に手を出すのは大罪ってことか……。
想像に過ぎないが、レベル1から一緒に住むってことは、獣姦した上に、その娘に手を出そうとしていたってことだよな。ずいぶんとファンキーな変態貴族だ、没落してくれて良かったよホント。
「なるほどな、貴族のご飯みたいなのは出してやれないけど、ご飯はしっかり食べさせられると思うから、これからよろしくな」
「うん、ずっとよろしく。美味しいご飯は今日初めて、前の貴族ケチだったから」
ペットショップにいたせいでやつれてるのかと思ってたけど、前からか。変態でケチで没落ってどんだけだよ。まぁ、解放しないでいいってことで、そろそろ加護を付けるか。
「ずっと一緒ってことで、マシロにも加護を付与しようかと思うんだが。いろいろ試していいかい?」
「加護?」
「そう、強くなるのに有利なスキルだ、ただこのことは絶対に誰にも言っちゃいけないからな」
「うん、わかった」
そういや、今まで話す心配も無かったから口止めしてなかったけど、スズにも言っとかなきゃな。
「スズも分かってるとは思うけど、加護のことは内緒だぞ」
「こんなこと誰にも話せないよ。騒ぎになるってわかりきってるもの」
言われなくても分かっているようだ。記憶を取り戻したスズは、結構聡明なようだな、これから心強いね。前のスズも可愛くて良かったけどさ。
「それはいいんだけど、アスラ……加護を付けるってキスするってことかな? ねぇどうなのかな?」
「あっ、ああ、そうなるかな? 他も試してみるよ。しないで済むならそのほうがいいしね」
スズの後ろに修羅が見える……、あれ~? わかってくれると思ってくれたんだがね。しょうがない、唾液を間接的に摂取させて、付与できるかも試してみるか。
俺は自分の指を咥え、充分に唾液を塗りたくると、マシロの目の前に差し出した。
「マシロ、嫌だと思うけど、俺の指を舐めてみてくれるか」
マシロは特に躊躇することも無く、俺の指をぱくっと咥えてチュパチュパ吸っている。背徳感と射貫くようなスズの視線の所為で、2重に背中がゾクゾクする。
「マシロもういいぞ」
マシロが指から口を離した後、鑑定してみたが、加護が付いた気配は無い。
「やっぱり直接じゃないと駄目みたいだな。スズ、加護は必要なんだ、赦してくれよ」
「わかってるけど、でも……むぅ、我慢する」
「マシロ、俺なんかで悪いが受け入れてくれよ」
「キスだけでいいの? なんでもするよ」
マシロが小首を傾げて上目遣いでそう言ってくる。俺の理性は崩壊寸前だ、上目遣いは卑怯すぎる。
もうおじさん辛抱たまらんよ、そんなこと言う子にはえろえろしちゃうぞ~って痛タタ!
おっかない笑顔を浮かべたスズが俺の手の甲を抓ってくる。パラメータ差があるから効かない筈なのに、これがけっこう痛い。
「キスだけだ! キスだけだから信じてくれ」
「ホントですか~? 私、信じてるからね」
スズが離してくれたので、出来るだけ平静を保ったまま、マシロに触れるように軽いキスをする。どうやらこれでも駄目ならしい。
「どうやら、これでも駄目ならしいな。少し我慢してくれよ」
「ん、お願い」
少しだけ顔を赤らめたマシロの唇に口づけし、怪我をさせないよう注意しながら、優しく舌を絡ませる。暫くの間、マシロの普通よりざらついた舌を楽しんで、背中からの視線が危険水域に達したあたりで、口を離した。
「ふぅ、これきもちぃね」
「たぶん、これで加護を付与できたはずだ」
マシロがうっとりと呟くのが聞こえたが、俺は出来るだけ平静を保つ。スズへの言い訳交じりの言葉を放ちつつ鑑定をすると、マシロのギフトスキル欄に『アスラの加護(スキル習得中)』を確認できた。
ふむ、加護も習得が必要なのか? どうやって習得するんだろうなこれ。
「スズ、加護を習得した時の事って覚えてるか? そういや、他のスキルはどうだった?」
「耐性スキルはトルテさんって人に教わったよ。加護は、うーん? 何かあったとは思うんだけど、なんか靄が掛かってる感じで思い出せないの」
覚えてないか、こればっかりは俺じゃわからんからな、今度魂の修練場に行ったら訊いてみるとしようか。
「そうか、それならいいや。まぁ加護はこれで問題無い。飯食って身体洗って寝ようか」
スズとマシロを連れて、隣の部屋のコテツとアンズも呼び、食事とお湯を貰ってからそれぞれの部屋に戻った。
「俺、飯食ってるから、2人で身体洗ってきな。明日からマシロに洗ってもらうんだから、その練習も兼ねてな」
「うん、行ってくるね」
スズとマシロが連れ立って、仕切りの向こうに行って服を脱ぎだす。
自分で脱がすのも良いが、こう仕切りを隔てた向こうから、衣擦れの音が聞こえてくるのも悪くないな。
仕切りの向こうから聞こえてくる声に悶々としながら、食事を済ませ、スズ達が戻ってくるのを待つ。
「お待たせ、今まで洗ってくれてありがとね」
「気にすんなよ、役得ってやつだったからな。俺も身体洗ってくるから飯食ってな」
赤い顔のスズを置いて、俺はナオちゃんを連れて、洗い場に向かう。身体の汗を流すついでに、他にもいろいろ流して、冷静になっておこうといったところだ。
少しだけ長い時間を掛けて身を清めてから、スズ達の元に戻る。
「ご主人、なんか変な匂い。でも嫌じゃない? 不思議」
「あはは、気のせいじゃないかなぁ。気にしないでくれよ~」
マシロの感知能力は思ったより高いみたいだ、ホント心強いね。今度、石鹸とか手に入れとかなきゃな。
「そういえば、スズ、食事の世話もマシロにお願いしていいか?」
「あの……そうだ、マシロちゃんは慣れてないから、今まで通りがいいな」
「いいぞ、耐性のレベル上がるまでだろうからな」
まぁ、すぐ食事も普通にできるようになるだろうからな、あと数日くらいは口移しで食べさせてやろう。それぐらいなら俺の理性も持つはずだ。
「じゃ、俺はこっちのベッド使うから、そっちのベッドを2人で使ってくれ。怪我させたくないからこっちには来るなよ」
「「はーい」」
その日は少し早めに床に就いたが、中々眠ることが出来なかった。隣で眠る2人の百合百合しい姿を、どうしても妄想してしまうのだ、俺は果たしてどこに向かっているのだろうか……。
思ったより長くなり、投稿遅れました、済みません。




