第七十一話 王妃、汚れる
「それでは国務会議を行います」
テレーが開始を宣言した。
財務総監が国務会議の音頭を取るのは議題に財務関係も含まれているからだ。
他の二人がテレーに進行を一任したのだ。
そのいくつかの議題の一番手はと言うと。
「実は……これは本来議題に入れるべきかと思う所はあるものの、本人の了解の元、最初の議題として会議を行う事になりました」
一旦、息をつぐと。
「最近小トリアノンにおける出来事です」
おお〜
会議室でどよめきの声が上がった。
今、旬の話題ではあった。
「現在小トリアノンで異臭が漂うと言う出来事が報告されています。それについて所有者であるマリーアントワネット様にお聞きしようと思います」
「えっ?!」
国王ルイ十六世が驚きの声を漏らした。
だが驚いたのは彼一人だけだった。
「一体どう言う事だ……?」
そう、彼だけが何も知らなかったのだ。
隣りには笑みを浮かべている妻がいる。
何をしたと言うのだろうか?
「王妃様、小トリアノンで何をされておりますか?」
テレーの問いにマリーは座席に座ったまま話しだした。
「農夫を雇い畑を作らせ農作業をさせております」
「異臭がするとの評判ですが」
「ああ、肥料ですか」
「肥料とは?」
「ヴェルサイユ宮殿の方々から回収した人糞ですわ」
おおおお〜
ひぇっ!
さっきより遥かに大きいどよめきが。
ひぇっ! は王の声。
「そ、そんなものを小トリアノンに〜!!」
貴族の一人が立ち上がり叫んだ。
マリーはその貴族の男に振り返る。
「そうですよ。あなたの分もきっと含まれてますね。うふふふふ」
真っ赤になる男。
「な、何を言っておられるのです! その様な事許される訳無いでしょう!」
「おや、どうしてですか?」
「あんな汚らしい物を気高き地に撒き散らさせるとは……」
「畑に必要な養分です。たとえどれだけ臭くても、この地に役立ちますとも」
意に返さない王妃に我慢しきれなくなったその男は遂に一線を越える覚悟を持った。
「王妃様……近頃王妃様がパリ、ヴェルサイユ界隈でどの様に呼ばれているかご存知ですか?」
「はてどんな風に呼ばれてるのかしら?」
愉快そうに聞く王妃に向かい、遂に彼は言ってしまった。
「……糞の…………王女と!!」
引きの関係で少し短くなってしまいました。
下ネタが続きます。
汚いけど読んでいただければありがたいです。




