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第二十九話 格闘、開始





 カークはやっと足跡が右に曲がる場所まで辿り着いた。

 今までずっと真っ直ぐ走って来たから目的地は近いという事か。

 

 「よし、いくぞ! バジー、覚悟はいいな!」


 「おうよ!」


 二人を乗せた黒金は南に向けて走り出した。

 




 「おめえら、痛めつけてやれ!」


 「おう!」


 頭目は腰の剣を抜いた。

 手下達は棍棒、ナイフ、素手といった所だった。

 

 ビスケも剣を抜いた。

 新たに調達した片刃の剣だ。

 峰打ちが可能になった物だが目の前にいる敵にどう使うか?

 素人っぽいがごつい体の者が多い、などと考えていると……


 マリーが前進して行く。


 (マリー様、また!)


 ビスケもマリーに続く。

 まずマリーはナイフの男に接近した。

 躊躇無く近づくマリーに逆に慌てる男がナイフを突き出す。

 あっさりかわすとマリーが両手の平で左の下顎と右の上顎を同時に叩いた。


 ぽんっ!


 「あがががが」


 顎にたがい違いの衝撃を受けたナイフの男が悶絶する。

 顎のずれた口から泡を吹いてうずくまった。


 ビスケがマリーの脇に付き棍棒の男に剣を向けた。

 棍棒を振る前に剣が首筋に振り下ろされる。


 どん!


 彼女が選んだのは刃の無い側で打つ事だった。

 しかし屈強な体はそれだけでは音を上げない。

 棍棒を振り直さんとする男にビスケはもう一度同じ箇所に剣を振った。

 男の首を本気で跳ねるつもりで全力で!


 どすっ


 棍棒を落として男はくず折れた。

 ビスケは刃の側を使わずに相手を倒すのに成功したのだ。

 その時ビスケの背後からもう一人の棍棒を持つ男が襲い掛かった。

 棍棒を大上段に振り上げる。

 そこにマリーが突進して来た。

 振り上げた棍棒が一瞬停止せんとした瞬間を狙い済まして上体をぶっつけた。


 どすんっ!


 男の体が宙に浮き後方へ吹っ飛んだ。

 男の体の重心が一番後ろに向いた瞬間を見極め体当たりを食らわせたのだ。

 これには周りにいた男達も驚いた。

 どうしてこんな事ができるのか分からない。


 どおおんっ!!


 その時閉められた戸のかんぬき部分が轟音と共にぶっ壊れた。

 できた隙間に手が突っ込まれ戸を開いていく。

 そこには外光を浴びシルエットとなった大金槌をかかげるカークの姿があった。

 背後には馬を引いたバジー。


 「遅れて申し訳ありません」


 「カークさん!」


 「ご無事で何より。マ……」


 「何なんだよ〜〜お前ら!!」


 手下達の背後で見ていた頭目が叫びを上げた。


 「お前らよくもよくも……」


 マリーに向かって前進して来る。

 

 「おめえら何やってる! 戦え!!」


 言われて再び身構える手下達。

 この状況でも手下を言いなりにする支配力はあるようだ。


 (『何なんだよ〜お前ら』、か。ではマリー様の正体はまだ知らないな)


 カークは冷静に判断しつつマリーとビスケに近付いていく。


 棍棒を持った男とナイフを持った男が二人がかりで襲ってきた。

 カークは大金槌を縦横無尽に振り回し始めた。

 二人の足が止まった。

 とても間合いに入れない。

 

 一方ビスケは素手の男とナイフの男を相手にしていた。

 これも剣を恐れてビスケの間合いに入れないでいた。


 そしてマリーの前に頭目が来た。

 剣を前に突き出している。


 ただ一人戦いの輪に入ろうとしない男が突っ立っていた。

 さっきもマリーを見つめていた男。

 

 (あの女……もしかしたら……)





 やっと戦い始めました。

 後はどう決着がつくかですのでよろしく。


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