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第五十話 覚悟







 マリーは髪を掴んで引き抜こうとしたがびくともしなかった。

 引っ張られた髪はとても歯から抜けそうにも切れそうにも無い。

 人外の両腕がマリーを抱き抱えようと迫ってきた。

 マリーは近づく両腕の手首を掴んだ。

 極端に太くとてもマリーの手では捕まえ切れない程だった。

 腕に押されマリーの背が人外の胸に当たる。

 捕獲を確信した人外が嬉しそうに言った。


 「ふふ〜、食っちゃおう」


 そう言った瞬間、マリーは両腕を脱力させた。

 抱き抱えた腕の下へするりと抜けた。

 腕を離してバネのように前に跳んだ。

 

 (危なかった……)


 思いながら人外に振り返る。

 人外は悠然と立ち上がった。

 壊した筈の右足は致命傷には程遠かった様だ。

 莫大な量の筋肉のほんの一部をちぎっただけなのか。


 「も〜、今度こそ……食い千切っちゃう!」


 歯を剥き出しにして出す声に怒気が含まれ出した。

 本気で噛みちぎるつもりなのか。

 首を突き出す様にして人外はマリーに向かって来た。






 マリア様、あなたは私が二十年かけて修得した物を十年で身に付けてしまわれました。



 お世辞だと思った。

 それでもそう言われた以上はそれに見合った力量を見せないといけない。



 その奥義は私が未だ完全に習得できていない物です。

 あなたはそれを完全に使いこなせています。



 得手不得手の範囲だった。

 得意なものが一つあってそれだけが師より上手くなっただけだった。

 それも師に教えてもらったから身に付いた物だ。

 師に比べればまだまだ未熟……



 いつまでも未熟とは言ってられませんよ。

 あなたにやりたい事があると言うのなら。

 




 「分かっています」


 「ん〜?」


 前進しながら首をひねる人外。

 

 マリーは平常心を維持していると自己判断した。

 近づく人外の怪物を見ても負ける気がしなかった。

 これは明らかに間違った感覚だ。

 恐れ知らずな上での平常心でしかない。


 ヒバリコ先生のおかげで自分のやりたい事やるべき事を見つけ、それを実現する為の力を身に付けさせてもらった。

 その力をその身を賭して実行する覚悟も身に付けた。

 だから躊躇なく戦える。

 たとえ何者であっても。

 自分が未熟な小娘でも。

 どんなに無謀だろうと。


 マリーは人外を見据えると手招きして見せた。

 更に右手を人外に向けて見せつける様に突き出した。



 「噛みちぎれるものなら噛みちぎってごらんなさい!」





 

 少し短めです。

 それにしてもバキのジャックハンマー対渋川剛気みたいになってきました。

 そろそろ佳境ですか。

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