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第四百三十六話 風呂上がりの接見







 風呂を出た二人は綿の布で体を拭いて着替えを行った。

 テレジアはベッドで寝ていた時と別の物になった。

 マリー用の未使用物だった。


 「お母様、私の服大丈夫ですか? きつくありません?」


 「問題ない!」


 「では髪を乾かしましょう。これであおぎます」


 「なんですかそれは?」


 「手製の道具です」


 直径30センチ程の丸い紙に木の棒が付いていた。

 

 ぱたぱたぱたっ


 「どうです扇子より風が大きいでしょう? 持ち歩きはできないけど浴室に置いておけば便利です」


 「浴室など贅沢な……」


 「ですね。ただ建物自体は小屋ですので地味な部屋です。私も贅沢をしているのは自覚してます。立場上贅沢が避けられない時もあります。だけどそれも含めて民の為に日々生活しております。贅沢は程々に、ですね」


 「王妃の威厳を保つには贅沢も必要です。豪華な物を身に付けられるのも王妃の特権であり必要なものでもあります」


 「ですよね〜、気が重い…………手も重い」


 ぱたぱたぱたぱたっ……


 ずっとあおぎ続けていたマリーが手を止めた。


 「ふうっこれ位でいいでしょう。後はご自分でお願いします」


 言い終わると手を持ちかえ自分を仰ぎ出すマリー。


 「なんなら小間使いを呼びましょうか? 二人いますから」


 「……お願いします」


 マリーはドアまで行くと、こんこんっとノックした。

 ドアを開けないで声をかけた。


 「ビスケさん」


 「はい!!」


 「小間使いの方をお借り願います」


 「はい! かしこまりました!」


 ここぞとばかりに駆け出すビスケ。


 (やっと報告できる!)






 小間使いを呼んだテレジアは髪を整えてもらった。

 マリーは自分でやってしまい小間使い達を当惑させた。

 二人は階下に降りて大勢の者達にに出迎えられた。

 彼らは王妃と女王が並んで下りて来るのに驚いた。

 女王があの凶暴さを下げて、やや大人しくなったのに喜んだのは重鎮達。

 彼らはやっと挨拶できるとこぞって女王に群がった。

 しかし……


 「女王様お初にお目にかかります。私はブ……」


 「長ったらしい挨拶はいい! 名前だけ名乗りなさい!!」


 「は、はい……ブザンヴァルでございます」


 「あ、それからベルタン夫人とカンパン夫人でしたか、小間使いを貸して頂き礼を言わせてもらいます」


 まさかの礼を言われて両夫人は色めき立った。


 「め、めっそうも無い! お役に立てて光栄です!」


 「うちの小間使いをお使い頂きありがとうございます!」


 モルパが二人の舞い上がる姿を見て口元を歪める。


(なんであの女どもが点数稼ぎできてるのだ!?)


 「あなたは?!」


 女王に目を向けられた。


 (な、名前も顔も覚えられてない?! 今朝会ってるのに〜!)


 しかしそれを指摘できるでもなくモルパは問いに答えるしかなかった。


 「モルパでございます……」

 

 こうして重鎮達の挨拶は滞りなく? 終了した。





 

 風呂上がり後はゆったりとしたいだろうに。

 接見は余計かもしれません。

 風呂入って家帰って寝よ、が一番ですがフランスにはそんな習慣ないかw

 

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