第四百十七話 誹謗に対する返し方
( わ た し だ あ 〜〜!!)
話を聞いていたテレジアが怒りに体を震わせていた。
「それでこの様な紙面やちらしを……」
彼が取り出した紙面をマリーは観衆のいる柵まで進み出て受け取る。
渡した男はやや不安そうに王妃を見つめた。
「ふうむ…………これは」
紙面を見るとそこには。
われわれは
王妃に告げる。
パリをおもちゃにして
泥遊びをするな。
泥遊びをすれば
必ず身を滅ぼす
「……なんですかこれ?」
かくんと首をひねる。
「ですからこんな脅しの文が……」
「他には?」
パリ市民の生活圏を
侵食しようとすれば
必ずパリ側の
熱情的な反抗を受け
何十万ものパリ市民が
血肉をもって築いた
城壁の前で
糞にまみれ
泥だらけになるのだ
またもや、かくん。
「こんなチラシを」
「はい…………お気に触りましたか?」
「いえ、それより」
「それより?」
「この文だと糞にまみれ泥だらけになるのは何十万ものパリ市民になりませんか?」
「あ……そうとも読めますね」
「そちらの方が自然でしょう」
「はあ……」
マリーは微笑んだ。
「この様な雑な文章のチラシや紙面が出回っているのですか。まあ、悪意は感じられますが。どうしましょう。それなら……」
マリーは考える仕草をした。
「この様な悪意ある紙面を作る所だけでは無く、私に対して特に悪意を持たない出版社もあったはずです」
「あ、僕がそれです」
「ああ、そうですか! それでよそが作った紙面を持ってきていかがなものかと私に報告したと」
「はい、正にそうです」
「なら話は早いです。あなたの出版する記事にこの二つの文を載せます。それでそれを題材にして文章をいじってジョークの文を作るのです」
「は?それは何ですか」
「たとえばさっき言ったこれでは何十万ものパリ市民が泥だらけになるという意味になる、と注釈を付けるとかですね」
「ああ、なるほど」
「あと、最初の文などはこんなのどうです?」
マリーはペンを持ってくるとチラシの裏にペンを走らせた。
われわれは
じゃがいもを食べる
じゃがいもを粗末にして
残して捨てたりするな
残して捨てたら
必ず腹が減る
「こんなもんでどうですか?」
おお〜……?
少し疑問形の歓声があがった。
「じゃがいもの部分はパンでも構いません。そこはお好きに」
「はあ……」
返事はしたが言わんとしている事が今ひとつ飲み込めなかった。
マリーは説明を続けた。
誹謗は笑いのネタに。
これですがこの前中国が日本の対中政策に罵詈雑言とも言える批判声明をしました。
その声明を日本のSNSでは大喜利のお題にして笑い飛ばし、世界中に拡散しました。
これをネタに話を書いたのですがタイムラグがあり、ネタがだいぶ前のものになってしまった感がします。
なので更新を増やして早めに公開するようにしました。
そこまで気にする程のネタだったかどうなのか……何とも言えませんねw




