表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
116/377

第百十六話 邪悪な柱

 



 

 


 「やはり下層に降りると雰囲気が違いますね」


 「そうですか?」


 「何となく空気がどんよりした感じが……」


 「気のせいでしょう!」


 カークはつれなく返答した。

 犯罪者の根城と言うだけで十分過ぎるのに迷宮に何を期待してるのやら。

 魔物や怪物が出る訳でも無いのに。


 (無いよな?)


 マリーに感化されたのか少しだけカークの心に揺らぎが芽生える。

 カークは頭を振った。


 (これは……よく無い傾向だな〜)


 真っ直ぐ通路を進むと突き当たりにドアが見えた。

 半分開いている。


 「行きましょう」


 マリーに促され顔を顰めつつカークはドアから部屋を覗き込んだ。


 人はいなさそうだ。

 ランタンで照らしつつ中に入る。


 「?」


 部屋はかなり広い。

 真ん中には柱の様な物がある。

 柱にしてはかなり太いのだが。


 「何でしょう?」


 マリーの声と同時にカークはランタンを柱らしき物に向けた。

 明かりに照らされそれらの物が全貌を表した。


 「!!」


 四人はそれらを目の当たりにして棒立ちになってしまった。


 部屋の真ん中を支える様にそびえ立つ柱らしき物は……




 …………骸骨でできていた!!



 「こ、これは……」


 「人骨です……一体……何人の人の骨なのですか…………」


 幅二メートル程の円柱状に頭蓋骨が並べられ段々に積み上げられている。

 段と段の間に隙間を埋めるかの様に腕か脚の骨が使われ、それが天井まで積み上がっているのだ。

 まさに見るもおぞましいと言うのはこの事だろう。

 マリーが他の者の反応を見るとビスケは気持ち悪そうにうつむいている。

 バジーとカークはまだ冷静さを保っているみたいだが……

 骸骨の柱からはそれまでの通路とは違った異臭がする。

 さっきマリーがどんよりした空気と感じたのはこれだったのだ。

 人骨の柱の反対側を見ると祭壇らしき物があった。

 周りを何本かのロープで囲ってある。

 祭壇の真ん中に供えられていた物は獣の頭蓋骨。

 伸びた大きな角の形から山羊の骨と分かる。


 「これは……悪魔信仰でしょうか?」


 「山羊は悪魔の使いとして扱われる事がありますからな」


 「先程逃げた者達は悪魔の祟りがあるだろうと言っていました」


 「では邪教の信者で間違いないと」


 「あの骸骨はどの様にして骸骨に成り果てたのでしょうか……?」


 「これは……深刻ですな」


 表情を曇らすカーク。

 ビスケも不安を隠せない。


 「マリー様……」


 バジーがマリーに話しかけようとした時。


 「しっ!」


 マリーが言葉を制する仕草をした。

 皆が口をつぐむと入ってきた側と反対のドアの方から複数の足音が近付いてきた。

 次いで聞こえてきたのは低音のおどろおどろしい声。

 

 「生贄を捧げよ〜」


 「地の底の魔王に〜」


 ドアが開かれ人影が現れる。

 マリー達が見たものは…………


 




 と言う訳で邪悪な存在が姿を見せるのか?

 何と言っても地下迷宮だから。

 それらしくしないと、ってそれでいいのかな?

 

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ