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第九十九話 向学心






 ヴェルサイユの人由来の肥料が供給過多にならないよう調整にマリーは腐心していた。

 小トリアノンの畑と王の菜園の一部、近い内にレ・サブロンの原野にも送り込める。

 

 「逆に需要過多にならないかしら」


 それ位になるならば逆にうれしい悲鳴なのだが。

 パリにある肥溜めはまだ現状を改善するには程遠いだけに今は小トリアノンの物しか自由にできない。

 考える余地は有り過ぎる程だった。

 

 「あ、そろそろ行かねば」


 立ち上がるとマリーは王の執務室へ向かった。





 今日は王の執務を観衆に見せている所にマリーも入り込んでいた。

 例によって観衆達に近寄り歓談を行なっていた。


 「う〜ん、これは中々……」


 今回も受け取った新聞を開き見ながら感想を述べる事になった。

 目を引いたのは文字でなく絵だった。

 王妃が肥桶持って柄杓で畑に肥やしを撒いているのを民衆が嘆かわしい表情で見ているという風刺画だった。

 ご丁寧にも王妃が冠かぶっている。


 「……いつもより良くできている方じゃないですか」


 褒めるのか……

 

 観衆達も呆れてしまった。


 「にしても……そろそろパリ……」


 「え?」


 マリーに新聞を渡す役の貴族が声を漏らす。

 パリ……何なんだ?


 「それでは今日はこの辺にします」


 え〜!


 それは思わせぶりな!


 「ご歓談ありがとうございました」


 言いつつ部屋を出るマリー。

 観衆も追う様に出て行ってしまった。


 執務室には残された王が無言で休憩に入った。



 


 マリーはテレーとテュルゴーのいる執務室に入って行った。

 

 「こんにちは、お仕事ご苦労様です〜」


 二人が振り向き仕事の手を止めた。


 「これは王妃様ご機嫌麗しゅうございます」


 「お勤めご苦労様です」


 王妃相手にテュルゴーの方が素っ気ない挨拶だ。

 もちろんマリーは全く気にしてない。


 「どうですか、次の国務会議に向けて何かご提案でもおありですか?」


 そんな事を明け透けに話さねばならないのか。

 国王でも聞いてないのに。

 ここまで首を突っ込んで来るのが普通になってるのが普通でない。

 

 「色々ありますが会議に掛けなくてもこちらで決められる物はこちらでやります」


 テュルゴーが冷静に答えた。


 「テレー師と食い違う意見も出ますがそこはとことん話し合います」


 それでも譲れない時ひょいと王妃が現れて意見を聞くというパターンになってしまっている。

 それも普通でないが、それでそれなりに答えが出るのも不思議なものだ。

 

 「それよりまた高等法院の復活の声が上がってますな」


 テレーが言った。

 元々彼は高等法院の復活を否定する派では無かったが、マリーの評価で留任できた立場上なし崩し的に否定派寄りに流れている。


 「そうですか。こちらはパリのゴミを一掃する方式と制度を確立したいのですが」


 「具体策はできているのですか? そちらはマリー様任せになってますよ」


 「細かい所はできていません。学ばねばいけないですね」


 「学ばねば、ですか……」


 「はい。だからここに通っています。勝手ながら書類にも目を通しています」


 二人ともマリーが書類をちょこっと見ているのは気付いていた。

 王妃だから見逃していたけど。


 「失礼ながら読んでご理解できますでしょうか? 誰にも分かりやすい様には書いておりませんので」


 「いえご心配なく。数字は大好きですし繰り返し読む時間もありましたから」


 そんな時間あっただろうか?

 しかも数字が好きとは……


 「経済は学んでおりませんので……」


 という事になってる。

 武術同様、親にはずっと隠していた分野だった。

 とは言え学ぶ事はまだ沢山あるはず。


 「早急に知識を向上させる必要があります。パリを綺麗にするためには。次の国務会議が近いのでなおさら」





 執務室の前には珍しく護衛の兵士が立っていた。

 これはマリーが最近この部屋に出入りが激しいので王室付きの兵が回されたのだ。

 しかしそんな気を回す者は誰なのか。

 兵士は室内の会話に聞き耳を立てていた。





 マリーが学ぼうとしている経済学。

 はてどんな物なんでしょう?

 作者が解ってなくてどうするのw

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