第3話 生活ルーティン 夕方編
先程まで真上にあったはずの太陽が、徐々に西へと傾き辺り一帯が薄暗くなる頃。
愛猫にして猫耳ショタの"ヨリくん"に、一日中Web小説の執筆を妨害されたお兄さんは、少し困り果てていた。
その一方、朝から大好きなお兄さんを挑発しては、ごほう……、お仕置を受けていたヨリくんは、"お兄さんのお仕置は無意味なんだと言わんばかりに、猫の姿でお兄さんの股下に埋もれていた。
ヨリ「ゴロゴロ~♪ぐるる~♪」
兄「……。(ヨリに見立てたキャラを触手攻めの被害者に……いや、待て、ここは主犯にして加害者から被害者になるパターンにするか。生意気ショタを自らの失態で分からせられる自滅パターン…、よし、こうしよう。)」
お兄さんの鬱憤晴らしは、お仕置だけではない。
自分のWeb小説の作品に、ヨリくんに見立てたキャラクターを登場させ、"ざま~系、分からせキャラ"として頭の中で妄想させては、あれやこれやと懲らしめ、鬱憤を晴らしていた。
ちなみに、ヨリくんをモデルにしたキャラは、敵味方関係なく複数体登場させている。
そして、ヨリくんをモデルとなったキャラたちは、大半耳と尻尾を弱点設定にしており、情けなくメス顔を晒させ、ヨリくんに対して滅茶苦茶にしてやりたと言う、お兄さんのハードな願望が込められている。
ヨリ「ゴロゴロ~♪(にいひゃんの匂い……はぁはぁ、ふへぇ~♪)」
兄「うぅ~ん、ふぅ、んっ?げっ、もう五時か…。あぁ~あ、今日も全然書けてないな。仕方ない、取り敢えず中断して夕飯でも作るか。」
ヨリ「きゅるん?」
兄「ヨリは、そのまま猫の姿で待ってな。猫用のご飯を用意するから。」
ヨリ「みゃ~。(兄さんが作ってくれる物なら何でもいいよ~♪)」
猫の姿になったヨリくんが食べるご飯は、シンプルにカリカリをメインにしたご飯だ。
正直、猫耳ショタの時に食べるご飯と比べて見ればかなり貧相に思えるが、実際ヨリくんからしては、カリカリの方が一番口に合っていた。
兄「さて、まずは、分量を測ったカリカリを"三分の一"くらい皿に入れる。そして極少量の水を加えて混ぜながら少しふやかす。次に毛玉をスムーズに出すためのサプリを一センチ程入れ、残りのカリカリを全部入れて混ぜる。」
お兄さんがせっせとご飯の支度をする中、ヨリくんはミャーミャーと鳴きながらご飯を待っていた。
兄「…ふーん、(今日は乳酸菌入りのちゅ~るでも入れるか。)」
シンプルなカリカリと言っても、たまに乳酸菌入り"ちゅ~る"や缶詰などを混ぜて出しています。
ここでポイントなのが、普通に混ぜてはカリカリが玉になるため、先程のご飯を作る工程にもあった様に、極少量の水を加える事で混ぜやすくなり、カリカリ同士がくっついて玉になりづらくなります。
※やり方は、サプリ嫌いのヨリくんのためにお兄さんが考案したものです。またヨリくんが生後八ヶ月を過ぎてからは、サプリは一切与えていません。
ヨリ「ジーー、くんくん、みゃ~。(ちゅ~るだ!はぁはぁ、兄さんのちゅ~る~♪)」
鼻の良いヨリくんは、ちゅ~るの匂いで大興奮であった。
兄「えーっと、玉になってないな。おーい、ヨリ~、待たせたな。」
猫用のご飯が出来上がると、お兄さんは早速ヨリくんの元へ向かった。
ヨリ「みゃ~みゃ~♪(兄さん、兄さん♪早く早く~♪)」
兄「はいはい、ちょっと、落ち着けって、ほらよ。」
猫なのに犬の様にウロウロするヨリくんに、お兄さんご飯の入ったお皿を置いた。
しかし、いつもなら直ぐにご飯を食べるヨリくんだが、今日は甘えん坊アピールから始まった。
ゴロゴロと言いながらお兄さんにしがみつくと、その場に座れと言わんばかりにグイグイと引っ張った。
兄「こらこら、ご飯食べたいんじゃないのか?」
ヨリ「みゃ~♪ゴロゴロ♪(兄さん、兄さん♪座ってよ~。)」
兄「だめだこりゃ、はいはい、今日は甘えん坊モードみたいだな?」
あからさまな甘えん坊モードに、お兄さんはヨリくんの言う通りその場に座った。
するとヨリくんは、お兄さんの膝上の上に乗ると、ゴロゴロしながら甘え始めた。
兄「全く、ご飯より俺か?」
ヨリ「ゴロゴロ~♪(ふへぇ~♪だめぇ~♪今日は兄さんの事しか考えられない~♪)」
兄「……うぅ。(だめだ、全然聞いてないな。仕方がない、こうなったらこうだ。)」
一度甘えてしまったら満足するまで甘え続ける性格のヨリくん。
これに対してお兄さんは、直ぐにご飯を食べてもらうため、ヨリくんの性感帯である尻尾とお尻を触り始めた。
ヨリ「ゴロゴロ~♪(ふへぇ~♪にいひゃんきもひぃ~♪ひっぽぅ~♪もっとたくひゃんひゃわっへぇ~♪)」
尻尾を触られて感じてしまう様な"いけないヨリくん"は、無意識にお兄さんの服を"フニフニ"しながら顔を埋めた。
そもそも猫の姿の方が、猫耳ショタの時と比べて、神経が収縮するため三倍近く感じやすいのだ。
兄「ほらほら~♪兄さんに尻尾をいじられてどうだ?」
ヨリ「ゴロゴロ~♪(はひぃ~♪きもひぃれふぅ~♪)」
兄「ふっ、ふふ、男の子なのに尻尾で感じるなんて……はぁはぁ、ヨリは変態だな~♪」
完全に主導権を取ったお兄さんは、ヨリくんの超敏感な尻尾の先端へ向けて、徐々に舐める様に指を動かした。
コリコリとした尻尾の先端の感触は、とても気持ちよく、思わずお兄さんも興奮してしまう程であった。
ヨリ「ゴロゴロ~♪(くひぃ~♪しぇんたんは、らめぇ~♪はふぅ~♪にいひゃんもっと~♪もっと~♪)」
お兄さんのテクに、ヨリくんは完落ちである。
そもそも、こんな事をしていれば、ヨリくんが甘えて小説活動の妨害をして来るのは当然である。
しかし、仕方がない。
お兄さんは、獣耳系ショタに滅法弱いのだから。
それから十分後。
ようやく甘えん坊モードが終わり、夕ご飯を食べ始めたヨリくんは、満足そうに夕ご飯を頬張った。
食べた後は、再びお兄さんに擦り寄り、今度はブラッシングの要求をした。
兄「よ、ヨリ?これから俺のご飯を作りたいんだけど。」
ヨリ「ゴロゴロ~♪(その前にブラッシングしてよ~♪)」
兄「うぅ、困ったな。」
お兄さんの夕飯スタイルは、朝か昼に多く作り余った物を食べるスタイルなのだが、今日に限って、米は炊いてない、おかずもないため、本当に一から作らないと行けなかった。
ヨリ「ゴロゴロ…にゃ~♪(兄さん~♪)」
兄「うぐっ。」
甘えたヨリくんは、自覚した可愛さを武器に、純粋で"ピュアッピュア"な瞳でお兄さんに訴えた。
毎度この仕草に負けてしまうお兄さんは、今日も負けを認めてヨリを構い始めた。
兄「うぅ、全く…、まだ夕飯食べてないって言ってのに、お構い無しかよ。」
ヨリ「ゴロゴロ~♪くぅ~ん♪(大丈夫だよ兄さん、だって今夜は、お腹を空いている事すら忘れるくらい、僕が可愛がってやるんだから♪)」
お兄さんの太ももの上で、不純な事を考えながらゴロゴロして甘えるヨリくん。
対してお兄さんは、普段の甘えかと思って構っているため、今日一日中お仕置を受けて出来上がってしまったヨリくんの、恐ろしい計画を見抜けなかった。
しかし、五分後。
兄「さてと、甘えん坊タイムはお終いだよ。俺はこれから、夕飯の支度して来るから大人しくしてなよ。」
ヨリ「にゃ、にゃ~♪」
隙を見てお兄さんを押し倒す計画であったが、お兄さんの的確なテクに落ちてしまい、逢えなくお兄さんを分からせる計画は失敗に終わった。
しかし、まだチャンスは腐る程あるため、不覚にも計画を失敗したヨリくんは、次に、お兄さんが眠りについた隙に、襲う事を決めるのであった。
お兄さんの耳を舐めるのか、
それとも上半身を舐めまわし、日頃の仕返しをするのか。
それとも、ヤッてしまうのか……。