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第四百二十八話 ガチで




 




 「…………糞の王女と言う噂は……」


 「はい?」


 「……噂どころか…………」


 一旦テレジアは言葉を切り腹の中に何らかをため込んでいるみたいな体制を取った。

 両膝をくの字に折り前屈みになり…………大きく息を吸ってから顔をもたげると…………



 「………… ガ チ で 糞 の 王 女 で は な い か 〜〜〜!!」



 畑一帯に怒髪天つく絶叫が響き渡った。



 ずんっずんっ


 テレジアは轟然と足音たを立ててマリーめがけて前進を開始した。


 「マリア〜!!」


 「お母様!」


 マリーはクワを持ったままだった。

 テレジアは両手を伸ばし覆い被さろうとしてきた。

 マリーはクワの両端を持ち襲いくる手の平に打ち当てた。

 マリーから見て上手い具合に両手はクワの棒を掴んだ。

 互いに掴んだクワを押し合う形になった。

 テレジアが押し潰すような勢いでクワを握る。

 マリーは下から押し上げる姿勢だ。

 両者は一歩も動かず緊迫した状態を続けた。

 押されながらマリーが喋り出す。


 「お母様、ガチで糞の王女とおっしゃいましたが」


 「何い〜〜!?」


 「農民は皆糞尿の肥料を昔から使ってますが糞の農民とは言われません」


 「だ〜か〜ら〜どうだ〜〜!!」


 「やってる事は同じです。要は周りが大袈裟に騒いでるだけ。こういうのは気にしては負けです」


 「違うだろうが〜!!」


 「下級民も上流階級も糞尿を肥料にした麦や野菜を食べています。ならばことさら私の行為を批判する程でもないのです」


 「そんな理屈通るか〜〜!!」


 「賛同しなくてもいいのです。理解だけでもしてくれるなら……」


 「両方共できるか〜!!」


 「ふむ。では取り敢えず……」


 マリーはクワを捻りながら下方に降ろした。

 テレジアの体ががくんと下がる。

 そのままマリーが後ずさるとテレジアは前のめりになり始めた。


 「……! 、ええいっ!」


 テレジアはクワを手放し足を大きく一歩踏み出し倒れるのを逃れた。

 

 「むうっ」


 更に荷車を睨むとずんずんと歩を進めた。

 荷車にたどり着くとクワを物色してぐいと掴んだ。

 

 「ああ、なにを!」


 荷車の横にいる農夫が慌てて止め……られなかった。


 「ふんっ!」


 クワを振り上げ戻ってくるテレジアをマリーは無造作に待っている。

 

 「お母様も農作業用のクワを持って下さるのですか。初めて見ました」


 「ええい、うるさい!」


 二人は間合いを詰めて行く。

 互いにクワの届く間合いまで詰めた所で二人は睨み合った。





 


 ガチなんて言葉女王が使うものなのか?

 まあ日本語に翻訳したらこうなったとしときます。

 そしてこれから母娘のガチの戦いが始まる、ってもう始まってるかw

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