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第百九十一話 残り六人






 「な、何やってんだこいつら……」


 ジャックはマリーに気圧されながらも仲間の不甲斐なさをなじった。

 敵が強いのは認めるしかないが絶対にぶっ倒さねば気が済まない。


 「おい、お前ら! 六人いっぺんにかかるんだ! せ〜の!!」

 

 号令と共に六方向から男達が飛びかかって来た。

 マリーは手を上げると正面から来た男に向かった。

 殴りかかってきた右腕を横移動でよけ左肩を掌で突いた。

 男は見事に転んだ。


 空いた正面に進むと次の相手を定め、するりと移動した。

 狙った相手は体勢をとる間も無く背後を取られてしまった。

 下顎を背後から回した掌で押さえられ、片腕を二の腕で固定された。

 別の男がナイフを構えて近付く。

 マリーは捕らえた男をナイフに向けて突き飛ばした。


 「うわっ!」


 ナイフが肩をかすめた。

 血が飛び散りマリーの右手のひらに振りかかった。

 マリーはナイフの男の横に移動すると手のひらの血を男の目になすり付けた。


 「ひっ」


 視界を失ったナイフ男の喉に親指を突き立てた。


 「げっ!」


 ナイフを持ったまま男は失神し、くず折れた。

 あと五人。

 マリーは流れるように移動を続ける。

 

 次の相手にマリーは向かった。

 突っ立った相手の腕を掴んだ。


 「ひいいっ!?」

 

 悲鳴を上げた男は。


 「あらジョセフさん?」


 「わっごめんなさい!」

 

  飛び退くと背を向けて走り去って行った。

 あと四人。


 ジャックが歯噛みする。


 「あの野郎……おめえら逃げたら承知しねえぞ!!」


 手下に脅しをかけるとさっき奪われ地に落ちたナイフを拾った。

 喉を突かれた男の手からもナイフが無い。

 マリーは背後の男が持っているのに気付いていた。

 

 「今度こそ一斉に行くぞ!それ!!」


 前後左右から迫る相手からマリーが選んだのは左側の男だった。

 左腕の手首と肘を掴むとするりと背後に周り腕を搾り上げた。

 片手で後頭部を押し付け、そのまま前進させて右側の男にぶっつけた。

 ぶつかった時にはマリーは右側の男の顔面に手を乗せ後頭部を地面に打ちすえていた。


 がつっ


 あと三人。

 離れ際に左側の男の顎を蹴り上げた。


 がしゃっ


 あと二人。


 マリーは移動しながらナイフを構えたジャックともう一人、さっき肩に切り傷を付けた男に対峙した。

 二人とも血色張っている。


 「死ねえ!!」


 ジャックの叫びを合図に二人揃ってマリーに向かって突進してきた。


 マリーは襲いかかる二人のナイフを持つ手元を左右の手で掴んだ。

 半歩踏み出してナイフを掴んだ両手を内から外に円を描く様に回転させた。

 

 「うっあっ」

 

 傾く体を懸命に押しとどめようとするジャックだが……

 

 「ふんっ」


 マリーが腹部に力を入れると二人同時に体が回転した。

 宙を舞う体が裏返しになって背中から地面に落ちた。

 

 「ぐっ」


 背を打ちくぐもった声を漏らすジャック。

 なんとか起きあがろうとするジャックの目先にナイフの切っ先が当てがわれた。


 「!!」


 マリーはナイフを二本とも奪いジャックともう一人の目先に突き付けていた。


 これで全部……


 

 おお〜!


 歓声が飛び交う。

 立ち回りの間にいつしか人が集まりだし観衆が出来上がっていたのだ。





 

 無事退治を終えました。

 マリーの戦闘力がかなり人に知られる様になったと言えます。

 だんだんマリーを取り巻く環境も変化していくのでしょうか?

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