俺のスキル、なんでこうなった……
ステータス確認シーン、前編です。
なかなか先に進まない、もうちょいすっきり書けるように精進せねば。
1/28 「基礎ステータス」⇒「基礎パラメータ」に変更しました。
アイテムの鑑定結果から品質を削除し、+1表記にしました。
ステータス表示の種族欄に性別を追加しました。
2/4 ステータス表示の性別は削除しました。
ステータス表示の文字色表示を削除し、モラルを追加しました。
強い日の光が目に眩しい、どうやら俺は外で眠ってしまったようだ。
なんだか異世界転生とか変な夢を見たようだが、そんなことよりもうちょっと寝たい。
腕で日の光を遮りつつ、二度寝に入ろうかとしていたのだが、「ギィギィ」という微かな鳴き声に気づき、周囲を見回すと、緑色をした人型の生物が右手には木の棒を掲げて、走り寄ってきているところであった。
「なっ、なっ、なんだあいつ!?」
慌てて起き上がり何か武器は無いかと自分の恰好を見て、異世界転生したことを思い出すとすぐに平静を取り戻すことができた。
敵は30メートルくらい離れているし、見たかんじお約束の雑魚ゴブリンっぽいから、きっと楽勝だろう。
俺は右腰にぶら下がっているクロスボウを両手で構え、ゆっくりとゴブリン(仮)に向けて照準を合わせる。
クロスボウには元からボルトがつがえられていたため、あとは引き金を引くだけでボルトが発射され、ゴブリン(仮)の命を刈り取るはずだ、すごくドキドキする。
敵が残り10メートルくらいまで近づいたところで、俺は息を止め引き金を引くと、腹にボルトが刺さったゴブリン(仮)は力無く倒れた。
ふぅ、緊張した。あんな大きな生物に攻撃するなんて初めてだけど、意外にやれるもんだな。
軽い罪悪感を感じつつも、より大きな達成感を感じながら倒した敵を見ると、まだぴくぴくと動いている。
止めを刺したほうがいいかとは思うが、迂闊に近づくのも良くないだろう、ここはまず鑑定だな。
えーっと、念じればいいのかな? テンプレ的には。【万物鑑定】発動っと。
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名称:ゴブリン
種別:魔物
レベル:2
筋力:32 (34)
耐久:34 (36)
敏捷:31 (33)
器用:21 (22)
精神: 5 ( 5)
魔力: 2 ( 2)
スキル:棒術Lv1
固有スキル:精力強化
ギフトスキル:なし
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ふむ、やはり雑魚ゴブリンか、名称の部分が赤文字になってるのは、所謂赤ネームっていう敵対している相手ってことなのかな? レベルは2か、魔物もレベルがあるんだな。HPとMPは無いけど、他のパラメータを見る感じだと、HPは耐久あたりが、MPは精神か魔力あたりが関係してそうな気がする。
そこまで見たところでフッと鑑定結果が消えたので、どうやらゴブリンは息を引き取ったようだ。
精力強化とか気になったけど、しょうがない、ステータスの項目の詳細とかは後で自分ので確認するとして、まずは所持品確認といこう。新手が来ても困るしね。
まずは装備だが、さっき使ったクロスボウと、左腰にある小剣、皮の防具を装備していたから、それぞれを鑑定してみた。たぶん射撃術と小剣術のスキルをとっていたからこの装備になったのだろうな。
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名称:クロスボウ+1
スキル:頑丈
説明:一般的な射撃武器
威力は高いが装填に時間がかかる
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名称:アイアンショートソード+1
スキル:頑丈
説明:刃渡り60cmの鉄でできた片手剣
扱い易いが威力は低い、初心者向け装備
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名称:皮の防具セット+1
スキル:頑丈
説明:皮でできたヘッドギア、鎧、小手、ブーツのセット
比較的動きやすいが防御はそれなり、初心者向け装備
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【頑丈】の効果は、装備が壊れにくくなるものらしい。ちなみにクロスボウのボルトは20本あったのでまだまだ撃てる、一応装填しておこう。クロスボウの先端にあるあぶみに足をかけ、体全体で弦を引き固定する。なんか自然に射撃とか装填が出来たけど、これもスキルのせいだろうか? なんかすごく気持ち悪い感じがするが、そのうち慣れるといいなぁ。
ボルトがあるうちは接近戦は控えて、クロスボウで戦うことにしよう。
次に所持金として、大きめの銀貨が29枚と小さい銀貨が9枚、銅貨が10枚あった。
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名称:銀貨(大陸共通)
説明:500年以上前から使用されている大陸共通貨幣
銅貨100枚分の価値がある
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名称:小銀貨(商都連合発行)
説明:約200年前から使用されている中間貨幣
銅貨10枚分の価値がある
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名称:銅貨(大陸共通)
説明:500年以上前から使用されている大陸共通貨幣
一人が一日に食べる黒パンと同価値とされている
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なるほど、銅貨が100円、小銀貨が1000円、銀貨が10000円くらいの価値ってことかな? 所持金は30万円ってところか。
説明見るとけっこういろいろ解るね、小銀貨は商売のために後から発行されたみたいね、銀貨で銅貨1枚の品物を買ったら、お釣りが銅貨99枚とかやだしね。小銀貨は銀貨の5分の1くらいの重さなんだけど、色がくすんでるから、多分質が悪い銀を使って銀貨の10分の1くらいの価値になるよう調整してるのかもしれない。
ともかく中間貨幣を発行してるってことは、商都連合は相当なやり手だな、経済的に豊かそうだし、そのうち行ってみよう。
最後にアイテム類だが皮の背負い袋に、干し肉と皮の水筒、傷薬っぽいのと歯ブラシらしきもの、後はなにかのメモが入っていた。
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名称:傷薬+1
説明:擦り傷、切り傷に良く効く塗り薬
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名称:歯磨きセット+1
説明:木と動物の毛で作られた良質な歯ブラシと塩
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干し肉と皮の水筒はそのままだった、傷薬と歯磨きセットも見たまんまだったわ、やっぱり歯は塩で磨くんかぁ、塩入りの歯磨き粉ってあんま好きじゃないんだよなぁ……まぁ贅沢は言えんか。
後はメモだけど、これ異世界生活のチュートリアルっぽいことが書いてある。
なになに、「まずは、ステータスを確認してみよう!」か、自分の手に向かって【万物鑑定】っと。
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名前:アスラ
種族:普人族
モラル:245
レベル:1
筋力:26 (26)
耐久:22 (22)
敏捷:24 (24)
器用:51 (51)
精神:29 (29)
魔力: 3 ( 3)
通常スキル:隠密Lv1
固有スキル:なし
ギフトスキル:なし
スキルポイント:0pt
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「ふぁっ!」
やばい、変な声でたわ、モラルの245ってのはいい、たぶんこれ転生の時のポイントと一緒だから、+の値が善行なんだろうな。
筋力・耐久・敏捷がヤヴァイ、ゴブリンさん雑魚なんて言ってすみません……俺こそ雑魚だわ。もしかしてさっきクロスボウ外してたらやばかったんじゃないか? HAHAHA 変な汗でてきたぜ。
ぐぅ、何よりスキルが隠密しかないってどゆことよ。太陽さーん、なんかミスってないっすか? 太陽さーん!
暫くの間、転生させてくれた太陽さんに呼びかけてみたけど、一向に反応は無い。何度かステータス見て、魔力が通常1って聞いてたのが、通常の3倍の魔力チート仕様なことに気づいたけど、なんか微妙な気分なんだが。
しょうがないからスキルに関しては保留にして、ステータスの項目について鑑定で見てみよう。
モラルはやっぱり善行・悪行で変化する値で、名前の文字色も連動しているらしい。モラル-300以下が赤、-299~-100が黄色、-99~99が白、100~299が水色、300以上が青になるそうだ。赤ネームは危険ってことだろう。
筋力・耐久・敏捷・器用・精神・魔力は、左側の数値が基礎パラメータで日常の行動によって増減するらしい、右側の括弧がついた数値は、基礎パラメータにレベルとスキルでの補正をかけた後の値のようだ。
レベルだけ上げても、日頃の鍛錬でベースになる基礎パラメータを伸ばさないと、たいして強くなれないってことだな。
通常スキルは隠密とか小剣術とかのこと。固有スキルはその人特有のスキルで特殊な効果のスキルもあるみたいだ。ギフトスキルは神からの贈り物ってことだから【万物鑑定】とかこの欄にあってもいいようなもんだが、なしってことは違うのだろうか?
考えても仕方がないから、太陽さんメモの次の項目に行くか、えーっと「街道を探して街を目指そう!」か。
周囲を見回し、道らしきも場所に近づいてみると、木でできた標識があった。
「⇐ 西 マッケイブの街 | デリルの町 東 ⇒」と書いてあるのが読めたが、やはり知らないはずの文字が読め、だいぶ違和感がある。なんというかデジャブを感じたときの違和感に近いかもしれない、まぁ人と話すようになればこの違和感にもすぐなれるだろう。
西と東どっちにいくかなぁと左右を見渡してみると、東側に煙が上がっていることに気づいた。
ん、あれは馬車かな? 火が上がってるみたいだけどもしかして盗賊襲撃のテンプレイベントか!?
あぁ残念だ、今回の盗賊襲撃イベントはスルー決定だな。なぜなら街と町だったら、都会っ子の俺として街を選ぶのは必然! ってことでこっそり西のマッケイブの街に向かうぜ、決して盗賊が怖いわけではない、ホントダヨ。よし、さっさと西側に逃げ……いや進もうね。
それから、30分ほど進んだところだろうか、危険な場所からも離れ冷静になってくると、身体の違いにも気づけるようになってきた。
まず最高なのは視界が広がったことだ、おまけで視力を治してもらったのだがこれだけでも転生した甲斐があると言うものだ。腰痛も無くなったし体も軽い。
歩くとき違和感があるのは身長が伸びたせいだと思うが、この程度ならすぐ慣れるだろう。頭部以外を7%大きくしてもらったから、元々の身長が169cmだった俺は180cm近くになっているだろうし、コンプレックスだった等身も7等身を超えているだろう。これならあっちのほうも平均値に届いていることだろう、宿屋についたら確認してみよう。
そろそろ、太陽さんメモの次の項目に行っとくか、ふむふむ「街道で出会った魔物を狩ってみよう!」か、あーこれもうゴブリンでこなしちゃってるな、次だ次「狩った魔物を解体してみよう!」……やっちまったー! ゴブリン放置してきちまったよ。あっよーく読んだら「※解体の仕方が解らないなら先に街まで行こう」って注意書きがあるや、解体なんてやったことない、よし街に急ごう。
更に30分ほど進んだところで、突然閃いた。「まずは、ステータスを確認してみよう!」にも注意書きあるんじゃね? あーやっぱりあったわ「※ステータス表示と念じることで確認できる」か、あの時は【万物鑑定】使ったんだよなたしか……よし、【ステータス表示】っと。
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名前:アスラ
種族:異世界人
モラル:245
レベル:1
筋力:26 ( 52)
耐久:22 ( 44)
敏捷:24 ( 48)
器用:51 (102)
精神:29 ( 58)
魔力: 3 ( 6)
通常スキル:体術Lv1 小剣術Lv1 射撃術Lv1 隠密Lv2 気配察知Lv1 異次元収納Lv1
固有スキル:エアマスター
ギフトスキル:異世界人セット(中) 加護付与 万物鑑定
スキルポイント:0pt
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太陽さんミスを疑ってすんませんした! スキルちゃんとありましたわ。
今回の教訓、クレーム入れる前にマニュアルとかチュートリアルをしっかり読めってことだね。うん、勉強になった!
お読みいただきありがとうございます。
ご都合主義スキル:エアマスターについては次話になりますので、できるだけ早くアップできるように頑張ります。