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第百十七話 仮面の蛇男






 「生贄を捧げよ〜」


 「地の底の魔王に〜」


 ドアが開かれ人影が現れる。

 マリー達が見たものは…………


 見慣れた黒いローブに山羊の仮面を被った男が三人。

 それぞれ白、赤、黒の色の仮面だ。

 仮面の上に被ったフードから角が二本にょきっと飛び出ている。

 ローブからは水がぴちゃぴちゃと滴り落ちていた。

 手には赤々と燃える松明。

 更に肩に担ぐ様に巻き付けられた物は緑褐色の大蛇だった。

 火の明かりにメタリックに鱗を光らせる大蛇は体長二メートルは越えているだろう。

 

 マリー達はその異様な出立ちに驚かされた。


 「な、何だお前ら? どっから来た!?」


 驚かされたのは蛇男らも同じだった。

 何しろこの場所に不似合いなのはむしろマリー達の方なのだ。

 慌てて松明を構える蛇男にマリーが叫ぶ。


 「私はマリーアントワネットです!」


 言われた蛇男は益々驚いた。


 「こ、こいつおかしいぞ! 気味の悪い奴だな」


 仮面の蛇男に気味悪がられてしまったマリーだが怯まない。

 

 「あなた達はここで何をされているのです?」


 「やかましい!我が聖地に踏み入り汚した者は 蛇に噛まれて死ぬるがいいっ!!」


 松明を振りかざし接近する蛇男達。

 応戦体制をとるカークはマリーを阻む様に前に出る。

 マリーはちょっと不満顔になった。

 ビスケは後方にとどまりナイフを取り出した。


 (蛇、やだ〜! 離れて戦うしかないか……)


 バジーは更にビスケの後ろで非戦闘要員している。

 

 三人の蛇男の内一番体の大きい白仮面の男がカークに襲いかかった。

 振り下ろす松明を木槌で受け止めると押し合いになった。

 蛇には構ってはいられない。

 蛇を巻いた本人が気にしてない程だから大丈夫なはずだ。


 カークの後ろからマリーが飛び出し赤仮面の蛇男に走り寄った。

 振り回される松明をかいくぐると残る手を取ろうとする。

 こちらも蛇は無視だ。

 手を取ったマリーに松明の火を擦り付けようとする赤仮面の蛇男。

 マリーは背後にまわり赤仮面を後ろ手にして極めようとした。


 その瞬間、マリーの目前に激しい輝きが急接近して来た!


 ひゅごおおおうっ!


 マリーは取っていた手を離し後ろに飛びのこうとした。


 肩口を強烈な火炎が通り過ぎていく。

 痛みを伴う熱を感じつつ、マリーは背中から倒れていく。

 倒れながらマリーは黒仮面の男が火を吹いている姿を見た。


 どうっ!


 倒れたマリーは肩と髪に火が燃え移っているのを確認した。

 転がりながら敵と距離を取り床に体を擦り付け火を消しにかかった。

 

 「マリー様!!」


 白仮面の蛇男を押し込んでいたカークが叫ぶ。

 ビスケもバジーも動揺の目を向ける。


 マリーは素早く立ち上がりまだ火が残っていた髪の端っこを手でしごいて消した。

 ぱらぱらと髪の燃えかすが落ちた。

 

 「…………」


 マリーは蛇男達を睨んだ。

 生気に満ち満ちた表情で。

 焼かれかけてなおもやる気満々のマリーに赤黒仮面蛇男は当惑しながら身構えた。

 

 しゅっしゅっ


 二人目掛けてナイフが飛んだ。

 焼かれかけたマリーを見て最早手加減無しと判断したビスケが投げたのだ。

 ナイフがローブに命中する。

 

 ぷすっぷすっ


 浅く刺さったナイフが垂れ下がり床に落ちた。


 「!、 これは……」


 驚くビスケ。


 「ナイフが通らない!? 下に何か着込んでるの? それにあのローブは毛皮? 思ったより分厚い、しかも濡れている!」


 水を吸った毛皮がナイフを通りにくくしていた。

 さっき黒仮面がマリーごと赤仮面を火攻めにしたのに平気だったのはローブが濡れていたからだった。

 この為に濡らしていたのか……

 

 ナイフが通らない事を確認した蛇男ら。

 赤仮面は腰に付いている小瓶を取り出した。

 床にも一個転がっている。

 

 「やばい! 」


 バジーが慌ててツバメコを置いて銃を取り出した。

 彼は火吹きの一部始終を見ている。


 バジーが銃を構えた。

 止めねば!

 しかし銃を構えたバジーは自分でもわかる位の屁っぴり腰だった。

 生まれて一度も射撃経験が無い彼は本当に打つ事はできない。

 下手に撃てば味方に当たりかねない。


 「う、動くな、打つぞ?」

 

 自信なさそうな声を発するが敵、味方共に届かない。



 マリーは赤仮面の方に突進していた。

 火吹きの手順を見ていた訳では無い。

 しかし黒仮面の火吹きは赤仮面もできるはずだし、今している動作は危険な行動と読めた。

 しかし赤仮面は迫るマリーを見てさっきの黒仮面と違う動きを取った。

 瓶をマリーに向けて放り投げたのだ。

 避けたマリーだが瓶の中の液体が宙に撒かれ、それを浴びてしまった。


 びちゃっ


 「!!」


 胸にかかった液体は油の匂いがする。

 

 (これは……)


 そう、この油を口に含み噴射し松明の火をくぐらせて火炎を吐いていたのだ。

 その油をマリーは浴びてしまった!

 赤仮面の持つ松明がマリーに向けられた……




 


 戦闘開始です。

 地下迷宮の戦いらしくなってるでしょうか?

 マリーのパーティーは戦士、武術家、剣士……情報屋?

 ちょっと無理があるかw

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