第六十話 転落のショワズール
「貴公を本日付けで外務卿及び財務総監の任を解く!!」
「えええええ〜っ?!!」
しばらくの沈黙の末やっとの事でショワズールが声を絞り出した。
「……国王様!! 一体どう言うつもりですか?!」
「言ったとおりだ。わしにはその権限がある事を知っておるだろう?」
「しかしそんな事をしては……」
「分かっておる。貴公の築き上げた政治力ゆえにそれができなかった。功績も多かった。それに…………わしの弱みも知っていた。だから今まで切れなかった。わしに強き意思がなかったのだ。しかしいつまでもそれではいけないのだ。今やっと覚悟を決める事ができた……」
そう言いつつ王はマリーを見やった。
「おぬしのお陰でな」
「え〜〜?! 私、そんなつもりじゃあ!!」
頭に両手を当て狼狽えまくるマリー。
「そそそそんな、私は公爵様を、そんなつもりでは……」
「いや、お前が後押ししてくれたからじゃ。感謝するぞ。してショワズール」
王はショワズールに向き直った。
「高法院に訴えるなら訴えろ。ただし一貴族としてな。それにわしは高法院の解散を考えておる。早くせんと訴える前に無くなってしまうぞ」
「…………」
茫然自失のショワズール。
まさか王がこんな逆襲を仕掛けるとは。
それもこれも王を焚きつけたあの小娘が……
「お待ちください国王様! これでは公爵様があまりにお可哀想です!」
「えっ?」
なんで庇うのか?
誰のせいでこうなったと思っているのか?
「いや、マリーよ、お前が言うのか」
「私は国王様に自らの意思を第一にと思ってそう申し上げただけです!」
「だからこうなった」
「…………」
首を捻りつつ俯くマリー。
「私はただ……小麦の不正についてケリを国王様に付けてもらおうと」
マリーは国王が不正に関わっていた事までは本当に知らなかったのだ。
しかし王はマリーが恐らく知っていただろうと思った。
そう言う前提で話を続ける。
「うむ、わしにとっては大きな賭けであった。だがそのためにはショワズールの解任が必須だったのじゃ」
(えっこれは……もしや不正してたのって国王様?!)
やっと気付いたマリーだが遅すぎた。
王は再びショワズールに向き直った。
「ショワズール公爵、お主は数々の謀略を行いわしを苦しめてきた。ならば今回この様な目にあったとて文句はあるまい」
ショワズールは何も言えずに放心状態を継続していた。
何でこんな事に。
いつからおかしくなったのだ。
そう、あの時から。
マリーアントワネットに出会ってしまった時から!
「公爵様、お気を確かに……」
「お前が言うな〜!! この疫病神!!」
あ…………
声に出してしまった……
もはやショワズールについて書く事なくなった。
今年はショワズールで終わるのか。
なんか侘しいねw




