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第百九十八話 モルパ大捜査線


 





 パリ市内を巡回する警察隊に伝令が走った。

 伝わった指令は巡回する警察隊同士が接触した時も共有される事となった。

 こうしてパリ中の警察隊に指令は広まったのだ。





 夜九時になりオペラは無事に幕を引き、観客は帰途につく事となる。

 モルパとユルリックも劇場を後にして停めておいた馬車に向かって歩いていた。


 「いや〜素晴らしい芝居でした!」


 「ほう、お前にも分かるか? 初見でそうすぐには分かるものでは無いと思っておったがな」


 「いや、それは確かにそうでしょうがあの豪華絢爛さには目を奪われますよ」


 「うむ、最初はそんなもので良いか」


 ご機嫌そうなモルパだったが……



 「モルパ伯爵様〜」



 「?」


 何か自分の名を呼ぶ声が……


 「お、おい、私を呼んだか?」


 「い、いえ、わたくしでは有りませんよ!」


 

 「モルパ伯爵様おられませんか〜」



 「だ、誰だ?」



 「誰かモルパ伯爵様をお見かけされてませんか〜」



 声が別方向から聞こえてきた。

 どこから?

 辺りを見回すと。


 

 「モルパ伯爵様〜いらっしゃいませんか〜」



 モルパの目に何人かの人影が叫んでいる姿が見えた。

 反対側を見るユルリックにも幾人もの人影が声を揃えてモルパの名を声に出しているのが見えた。

 声が何重にも重なりモルパの耳をおびやかす。


 「「「モルパ伯爵様〜」」」


 「うわあ!」


 腰を抜かすモルパ。

 影達がランタンの光がかざす位置に移動した。


 「…………け、警官?!」


 モルパを気遣いながらユルリックが周りを見回すとあちこちで警官達がモルパの名を呼び続けている。


 「モルパ伯爵様〜」「モルパ伯爵様〜」「モルパ伯爵様〜」「モルパ伯爵様〜」「モルパ伯爵様〜」「モルパ伯爵様〜」「モルパ伯爵様〜」「モルパ伯爵様〜」


 「これって……指名手配?」


 「な、何を言っておる! なんでわしが手配されるんだ!?」


 「はっ、そ、そうですね」


 「やめさせろ!!」


 「と言われても」


 「何でわしがこんな目に遭わねばならん!止めさせるんだ!!」


 「どうすれば……あ、そうだ! 自首させればいいんだ」


 「こら!! 自首とはなんだ?!」


 「あ、失礼しました! モルパ様を警官達は探してるんだから名乗り出てはいかがでしょう? そうすれば呼び続ける事はなくなるのでは?」


 「で、わしはどうなる?」


 「警官が連れて行く所って……」


 「こら〜、どういう意味だ〜!!」


 「いえ、大丈夫ですよ、きっと。お〜い! モルパ様はここにいるぞ〜!!」


 「呼ぶな〜!!」


 ぞろぞろと走り寄ってモルパ達を取り囲む警官達。


 「「「「「「「モルパ様!!」」」」」」」


 顔を引きつらせるモルパを無事確保するのだった。

 こうしてモルパはテュルゴー達の待つ対策本部に護送されるのだった。





 


 モルパがやっと見つかりました。

 これで役者が揃った?

 しかし彼は対策本部で何するの?

 

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