第47話 アルティメット・プリンセス
アオ、ビゼン、ソウの3人はバックヤードに呼び出される。
「お客様、ご足労ありがとうございます。私、ここのオーナーをさせていただいておりますウルファーJr.と申します。」
「おいおい、オーナーのウルファーJr.かよ。」
ソウは顔を色を変える。
「いやね、他の客様よりお客様がイカサマをしているのではないかという声がありましてね。」
ウルファーJr.は薄笑いを浮かべながら話す。
「おいおい、オーナーさんよ!勝手なこと言ってんじゃねえよ!」
ソウはウルファーJr.に指を突き立てる。
「いえいえ、私どもはそんな疑いは持っておりません。しかし、どうでしょう。私の顔も立てていただけないでしょうか。」
ウルファーJr.はアオを威圧するようにみる。
逆らえば暴力も辞さずのようだ。
「で、私は何をすればいいの?」
アオは冷静に答える。
「話がはやい。なに簡単なことです。この魔法陣に立っていただくだけです。」
そういってウルファーJr.は横の魔法陣を指さす。
「これは非常に精度の高い魔力探知でしてね。潔白であればすぐにわかるのです。」
(ククク、まあ誰が立っても反応するんだがな。)
「ふざけんな!これがインチキじゃないって証拠はあんのかよ!」
ソウが噛みつく。
「まあまあ、ソウ。魔法陣に立つだけでいいんだね。」
そういってアオは魔法陣に踏み入れる。
ビゼンはその様子を黙ってみている。
「ご協力ありがとうございます。フフフ。」
(よし、これで……)
ウルファーJr.はほくそ笑む。
が、しかし‥‥‥
(‥‥あれ?)
「これでいいの?」
アオは涼しい顔でこたえる。
「いや、そんなはずは…!」
「ん?そんなはずとは?」
アオが微笑み、首をかしげる。
「いえ、あ、ありがとうございました!」
(ばかな、この状態で魔法陣に不都合か⁉)
(しかし、まだ、奥の手がある!あの方の力を借りれば‥‥⁉)
「いや、お客様はデュエル・ウィザーズをされますか?」
「デュエル・ウィザーズ?ええ、多少は。」
(ニヤリ、これほどの女、デュエル・ウィザーズをやらないはずがない。)
「どうでしょう?こちらの最強のプロプレイヤーと勝負されませんか?お客様のコインをかけて。」
「あー、でもさっき700枚ほどヨクトにあげてしまったからね。6500枚しかないけど、それでいい?」
「もちろんそれで結構です!舞台の用意がありますので少々お待ちください!係の者に案内させます。」
ウルファーJr.はそういうとアオ達を会場に案内し、自身は奥に戻った。
「アオ、なんで受けたんだよ!こんだけ勝てば十分だぞ!一生遊んで暮らせるぞ!」
「アビの傭兵団は100人くらいいるし、これからどんどん大きくなるからね。勝てるだけ勝っておくよ。」
アオはそういって、用意されたステージに向かう。
「アオ様、悪い、700枚すっちまった‥‥‥」
ヨクトがこの世の終わりのような顔をして戻ってきた。
「君は賭け事むいてないね。」
そういって、さすがのアオもため息をつく。
◇
「それでは頼みますぞ、究姫様。」
「ああ、まかせておけ、デュエル・ウィザーズで私に勝てる奴などいない。」
究姫はアオを追ってこの町に来ていた。
そして、なんでもありのこのカジノで勝った。
いや、正確には究姫はアオとは違い、全てのイカサマを看破したのだ。
そして、ウルファーJr.をゆすったのだ。
ウルファーJr.は激昂し、正体を知らぬまま究姫を手下に襲わせる。
しかし、当然ながら敗北。
そして、究姫はデュエル・ウィザーズの最強デュエリストとしてこのカジノに居候していたのである。
(フフフ、私は幸運だ。まさかあの究姫様とご縁ができるとは!)
しかし、ウルファーJr.は知らなかった。
究姫は相手がイカサマしている場合のみ、自分もスキルを使用する主義だということを。
◇
「場内のお客様にご案内申し上げます。これから場内特設会場でスペシャルデュエルが開催されます。」
場内アナウンスが流れる。
「このデュエルは当カジノ最強のデュエリスト、アルティメット・プリンセスとお客様の特別なデュエルになります。どなた様も外ウマに乗ることが可能です。ぜひともお楽しみください。」
ざわざわ。
会場がざわつく。
「おい、プリンセスが出るらしいぞ!」
「見に行こうぜ!」
観客たちが特別ステージにあつまる。
ステージ上では挑戦者席にアオ、ビゼン、ヨクト、それにソウが待ち構えている
そして、司会のアナウンサーの女性がチャンピオンを紹介する。
「こちら当店がほこる最強のデュエリスト!アルティメット・プリンセス!!」
銀髪に金の瞳、そしてマスクをかぶった美女が入場してくる。
「おいおいおい。」
ヨクトが思わず後ずさる。
「アオ様、あれは…」
ビゼンが驚いて、アオに確認する。
「あー、あれはどう見ても、究姫だね。なにを考えているんだろうね。」
アオはおもわずため息をつく。
「おい、究……」
「私こそ!最強のデュエリスト、アルティメット・プリンセスだ!お前がどこの誰かは知らんが私とデュエルをしろ!」
究姫はアオを無視して話をすすめる。
「どうやらあのキャラで通すつもりみたいだね!」
「自由すぎるだろ、アイツ…」
「まさに邪神だな。」
呆れる一行。
「それじゃあ先行は‥‥」
「先行は私がもらう!私のターン!ドロー!」
人の話を聞かず、進行をすすめるアルティメット・プリンセス!
「流石だ!プリンセス、先行をとったぞ!」
「よしオレはプリンセスにかけるぞ!」
「オレは青髪のねえちゃんだ!」
会場の興奮は上がっていく。
2ターン目
「シューティング・ブルー・ドラゴンでプレイヤーにダイレクトアタック!滅びのシューティングブラスト!」
「ぎゃあああああああ!」
アルティメット・プリンセス LP0
本当にダメージが入ったかのように後ろに吹っ飛ぶアルティメット・プリンセス。
「究、いや、アルティメット・プリンセス様、これは…!!」
顔を青くして駆け寄るウルファーJr.
「まさか、この私がわずか2ターンで負けるとは。お前こそ真のデュエリスト‥‥」ガクッ。
アルティメット・プリンセスはそう言い残すと、光の中に姿を消した。
「ま、まさかのあの方が滅ぶとは…!!」
膝から崩れ落ちるウルファーJr.
「あー、転移してにげたね。」
冷たく突っ込むアオ。
「なるほど。」
納得するビゼン。
「えーっと、これは、勝者…お客様、なんとコイン13000枚を…」
アナウンサーがそう言いかけたその時‥…!
「まてえええええ!」
膝から崩れていたウルファーJr.が叫ぶ。
「認めん!オレは認めんぞ!わかっているぞ!そこの女、ビゼンというのだろう!その金をかけて最後の勝負だ!」
ウルファーJr.はビゼンを指さして言う。
「なぜ私の名を。」
ビゼンは思わず身構える。
「調べさせてもらったぞ。そこのソウという女が三日後に闘技場にエントリーしていただろう!」
ウルファーJr.はソウをにらみつける。
「そのコイン13000枚をかけて、もうひと勝負しろ!でないと闘技場への出場は認めん!」
「ふざけんな!卑怯だぞ!」
ソウは一歩踏み出し叫ぶ。
「闘技場への出場の許可するかどうかは私に権限がある!」
「まあまあ、じゃあ、今度はなんの勝負をしろと?」
アオは冷静に微笑む。
当然、なにをやってもまけるつもりはないのだ。
「何、簡単な話だ。そこのビゼンという女が宣言どおり、5回戦抜きをすればアンタの勝ち、できなければアンタの負け。」
ウルファーJr.はビゼンのほうを向く。
「アンタがかったらには大コイン26000枚、つまり金貨26000枚払ってやる!当然外ウマもありどうだ!」
証人はここのお客様全員だ!どうだ!
「おおおおーっと!前代未聞の掛け金26000枚!ビゼン氏はこの挑戦をうけるのかああ!」
アナウンサーがビゼンにマイクを向ける。
ビゼンは軽く息を整えニヤリと笑う。
「なんだ、そんなことか。では3日後、きっちり掛け金は回収させてもらうぞ!」
ビゼンとウルファーJr.は火花を散らした。
◇
一方そのころ、バックヤード。
「くそおおおおお!負けたかああ!」
究姫が叫び、そこらじゅうのガラスが割れる。
「だから、究姫、アンタもう少しデッキの内容を考えたほうがいいよ。」
いつの前に現れたか、凍子が現れ、勝手に飲み物を飲む。
「究姫?だれだそれは?私はデュエリスト、アルティメット・プリンセスだ。究姫が負けたわけではないぞ。」
「あー、究姫とアルティメット・プリンセスは別人設定なわけね。」
「そういえば、アビのやつがいないがどこにいったんだ?」
究姫が凍子にアビの行方を尋ねる。
「あの子はなんか後宮にいるみたいだよ。」
「そうか、じゃあ、後宮に行ってみるか。」
究姫はデュエル・ウィザーズのカードを眺めながら言う
「仕事の邪魔しちゃアビに嫌われるよ。」
凍子は勝手につまみをつまみながら言う。
「あー、じゃあ、もうちょいこの町で遊んでいようか。ここに歯ごたえがあるデュエリストがいっぱいいるようだ。
究姫は再びアルティメット・プリンセスに戻った。
(いつまでやるんだよ、それ)
凍子は究姫の相手をするのに疲れて姿を消した。
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