歴史は点ではなく線で見なければいけません
今、人類は倒さなければいけない、魔王が3つ居ます。
ひとつは、2酸化炭素も含む、様々な環境破壊物質。
ひとつは、世界を歪ませる軍産複合体。
ひとつは、そしておそらくもっとも難敵が、株式経済主義。
3つはバラバラに見えて、繋がっていて、物凄く厄介な存在になっていますが、どちらにせよ倒せなければ世界は壊されていくことを止められないでしょう。
順番に話すので、この話の詳細はずいぶん後になりそうですが、特に株式経済主義は壊すにせよ昇華するにせよ、乗り越えなければならない壁なので現状では駄目だということを意識してください。
それでは歴史の話を進めましょう。
人類の転換点とは、なんであったのか。
それは調理と言う武器によって、イネ科穀物との戦いに勝利したことでしょう。
イネ科穀物、いうなれば小麦や米などの多くの社会で主食となっている、穀物の話です。
これらの植物は非常に有効な戦略をもって、世界中で繁栄した植物でした。
まぁ、今も人類の手で大きく繫栄してるとも言えるので成功してると言う判断も出来ますね。
これらの特徴としては非常に栄養価の高い種子をヌカと言う毒で包み、あえて雑食性の哺乳類に食べられることで、下痢を引き起こし、消化不良という形でたい肥とともに多くの世界に拡がっていく、合理的な戦略で繁栄した植物でした。
初期の人類は、もしかしたら類人猿だったころから、この植物の最適な苗床だったのでしょう。
そして、下痢や排せつ中は無防備になり、捕食者の大型肉食動物にも襲われ、間接的には多くの人類が死骸ごとたい肥となり、これらの繁栄に協力していたのです。
しかし、いつからか、どこからか熱過熱によりヌカの効力が無力化されることに気付いた人類は、お腹を壊すことなく、より多くの栄養価も得ることができ、さらに栽培することにより計画的に大量の食糧を生産することができるようになりました。
日本の歴史の教科書では、縄文土器と弥生土器から教わるので、もしかしたら、この流れを意識していたのかもしれませんが、自分が教わったころには、まったくそのような話はなく、つまらなかった記憶しかありません。
実際には作りやすい土器から、日常的に使いやすい熱効率のいい、薄い土器に切り替わっていった話だとしたら、もうちょっと想像力を刺激した面白い授業になったのかもしれません。
まぁ、日本の授業改革は今の教師たちに頑張ってもらうとして、話を戻しましょう。
食糧生産力の向上は、人類にとって社会にとって大きな転換点になりました。生産力が消費を大きく超え分業化によって1次産業以外の職種が可能になったのです。同時に人口が多いことが社会の強さに直結しました。また、支配(管理)階層が生まれたのもこの時期でした。
これまでは、採取狩猟生活中心で人口が多くても、食料が減れば生存できず、豊作で人口が増え不作で人口が減るという繰り返しで、人の存在はプラスマイナスゼロでした。
しかし、農業の発展は人の存在をプラスとして支配階層はより多くの人口の確保のため武力による占領と吸収を繰り返して大きな社会を作っていったのです。また、そうしなければ生き残れなかったと言う現実もあったのでしょう。これが戦争の発祥です。
農業の発展は社会の在り様も変えていきます。より組織的な社会による効率化が生まれ、知識の伝授のため言葉や文字も生まれ発達していきました。文化的にも最初は暦など作付けや収穫に必要な知識から始まり、そこから生産力の向上により、多くの文化的な発展もする余裕が生まれる土壌も出来てきました。
飛躍的に人の社会の発展が進む原動力として、調理と言う武器は人類が厳しい自然に生き残るために必要不可欠なものだったのです。
ただ、今述べたことは、ひとつの一例で、実際には農業に向かない土地で狩猟中心で進んだ民族や、戦争で故郷を追われ、遊牧民などの定住しない生活に移行した人々も居たでしょうから、それぞれの経緯を追っていかなければ正確な歴史を知ることは出来ないのでしょうけどね。