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第百三十四話 やはりもつれる




 


 「そもそも高等法院って何でしょうか?」


 そこからか〜!!


 「王妃様、ここに至って何なのか知らないならこれ以上口を挟まない方がよろしいかと……」


 「知ってます」


 「な、何でしょうかと言ったじゃ無いですか〜!!」


 「いえ、誰の為の物でしょうかと言う意味です」


 「だ、誰の……」


 「果たして国民の為と言い切れるのですか?」


 「も、もちろん!」


 「とてもそうは思えません。一部の貴族の利益になるような物だったら復活させる意味がありません」


 そんな基準で再開阻止されたらたまらない。

 むしろその為の再開なのだから。

 とにかく否定だ。


 「そのような事はありません! 我らは厳正な審判を高等法院にて執行する所存です」


 「我ら? ……」


 「?」


 「もうすでに誰が執り行うかまで決まってるのですか?」


 「えっそれは」


 「我ら、つまりあなたが執行者に含まれていると?」


 「いや……」


 「そこまで話ができているのですか。お集まりの皆様はそのような事をお聞きになっておられますか?」


 これには会議室にいる誰もが答えられなかった。

 たとえその様な取り決めができているにしても口には出せない。

 そんな取り決めを知らない貴族もいるのだから。

 これにはモルパも焦った。

 彼にすれば言葉尻を取られただけだが、それでも揺さぶりの効果がある。

 

 「いや、そんな事はありません! 今の職務がありますので……」


 「そうですか……言葉尻を捉えたみたいになりましたね。これは失礼」


 自分から認めちゃった?


 「言葉の遊びは本意ではありません。今のは忘れて下さい」


 マリーは首を垂れた。


 「…………」


 「自分の心の内、本音で語り合いましょう!」


 本音で語るって何なのだろうこの人は……


 「では改めて。私は高等法院再開に反対です。一部貴族の利益に偏りすぎます。これ以上利益を貪ってどうすると言うのですか。民の中には飢える者さえいると言うのに。貧富の差は激しく苦しみ喘ぐ民がいる中貴族は日々真夜中まで遊興に励んでいる。もし貴族がもう少し民に心を砕く気持ちがあれば。民が支払う税を少しでも軽くする為自らの贅沢を控える位の心配りがあるならば。今の貴族階層は快楽主義に溺れ他者を思いやる気持ちが置き去りにされる傾向があります」


 「……何ですと?」


 モルパの目の色が変わった。

 いよいよ大詰めに持って来たな。

 随分寄り道したが。

 おかげでまた体力が消耗した。

 だがここでケリを付けてしまえば。


 「まずは少しでいいのです。自らを律し民に利益を分け与える余地を持って欲しいのです。それは制度を作り行うべきものとおっしゃるかもしれませんが、その制度を認めた上に実施するには皆様の意識を改めねば困難でしょう」


 「お待ちを!」


 モルパが口を挟む。

 鋭い声だった。


 「貴族が何をしようとそれは本人の自由でしょう。夜の遊興と言いますが貴族であろうと平民であろうと夜に遊んでいけない訳がない。それを高等法院と結び付けるとは……」


 「フランス国民を高等法院が救ってくれるのですか?毎年のようにパンが不足して苦しむ民がいるのに?」


 「ですからそれは国務会議や財務会議でやれば……」


 「貴族王族階級が過剰な贅沢をしているのに民を顧みない事が納得いかないのです!あなた方の贅沢は民の納める税の上に成り立っているとは感じませんか?」


 「その王族はあなたではないですか!」


 モルパの言葉にマリーの動きが止まった。


 「あなたも王妃として贅沢をされている。寝起きする部屋ひとつとってもどれだけ贅沢な家具装飾品が散りばめている事か。着ている服身につけているアクセサリー皆高級品ではないですか! そんな王妃がどうして我ら貴族を攻めらるのですか?!」


 モルパの反論を黙って聞いていたマリーは少し頭を俯かせた。

 効果があったのか?

 高等法院とは少し話がずれたが王妃を沈黙させたならそれも良し。

 後はこちらで話を進めて……



 「うふふふふふ……」


 ぎょっ


 



 マリーの笑いはうふふふにしていますがどんな笑い方してるのでしょう?

 お上品に笑ってるのか自慢の歯を見せて笑ってるのか。

 怖い笑い方もできるのでしょうか。

 あまりはっきり決めてなかったので今後どう描写しようかいな。

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