スキニリユウハイラナイ
今日の目標の整理、そして今回が初参加である九条君の自己紹介と弟君の現状を聞くことにした。
昼間に一度話を聞いているのでだいたい事情は把握しているし、生徒会長の情報とこっくりさんメモから彼の弟が人形の部品を持っていることは確定しているなので話半分聞き流しながらお茶うけに出された稲荷寿司をつまむ。
うん、流石に二日目だけあって米若干固くなってるな。腐ってないだけいいけど、ここまで劣化が激しいとかすけちってるんじゃない?
「ふむ、四方山後輩どう思う?」
「んぐ・・・クーラーボックスとはいえちゃんと冷やしてない生ものはダメかも」
「そんな話はしてないんだよ君。九条君の弟の呪についての真相だよ」
ああ、呪についての話か。
確か廃病院に肝試しに行ってから体調が悪いって話だったけれど、正直言ってこのメリーさんの人形にそんな効力があると思えない。ただそれはそれとしてだ。
「それに関しては素人である俺たちだけではわからないのでは?」
そう口をはさんできたのは風紀委員長だ。
確かにここにいるのは学生だけ、その中でも俺と先輩はオカルト研究部に所属していてはいるものの。ほとんど素人に近い。ただしオカルト研究部とは何なのかそこらへんがわかっていない。
「おいおい風紀委員長殿、オカルト研究部を他の部活と同じと思ってもらっては困る」
「そうですよ。うちの部活の目的なんて決まっていますしね」
「目的? それはなんだい?」
「「未知の収集と考察」」
風紀委員長の質問に先輩と声が重なる。
その言葉にひきつった笑みを浮かべる風紀委員長と宮崎さん。そして九条君は驚いた表情を
ぶっちゃけると他の部活と違うというのは決して他より優れているというわけではない。
他の部活と同じように下積みはOBやOGたちの収集した記録によって積み重なってきた。
しかし、しょせんは学生が集まった井戸端会議のようなもの。
お坊さんや住職、聖職者のような専門家の家系、はたまた霊能力者や宇宙人から地球を守る地球防衛隊の卵、ゴーストバスターなどになるため将来のための専門知識や育成を目的にするようなものでもない。
そんな何の知識もない人間たちが集まったところでそこにあるオカルトの山の考察のほとんどは何の確証もなく証拠もなくほとんどが「私の考えた妄想」とかたずいてしまうものだ。
だが、分からないものに対してそれが真実なのか実証やどういう背景があったのか考えるのは悪いことだろうか?
「将来に結びつかない? 何の建設的でもない趣味? 大いに結構」
「現実逃避なだけだと言われても結構。好きなものを好きと言って何が悪い」
建設的なものじゃないから現実逃避だというような人は結構いる。
でも、大概そう言う人は自分のやっていることにあとからとってつけたような建前をつけている人が多い。
趣味というならば自分がやりたいことを何も考えずにできて楽しめればいい、そこに難しい建前や使命が無くてもいいと思う。
趣味に将来を結びつける必要はない。そんなものは学校の勉強と同じで必要なこととして学べばいいだけの話だ。
そんなことを語っていると九条君と先輩は拍手し、風紀委員長は「そうか、そういう事でいいのか・・・」と少し悩んだようなしぐさを見せる。ただ、宮崎さんに関しては「何言ってるんだこいつというような目でこちらを見ていた。




