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Chapter 51


俺と俊哉は、新宿駅から、富永さんの事務所まで歩いた。



駅から通りに出たところで、俺のある直感が働いた。



「雨の匂いがする…。そのうち、多分、降って来る…」



俺は、ポツリと呟いた。



「あぁ?マジかよ…?お前が、そう言い出すと、絶対、雨降るからなぁ…」



俊哉はそう言いながら、どんよりとした曇り空を見上げた。



「大丈夫だよ。この調子なら、雨はまだ、一、二時間は降らないから…」



俺は、苦笑いを浮かべ、空模様を気にする俊哉に言った。



「どっちにしろ、早く行かないとな?」



俊哉は、そう言いながら、歩く速度を速めた。



俺は、俊哉の後を、足早に付いて行く。



それから、10分も歩かない内に、俺達の視界に、BLAST Recordsの事務所が入る、全面ガラス張りのビルが飛び込んで来た。



俺達は、並んで正面入口から建物の中へ入る。



エレベーターに乗り、10階へ向かう。



そして…。



「コンコン…」



俊哉が、軽くドアをノックする。



乾いた音が、静かな廊下に響き渡った。



「失礼します」



俺達は、事務所内に入って行く。



「あぁ。俊哉君、静流君。お疲れ様」



事務所で働く、若いスタッフが声を掛けてくれる。



「お疲れ様。今日は、富永さんは?」



俊哉は、スタッフに微笑みながら問いかける。



「あぁ。今、ちょっと用事があるって出掛けたよ。多分、すぐ戻るんじゃないかな?もし、時間があるなら、あそこのソファに座って待っててよ」



スタッフは、事務所の奥にある、応接用のソファを指差して言った。



「あぁ、ありがとう。じゃあ、待たせてもらうよ」



そう言いながら、俺達は、事務所の奥のソファの所へ向かった。



「二人共、コーヒーで良かったかな?」



「いや、忙しそうだから良いよ。後で、自分で淹れるから」



俺は、そのスタッフに微笑みかけた。



「悪いね…。今、いろんなイベントが重なってて、ちょっと手を焼いてるから…」



申し訳なさそうに、俺達に謝った後、そのスタッフは、思わず愚痴を漏らした。



「大変だね。俺達も、みんなの足引っ張っちゃってるしね…」



俺は、苦笑いを浮かべ、そのスタッフと暫く会話を続けた。



「さてと…、じゃあ、そろそろ仕事戻るから。二人共、ゆっくりしててよ」



そう言うと、その若いスタッフは、また慌ただしく、自分の事務机へと戻って行った。



俺達は、暫くボーッとしたまま、慌ただしく動き回るスタッフ達を眺めていた。



すると…。



「ただいま。どう?間に合いそう?」



ドアが開いた音がした直後、どこかで聞いた声がした。



ただ、俺達がいる所は、事務所の入口からは、ちょうど死角になっていた為、声や物音でしか様子を伺う事が出来なかった。



「あぁ、お疲れ様です。なんとかなりそうですよ」



「あぁ、良かった。ありがとう。無理言って悪いね…」



「いえ。それよりも…、社長?俊哉君と静流君が来てますよ?」



「え?ホントに?」



聞き覚えのある声は、あの、富永さんだった。



青い絨毯の上を、靴の踵が擦る音が、俺達の元へゆっくりと向かって来る。



「やぁ、ごめんね~。待たせちゃったみたいで…」



富永さんは、にこやかに俺達を迎えてくれた。



「いや、大丈夫だよ。それよりも、忙しいんだね?」



俺は微笑みながら、富永さんを見た。



「あぁ…、いろいろと重なっちゃってね…。全部、俺の段取りが悪いから…」



富永さんは、そうおどけながら、俺達の正面のソファに座る。



「まぁ、暇すぎるよりは、良いんじゃない?」



俺は、苦笑いを浮かべた。



「まぁね…。それよりも、今日は、どうしたんだい?」



富永さんは、俺達が事務所へ来た理由を問いかけた。



「あぁ。実は…」



俊哉が、本題に入る。



「俺達のCDを、もう1000枚増やして欲しいんだ」



富永さんは、俊哉の言葉に目を丸くした。



「ん?何かあったのかい?」



「あぁ。実はさ、竜也のバイト先のCDショップが、俺達のCDを置いてくれるって…」



俊哉は、嬉しそうに笑顔で富永さんに報告をした。



「え?そりゃ、すごい。じゃあ、さっそく手配しないとね」



富永さんも、嬉しそうに声を弾ませた。



「あぁ。後は、俺達のそれぞれの曲を作るだけさ」



俊哉は、不敵に微笑みながら富永さんに言った。



「準備は、進んでるようだね。安心したよ」



「あぁ、もちろん順調だよ。富永さん?それに、俺達は、俺達を信じて待っててくれる人達を、絶対に裏切ったりはしないから」



俺は、微笑みながら富永さんを見た。



「そうそう。今日は、富永さんにお土産があるんだ。俺のバージョンのCDに入れる予定の試作品なんだけど…」



そう言いながら、俺は、ギターケースを開けて、ギターとMinstrel Songが書かれたルーズリーフを取り出した。



そして、そのルーズリーフを富永さんに見せた。



「…見て良いのか?静流君?」



富永さんは、少し遠慮したように言った。



「あぁ。構わないよ。富永さんの感想を聞きたいから」



富永さんは、俺が差し出したルーズリーフを手に取り、暫く黙り込んで、曲のコードと歌詞を見つめていた。



そして、一言、こう言った。



「静流君、ちょっと聴かせてもらえないかな?」



「あぁ、良いよ。分かった」



俺はそう言うと、ゆっくりと、ギターのアルペジオを奏でる。



麻紀の笑顔が、声が、あの時のまま、俺の頭の中に甦る。



俺は、



「麻紀に届け」



とばかりに、ありったけの思いを込めて歌った。



切なくて儚い、そして温かいアルペジオ…。



そのメロディに乗せて、優しく囁きかけるように歌う。



俺の目に、麻紀が笑顔を浮かべて、この曲を聴いている光景が浮かぶ。



(麻紀…。これが、俺の気持ちだよ)



俺の気持ちが、麻紀に届くように…。



その一心で作った、まだ未熟な俺のMinstrel Song。



俺は、未熟ななりに、今の自分の力を精一杯に出して演奏した。



愛する麻紀へ、俺の思いを伝える為に。



演奏が終わり、一呼吸置いて、辺りを見回した。



気が付くと、慌ただしく動いていたはずのスタッフ達も、それぞれの手を止めて、俺の歌を聴いていたようだ。



「パチパチパチパチ…」



辺りから、拍手が鳴り響く。



「すごく、綺麗な曲…。だけど、すごく悲しい曲だね…。あたし、つい、涙出ちゃった…」



若い女性スタッフは、涙を拭いながら、呟いた。



「静流君…。この曲、静流君のバージョンだけに入れるのは惜しい…。いっそのこと、全部のCDに入れてしまおうよ。この曲は、いろんな人達に聴いてもらうべきだよ」



富永さんは、Minstrel Songを痛く気に入ってくれた様子だった。



「実は、この曲は、ある女性の為に書き下ろした曲なんだ…」



俺は、麻紀の事を事務所にいる、全ての人達に話した。



「俺は、その子に一つでも多く、歌を届けなきゃいけないんだ…。それに…」



俺は、麻紀の死のショックから、突然、発作に襲われたりする病気になってしまった事も伝えた。



現在で言う所の、



「PTSD(心的外傷後ストレス障害)」



と言う名の病気の事を。



当時はまだ、病名や症状自体が広く一般的には伝わっていなかった為、普通に生活をしている人達には、全くと言って良い程、馴染みが薄い状態だった。



ただ、病気自体を簡単に言うならば、「トラウマ」だが、一般的にトラウマと言えば、



「精神に異常を来す程の重症の物ではなく、過去の失敗や、苦い経験等での思い出により、敬遠したくなる、または、敬遠するような出来事。もしくは、同じような経験を繰り返す事」



と言う誤解を生みやすく、それ故、



「単に、病気のフリをしているだけだ」



とか、



「そう言ってれば、誰かが同情して助けてくれると思っている」



等と、理解されない事が多かった。



更に俺の場合は、PTSDに加え、鬱病にも罹っていた為、他人に、俺の病気について話をする場合、余計に話はややこしくなった。



それでも俺は、



「嫌われても良い。気持ち悪がられても良い」



と、覚悟を決めて、その場にいた全員に、カミングアウトをした。



「こんな俺だからさ…。みんなに、「変なヤツだ」とか、「気持ち悪いヤツだ」とか思われたって仕方ないよね…?死んだ彼女の事ばかり考えてさ…。もう、この世界にいない彼女に縛られてさ…。情けないよね…?でも…、それでも俺には、彼女は、世界で一番大切な人だったんだ…。大好きだった…。幸せになれるって信じてた…」



俺は涙を堪え、声を震わせながら、麻紀との全ての事を話した。



俺の話が終わると、全員が、言葉を失ったようにうつむいて、暫く、沈黙の時間が続いた。



そして、その沈黙を破るように、富永さんは、ゆっくりと口を開いた。



「そうだったのか…。いや、どうりで、静流君にしか表現出来ない訳だ…。俺が最初に、君達の音楽に出会った時、君達の音楽には、「優しさと儚さ」が、感じられたんだ。今日まで、その感覚が「何だったんだろう?」って思ってたんだけど…。やっと分かった…。そんな事があったなんて…。辛かったな…、静流君。俺は、君に、何て声をかけてやれば良いのか…」



富永さんは、そう言いながら、頭を抱え、うつむいてしまった。



「別に、同情とかしてもらいたいとは、思ってないんだ…。ただ、普通に接して欲しい…。俺を特別扱いしないで欲しい…。腫れ物にでも触るような対応をしないで欲しい…。それだけなんだ…」



そう言い終わった途端、俺は、急に胸が締め付けられ、呼吸をする事が難しい程の苦しみを覚えた。



「くっ…」



顔をしかめ、うつむきながら、段々苦しくなって行く自分の胸に手を当て、そして、力強く服ごと胸を掴んだ。



(ヤ…、ヤバい…。まただ…)



そう思った瞬間、俺は、自分の背中に、優しい温もりを感じた。



「静流。落ち着け…。もう良い…。もう喋るな…。よく頑張って言ったな。もう安心しろ。後は、俺が引き受ける」



優しくて温かい感触の主は、俺の横に座って、ずっと黙って俺の話を聞いていた俊哉だった。



俊哉は、俺の背中を優しく撫で、俺が、過呼吸に陥らないように、気持ちを落ち着かせてくれていた。



「そう言う訳だ。これ以上、静流に負担は掛けられない。俺は、静流のやりたいようにやらせてやりたい。だから、富永さんと契約したんだ。富永さんの熱い思いなら、きっと、静流の病気も受け止めてくれると思ったから…。だから、もし、富永さんが、みんなが、静流を受け入れてくれるなら、俺達は五人で、その時々の、俺達の精一杯の事をやって、力を、技術を出し切ってベストを尽くす。それで、ゆくゆくは、この事務所自体も、メジャーのレーベルに負けないくらいにデカくしようって…。少なくとも、俺と静流は、そう思ってる。だから、みんな…。俺達に、みんなの力、貸してもらえないかな…?」



「俊哉…?ごめん…、俺の為に…」



俺は、俊哉の思いを知って、涙が出そうになった。



「良いって。気にするな。言ったろ?俺達は五人で一つだ」



俊哉の笑顔に、俺は今までに無いくらいの安心感を覚えた。



「俊哉君、静流君。もし、仮に、俺が…、俺達が、静流君の病気の事を聞いて、受け入れられないのなら、最初から君達にオファーはしなかったよ。俺には、初めて君達を、静流君を見た時から、影が感じ取れた…。それも、深くて暗い影が…。そんな事は承知の上で、あわよくば、「静流君の影を、俺達がなんとか消してやりたい…」。そう思ったから…。だから、君達と話をしたんだ。ここにいる人間は、誰一人として、静流君を「変なヤツだ」とは思わないし、ましてや、「気持ち悪い」だなんて微塵も思ってない。むしろ、君の話が、気持ちが聞けて、安心したくらいだよ。なぁ?みんな?」



富永さんは微笑みながら、俺達の話を黙って聞いていたスタッフ達に、話題を振った。



「もちろんだよ。静流君。出来る事なら、協力するから。だから、俺達みんなで頑張ろうっ!!」



「そうそう。天国の彼女さん、いっぱい喜ばせてあげなきゃね?」



「俺だって、この事務所好きだからな?デカくしたいって思ってるのは、お前達以上だぜ?病気がなんだとか、そんな細かい事、いちいち気にしてられるかよ」



そう口々に、事務所のスタッフ達は、俺達に温かい言葉を投げ掛けてくれた。



「…だってさ。これで、納得出来たかな?」



富永さんは、俺達に微笑みかけた。



「あぁ。ありがとう。富永さん、みんな…。恩に着るよ」



俊哉は、俺の気持ちを代弁するかのように、みんなに感謝の気持ちを伝えた。



「俺達は、大事な事を共有する者同士。だから、まぁ、これからは、家族みたいなもんかな?」



富永さんは笑いながら、俺達に優しく語りかけた。



「ありがとう。みんなを裏切らないように、これから、俺達もベストを尽くす。だから、みんな、これからもよろしく」



俊哉は俺の代わりに、事務所の全員に深く頭を下げた。



俺は、俺の為に、ここまでやってくれる俊哉に、ただ、ただ、脱帽し、頭が上がらなかった。



心の底からの、俊哉への敬意と、そして感謝の気持ちで胸がいっぱいになり、無意識の内に涙が溢れていた。



「静流君?良い仲間を持ったな?」



富永さんは、そんな俺に、優しく微笑みかけてくれた。



「…うん」



俺は、こぼれる涙をそっと指で拭った。



「それとさ、富永さん?」



俊哉が、急に話題を逸らすように言った。



「ん?何だい?」



富永さんは、俊哉の方を向いた。



「富永さんは、これからのインディーズとメジャーについてどう考えてる?」



俊哉は、ついさっき、駅で俺と話していた話題を、富永さんに振った。



「うーん…。簡単に言えば、多分、そう違いは無くなるんじゃないかな?例えばだよ?今、メジャーにいる、プロのアーティスト達を見てて、「売れてるな」とか、「良い曲だな」って思える曲やアーティストが無かったり、いなかったとする。片や、インディーズには、良い曲や、売れてる人達がいたとする。君達が、仮に聴く側の立場だったら、どっちを取る?この際、CDの流通量や、プロモの規模に関しては無視して考えてみて?」



富永さんは、真剣な表情で俺達を見つめた。



「そりゃ、もちろん、自分が良いって思う方だよな…」



俺は、率直な意見を言った。



「だよね?それが、一人や二人とかの少数なら、メジャーには到底敵わない。だけど、これが大人数になったとしたら…。どうだろう?」



「そりゃ…、作る側も、それを売り込む側も、売れる数が多い方を選ぶよな…?」



俊哉は、当たり前過ぎる内容の話に、首を傾げていた。



「そうっ!!そこだよっ!!」



富永さんが、語気を強める。



「へっ?」



俺達は、突然の富永さんの大声に意味が分からず、思わず目が点になった。



富永さんは、そんな俺達にお構い無しに話を続ける。



「大体、いくらメジャーにいるアーティストだからって言っても、売れてる時は良いけど、売れなくなったりしたら、そのアーティストはレーベルから弾き出されてしまうか、それ相応の扱いになってしまうかどっちかなんだよ。表現悪いけど、当然、その穴を埋めようとメジャーのレーベルも、より売れる方法なんかを探すから、自然とインディーズにも目が向いちゃったりする訳だ。要するに、メジャーだろうが、インディーズだろうが、「売れる」か「売れないか」だよ。「メジャーだから売れる」とか、「インディーズだから売れない」って訳じゃないんだよ。「売れる物は売れる」。きっとこれからは、この考えが基本になりそうだよね?まぁ、全ての原則だけど…。だから、メジャーのレーベルも今まで通りに、インディーズから逸材を引き抜くだけじゃなくて、メジャーのレーベル自体が、インディーズのレーベルを吸収して、自分達のレーベルの下に付けたり、自分達でインディーズのレーベルを立ち上げて、「メジャーレーベルなのに、インディーズ?」みたいな不思議な事が有り得たりね…。そんな事がこれから、頻繁に起こるような気がするんだ。逆もまた然りでね。売れてるインディーズのレーベルが、ある日突然、メジャーのレーベルに格上げになるかもしれない…。その内きっと、戦国時代みたいに、全てがごちゃ混ぜになってしまって、メジャーとインディーズの概念が曖昧になってしまうような気がするんだ。それも5年、10年の内にね」



富永さんの言った事は、正に、俊哉が感じ取っていた事と同じだった。



「ただ、メジャーとインディーズだと、表現によっては規制に掛かったり、掛からなかったりとか、プロモ関係や、利益とリスクとかで話は変わって来るから、やっぱり、違う所はハッキリと違うと思うけどね。基本的には、自由度だと、メジャーはインディーズには勝てないし、信用度で言えば、インディーズはメジャーには勝てない。まぁ、一長一短だよ。どっちを取るかは、結局、アーティスト達の裁量に委ねられるんだから…」



富永さんは、そう言いながら、タバコに火をつけた。



そして、また思い出したように口を開く。



「あっ!!誤解が無いように、一応言っとくよ。今の話の内容は、「俺が」じゃなくて、「業界が」だから…。俺は、「ウチに所属してくれてるアーティストの気持ちを尊重する」って言う信念は曲げないからさ…」



富永さんはそう言いながら、苦笑いを浮かべた。



「良かった…。富永さんが、俺と同じ考えで…」



俊哉は、安堵の表情を浮かべ、微笑んだ。



「どういう事?」



富永さんは、不思議そうな表情で俊哉を見つめた。



「あぁ。いや、さっき、ここに来る途中で、静流とその話をしてたんだ。これからのメジャーとインディーズについてさ。それこそ、インディーズとメジャーのハッキリした違いはあっても、その垣根自体が曖昧になりそうだなって。俺は、理由までは深く考えてなかったけど、富永さんの話を聞いて、俺の仮設に理由が付いた。やっと確信したよ。「きっと、俺達の仮説は間違いない」って。富永さんの話の最初の質問には、「何の関係があるんだ?」って、合点が行かなかったけど、話を聞いてる内にそれも分かったよ。やっぱり、富永さんに話して良かった」



俊哉は、微笑みながら、富永さんを見つめた。



「俊哉君達なら、きっと、気付くと思ってたよ。これからの、音楽業界について…。ただ、俺の予想よりも早く気付いたみたいだから、びっくりしたけど…」



「あはは。富永さんは、初めて会った時から、俺達と同じ匂いがしたから…」



俺は、笑いながら運命の出会いを痛感していた。



正に、この二人が言ったように、これから先、この業界に変革が訪れるのだった。



この時はまだ、インディーズのCDは、レンタルはおろか、一般的に流通する事すら難しい時代だった。



それから、数年の内に少しずつではあるが、インディーズの曲も取り扱うショップが増えて行くのだった。



まるで、オーディエンス達の需要に合わせるかのように…。





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