目次 次へ PR 1/54 Prologue 夏の終わり。 風が、少し冷たくなった。 あれから、5年が経った。 遠いあの時と同じで、今日も青い夏空だった。 君と約束したあの場所には、あの時の二人の面影は無く、一人、大人になりきれない俺がいた。 時間(とき)は、何事も無く過ぎ去った。 けれど、俺の時間(とき)は、あの時から止まったままだった…。 君の面影は微笑みながら、打ち寄せる波に静かに飲まれて行った…。 空を見上げた。 秋が、すぐそこまで来ていた。 潮風と波の音が、君の記憶を呼び戻す…。 遠い、夏の記憶―。