第六十六話 王妃の奇行
必要な人員。
フィリップ伯爵の領地の小作人のせがれ達四人。
半ば強制的に集められた。
報酬は約束してあるので引くに引けない状態に追い込んであった。
必要な道具。
桶、人数分。
柄杓。
輸送用の台車。
決行は真夜中になる。
場所はヴェルサイユ宮殿。
皆が寝静まった頃、彼らは宮殿を徘徊し出した。
まず最初の目当ての部屋へ行く。
中に入ろうとした時背後から声がした。
「おい、何をしている?」
振り向くと軍人らしき男。
かなりの強面だった。
怯む彼らに迫る強面。
「おお、よく来てくれました!」
背後から声がした。
振り向くとそこにはなんと。
「お、王妃様!」
何故かマリーが立っていた。
「この者達は私が呼び寄せました。問題ありませんからお行きなさい」
「は?はっ……」
半分首を傾げながら頷く強面の軍人は、その場を立ち去らざるを得なかった。
「さあ、いきましょうか」
「あ、あのマリー様もですか」
マリーは大きく頷いた。
そして翌朝。
国王ルイ十六世が目を覚ますといつもの様に王女マリーアントワネットの姿があった。
「おはようございます」
「ああ、おはよう」
「あ、今日は食事が済んだら小トリアノンに行く予定です」
「おお、そうか」
「あなたも来られますか?」
「いや、ちょっと用事がある」
「用事……」
「ああ、会議がある 」
「……」
マリーの脳裏にある事象が浮かび上がった。
三年半前に知った事。
ランス大聖堂に行く時パンを買い込んで配った時、何故民が飢える羽目になっていたのか?
その理由の一つ。
最近その事が一部の貴族間で盛んに話題になっているらしい。
(先王からの小麦の投機に関する不正?)
もしそうなら……
確かに王が代替わりしてから今後どうするかを決める必要はあるはずだ。
マリーは考えておこうと思った。
そしてこちらは小トリアノン。
マリーは朝食と礼拝を済ませるとそそくさとやって来た。
そこにはマリーが雇った小作人のせがれ達四人。
カーク、ビスケ、バジーまでいる。
そして彼等は顔を顰めてマリーを迎える事になった。
「皆さん、お待たせしました!」
「おはようございます」
挨拶しながらも顔を顰め続ける。
マリーは浮き浮きした様子で畑を作る予定の場所の片隅に進み出た。
そこには一辺1m程の正方形の木製の蓋があった。
マリーが蓋に手をかけ開けて見せると。
周りの者が一斉に鼻を摘んだ。
蓋の中はいわゆる…………
肥溜めだった。
ひとしきり肥溜めの中を確認すると上機嫌でマリーは微笑んだ。
「皆さんご苦労様です!」
対照的に項垂れているマリー以外全員。
「一、二週間置くと使える様になるはずです。楽しみにしておきます」
「…………」
「この調子で続けます!」
マリーのはつらつとした声が響く。
マリーと対照的に絶望的な雰囲気になってるマリー以外全員。
「さて、お次は……」
という事で下ネタの始まりです。
しばらく続きますのでご注意を。
これが王妃の暴れ方となるでしょうか?




