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第百三十九話 議題その2の行方





 

 「二百万リーブルと算出されました」


 二百万リーブル…………!




 …………それって高いのか安いのか?


 微妙ではっきりと分からない。

 高いと言えば高いがそれで本当にパリが清浄化されるのなら……安いのか?


「もちろんこの通りいくとは限りません。あくまで試算してみたらこうなったと言う事です。それに執行準備期間と執行後一年の期間を合わせた金額となります。その後も予算は必要でしょうし、三年間はそういう状態は続くと見ます。ただし二年三年目は予算は減る予定になります」


 貴族の一人が手を挙げた。

 モプーが彼を指して発言を認めた。


 「それでは三年で合計いくらかかるのですか?」


 「五百万リーブルの予定です」


 五百万と聞くと高いと言う気になってきた。

 

 「その様な資金をどうやって……」


 「普通に予算を組みます」


 「…………」


 そりゃそうだよな。

 

 「さっきも言ったように工事の類いは致しません。下水道の掃除は行う必要は有りましょうが。それもまずはこれ以上のゴミを増やさない事が先ですね」


 挙手がされた。

 モプーが指す。


 「エギヨン公、発言をどうぞ」


 エギヨン公は起立した。

 午前中はモルパの援護射撃をしていたが。

 

 「周知させるとおっしゃりますがそれが一番大変そうですな」


 出席者達の視線が集まる。

 こんな発言をするエギヨン公の思惑は何なのか……

 

 「エギヨン様、よくお分かりで! それこそが最も重要な仕事と考えておりました!! 同じ考えをお持ちとは感激でございます!!」


 マリーは席を立ちエギヨン公の元へ突進しようとした。

 

 「王妃よ、止まりなさい!」


 「はっ」


 マリーは王に引き止められた。

 

 「先程の会議で同じ事やったではないか。落ち着きなさい」


 「あ、そうでした。またやりすぎるとこでした」


 (……危うく王妃に手をつかまれるとこだった)


 エギヨン公は席に腰を下ろした。

 もう彼の思惑などどうでも良くなっている。


 マリーが席に着いて話を続ける。


 「さっきも言った通り世間への周知は私がパリを回って責任持って行います。言い出した私がやらねば。民と会話をするのが楽しみです!」


 楽しむつもりなのか?

 仕事だろう。

 しかも王妃がそんな仕事をするなど前例が無い。

 だが出席者の大半の気持ちはもう勝手にやってくれ、だった。


 「皆さん、パリの浄化のため頑張りましょう〜!」


 だから御勝手に!


 モプーが頃合いかとばかりに王を見た。


 「国王様、それではこの議題は王妃様のご意見通りにしてよろしいでしょうか? そうでしたらご承認を」


 「ああ……承認する」


 おおお〜


 一応どよめいた。

 これで議題は通過したわけだ。


 「国王様、ありがとうございます! 感謝この上ありません!!」


 「うむ」


 「では、次の議題に移ります」

 

 



 

 ついに議題通過しました。

 二百万リーブルって言っても実際予算がいくら位かかるかなんて計算できません。

 他の事にどれだけ金がかかったかを見てそれとなく想定するしか無いです。

 史実だと王妃の年金の臨時費、つまり贅沢費が二百万リーブルだったそうな。

 史実をぶち壊す暴れん坊王女には要らない金ですねw

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