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冒険者ギルドで死亡扱いされた私が、神と邪神に愛され最強で最高のダークヒロインになる。  作者: 黒木菫
刻印受呪~刻印~編

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第17話 仲間を増やす・・・・って40人も!?

「いやあ、負けた負けた! まさか俺のスキル【豪傑覇気】が破られるとはなあ!」


縛り上げられた状態で、革命軍の隊長ヨクトは愉快そうに笑っている。


「悪かったよ。てっきり腐った貴族かと思ったんだ。その、ダークエルフが、貴族なわけねえのにな」


「だから、最初からそう言ったでしょう」


ワタシは呆れて溜息をつく。するとヨクトは、照れたように言う。


「しかしまあ……俺もあんな手でスキルを解除されるとは思わなかったぜ」


「あんな手?」


「いや、その……後ろから羽交い締めにして、胸を押し当ててくるとは。あれが聖典にあった伝説のセクシャルコマンドーか。」


「ちがうわああ! あれは不可抗力よ!!」


ワタシは顔を真っ赤にして、思わずヨクトの頭を拳で殴りつけた。


「痛ってええええ! ワタシの手が!」


「ハハハ! 言っただろ、俺に物理攻撃は効かねえって!」


赤くなった拳を振るワタシを尻目に、アオがぬるりとヨクトの背後に回り込む。


「ヨクトとかいったわね。言っておくけど、アビの胸に触っていいのは私だけよ? 次やったら……」


アオの声が、意味不明に釘をさす。


「お前もやるなああああ!!」


ワタシはアオの頭も叩く。


こっちは「バシッ」といい音がした。


「……ねえ、ヨクト」


ワタシは気を取り直して、真剣な目でヨクトを見た。


「あんた、さっき仮面が外れたビゼンの素顔を見て、一瞬、完全に動きが止まったよね。あれ、なんで?」


問われたヨクトは、顔を赤くして視線を泳がせた。


「あ、あー……いや、その。……なんだ。思わず、その、……綺麗だと思って、見とれちまったんだよ!!」


「……人間が、ダークエルフの私を……?」


ビゼンが目を丸くし、戸惑ったように呟く。人間からそんなことを言われたことはないらしい。


「ダークエルフだからなんだっていうんだ! オレの故郷じゃ、ダークエルフなんて気にしなかったぞ。おかしいのはこの国だ」


ヨクトははき捨てるようにいう。


「俺たち革命軍はな、そんなクソみたいな血筋やダークエルフかなんかで人を分ける体制をぶっ壊すために集まってるんだ」


ヨクトの言葉に、周囲に控えていた革命軍の兵士たちも力強く頷く。


彼らの瞳に蔑みの色は一切ない。


ワタシはこの国以外の文化を詳しくは知らないが、彼らの掲げる「革命」が単なる暴動ではないことを肌で感じた。


「アビの胸だけでなくビゼンの美しさも分かるとは。ヨクト、あなた、なかなか見どころがあるわね」


アオが勝手に頷いている。話が逸れるから黙っていてほしい。


「ところで、あんたら。王都に行くんだろ?ダークエルフの仲間を探しに。」


「……! なぜそれを」


ビゼンが少しおどろく。


「ダークエルフが王都にいく理由がそれしかないからだ。俺たちの目的も同じだからだ。奴隷市場の襲撃。そこにダークエルフたちが連れ込まれたって情報がある。……それと、『刻印持ち』の奴隷の連中もいるらしい。」


「刻印持ち?」


この国の文化を知らないビゼンが首を傾げる。ヨクトは苦々しげに言葉を継いだ。


「国の罰の一つだ。それを受けると、法的に『人間』じゃなくなる。殺されようが、犯されようが、国は守ってくれねえ。解除するには庶民が一生かかっても返せない『免罪金』が必要だ。……だから、所有物として『保護』されるために、自ら奴隷に落ちる奴すらいる」


ヨクトの言葉に、革命軍の兵士たちが苦い表情で頷く。


「この国がおかしいのは同感ね」


ワタシは不快感に眉をひそめ、吐き捨てるように言った。 (※この後、自分が本当にその刻印を受ける羽目になるとは、この時のワタシは微塵も思っていなかったわけだが)


「そこで提案だ。目的が同じなら、協力しねえか? あんたたち三人じゃ、王都の官軍相手に多勢に無勢だろ。俺たちには情報もあるし、兵もいる」


思いもよらない提案だった。 アオとビゼンに相談しようと振り返ったが――。


「かまわないわ! アビの素晴らしさを理解し、ビゼンの美しさに気づく。やはりあなたは見どころがあるわね!」


(アオ、勝手に決めるな!) と、内心思ったが、今回はワタシも賛成だ。


「どう思う、ビゼン? 私は賛成だけど……」


ビゼンに視線を向ける。


「……私は、構わない」


ビゼンは少し俯いて、それから顔を上げた。


「仲間が助かる確率が上がるなら、協力すべきだ。」


「よし、決まりだな! 革命軍ヨクト隊、以下四十名! 今日からあんたたちに協力するぜ!」


「よ、四十名!? そんなにいたの!?」


一気に大所帯だ。


驚くワタシの言葉を尻目に、革命軍の男たちが「おおおおっ!」と野太い声を上げる。


「おい、お前ら! この三人が俺たちの新しい仲間だ! 特に、このダークエルフの姉ちゃんは――」 「ビゼンだ」 ビゼンが静かに名乗る。


「――ビゼンは、おれのスキル【豪傑覇気】も切り裂いた! 敬意を持って接しろ! あと、この姉ちゃんが――」


「アビよ。アビ=キョウカ」


「――で、この盲目の美女が――」


「アオ」 アオがにこりと笑う。まあ、盲目でもなんでもないんだけど。


革命軍の男たちがヨクトの声に声を上げている。


ワタシは革命軍の男たちを見ながら、胸の奥が熱くなるのを感じた。


(……この国は、おかしい)


(でも、それを変えようとしてる人たちがいる)


「アビ、どうしたの? 」


「私のイメージの革命軍とちがっていたなって」


「ふふ、いつか革命軍のリーダーにあえるといいね」


アオが楽しそうに笑う。


「……アビは、優しいな」 ビゼンが小さく呟く。


――こうして、ワタシたちは革命軍と共に、王都へと向かうことになった。 まだこの時は知らなかった。 この旅が、どれほど過酷なものになるかを。 そして、ワタシ自身が『刻印持ち』になる未来を――。―。

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