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第百二十六話 地下迷宮の正体






 「それは一体?」


 ちょっと期待感を宿らせた目でマリーが聞いた。


 「昔からパリの地下道には魔物が住むという都市伝説がある。それを利用して魔物をでっち上げ見世物にして商売する者がいたんだ。あたしはそれをやろうとしたんだ!」


 「えっ? それでは邪教の教祖とかでは無いのですか」


 「商売だよ! 怪しい信仰っぽくして部屋を装飾したり手下を信者とか呼んだりして雰囲気作りしてたんだ。それで開業に向けて悪魔の儀式とかの練習させていたんだ。火を吹かせたりね。危ないからローブに水をぶっかけてね。そこにあんたらが紛れ込んだって事だよ!」


 「では家畜の首を剥製にしたのは……」


 「雰囲気作りだよ!ここで飼ってた自分の家畜が死んだ時お墓の代わりにね。さすがに馬と牛は地上のものだけど。山羊は悪魔の使いと言われてるから期待してたけどすぐ死んじゃったから頭の皮は剥製に、頭蓋骨は祭壇に飾っておいた。代わりに三頭の犬を地獄の番犬に仕立て上げた」


 「見世物で使う割に犬どもが凶暴だったが?」


 カークの問いにラースは唇を歪めた。


 「この地下の底で女一人で野郎共をまとめ上げ働かせるにはそれなりの力を見せつける必要があったのさ。武器防具で身を固め、でっかい犬を集めて戦闘的で自分の言う事だけを聞くように調教した。女ボスとして睨みを効かせるためにね。そしていい働きをした者には褒美に寝てやった。まさに飴と鞭って奴だよ」


 「おいっ! 不謹慎な事を言うな!」


 「おや、気に障ったかい? 悪いね、王妃様の前で……」


 そう言ってその王妃様を見やると不快というよりも……


 「なんだあ……」


 「なんでそんな残念そうな顔すんだよ!!」


 本当に残念そうな顔をしているマリーだが、はっとして部屋の真ん中の人骨の柱を指差した。

 

 「そう! これはこれは? 」


 「それだけどマリー様……」


 バジーが口を挟んだ。

 

 「ここに最初来た時言えなかったけどこの骨って墓地に埋葬された人の骨です」


 「えっ?」


 「石を採掘していて墓地に突き当たって地下に埋まった人骨が大量に出てくるってのがありまして……」


 「だけど柱になって……」


 「それで出てきた骨をどうしたものかって訳で。採掘場の崩落を防ぐ為に石を積んで柱を作るんですがそれを人骨で作ろうと考えた不届者がいたみたいで。何せ材料は山ほどあるんだから」


 バジーはラースを横目で見た。

 その視線にラースが血相変えた。


 「言っとくけどこの場所にあたしが来た時からこの柱はあったよ! 利用はしたが作るだけの趣味の悪さはない!」


 「そうですか……」


 ますます残念そうにうつむくマリー。

 

 「一体地下迷宮に何を期待していたんだ……」


 頭を抱えるカーク。

 

 「俺だってそんなの夢見たいけど」


 バジーが呟く。

 とその時天井あたりで音がした。





 


 と言う事で敵の正体は闇稼業の商売人でした。

 そりゃ実戦で火を吹いて戦うなんて普通ないわなw

 火吹き芸を見せる最初で最後の相手が王妃マリーアントワネットだったのは光栄だったのでしょうか?

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