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華
「…あれ、なんだろ」
恐ろしい程美しく、独特の雰囲気を纏う緋色の華。まるで血のようなその色は見ているものを魅了する力があるようだった。
ゆっくりと、リアはそれに近づく。
ふわり。
それは黒く輝き、消えた。
小さな種を残して。
「…?」
リアはよく分からないまま、華があったところを見つめる。
幻覚?普通なら目の前で消えないよね?
疑問は募るばかり。
あれはなんだったの?
周りに人はいないし、さっきの動物もいない。そのため誰かに聞くことも叶わない。
ぐるぐる、ぐるぐる。全てが回る。
なに、これ
そう思ううちに、リアはその場にうずくまる。
酷い眩暈に襲われ、途端に動けなくなった。
微睡みに落ちてゆく____