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第六十七話 王妃の策謀





 「本当にやったのですか!?」


 テレーが肥溜めを見て鼻摘みながら驚いていた。

 横にはジャック・ルイもいた。

 流石に鼻を摘んではいなかったが。

 マリーはと言うとご満悦の様子だ。


 「やると言ったでしょう!」


 マリーはジャック・ルイに向き直る。


 「王の菜園の監督としてはどうですか?特に問題は……」


 「いえ、無いはずです……が、私は人の……この様なものを使うのは……」


 「あら、あなた方の菜園では牛や馬や鳥の糞は使ってらっしゃらないの?」


 「いや、それは使ってはいますが……」


 「では牛や鳥など動物の糞の方が人より高級だと?」


 「いえ、そんな事は」


 「とにかく実際に試してみないと。と言うことで……今回は一部の場所からしか集められませんでした。なので次からは糞を一ヶ所に集める場所を作りましょう。それをこの者達が回収します」


 四人の男達を紹介するマリーだが、この四人あまり覇気がない。

 まあそれは仕方ないかもしれないが。


 「その様な事なら国王様にお頼みしたらどうですか?」


 極めて正しい意見をジャック・ルイは言った。

 自分に責任負わされても弱ると言うものだ。


 「もちろんです。なので菜園の監督としてご意見を書状にして国王にお送りください。テレー様も同様にお願いします。書状は直接私が渡します」


 言われて二人は顔を見合わせた。

 もちろん王妃の頼みにノーとは言えない。


 「分かりました。しかし王妃様の責任において、ですよ」


 「ありがとうございます。感謝この上ありません!」


 「では、早急に作成しお渡しします」


 こうして二人は肥溜めの香りから逃げる様にして小トリアノンから立ち去って行くのだった。


 見送りながらマリーは呟く。


 「さあ忙しくなりますよ。カークさん、ビスケさん」


 「え、我々もですか?」


 「集めた糞を処理するのですが、どうですか?今回より量が増えるのでよろしければお手伝いを願えませんか?無理にとは言いません」


 「私としてはマリー様の護衛が仕事なおですが……ビスケはどうだ?」


 「いえ、私はご遠慮したいです〜。バジーさんは……何でいないの?」


 「とっくに逃げた」


 「ずるい〜!」


 「うふふふ、無理にとは言ってないでしょう。あなた達は部下として私の側にいてくれれば良いのです。ふふふふ」


 (何だこの笑いは?)


 カークの胸中に不安が充満する……この空間の臭いの様に。




 

 意見書は早くもその日の内に出来上がり、会議を終えたルイ十六世にマリーから手渡された。

 

 「ふうむ……集める場所を一ヶ所に宮殿の裏北か。専用の場所を作ると」


 「もう作っています」


 「何?、それで集めた後どうする?」


 「業者が回収します。そこら辺は手抜かりなく」


 「何でそこまで君が?」


 「書状をもらう時に確認しました。書状は私も読みましたから」


 「そうか……」


 「了解されますか?」


 「ああ、特に問題なかろう」


 「担当の者に伝えておきます」


 「えっ何で君が?」


 「はい。フィリップ伯爵が引き受けるそうです。国王の許可を確認次第各所に周知を行います。彼は有能なので今日中に周知されるでしょう」


 「何とそこまで……分かった」


 「では伯爵に伝えておきます」


 そう言うとにっこり微笑んでマリーは部屋を出て行った。

 見送りながら彼は首を捻った。


 (何で書状に書いてない事まで分かってるんだ?)






 マリーが色々とやってます。

 何をやろうとしているかすでに分かった人も多いと思いますが。

 下ネタはしばらく続きますw

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