オカエリ
机の上にあった筈の人形の頭がいつの間にか無くなり、宮崎のもとに戻っていた。そのまか不思議な光景はまるでこれは現実だとあざ笑われたような気分になる。
SANチェック0/1D3
SAN(60)→(58) -2失敗
「あ、SAN値へった」
「ふむ、いきなりどうしたのかね?」
「ナンデモナイデスヨ?」
何故か視界の中でサイコロが転がったのはきっと気のせいだろう。これ、短時間で減ったら発狂するの?
「さて、本物だとわかったがどうしたものか」
実際にメリーさんの電話だったとしても、部品のありかについてのヒントが全く無いからな。
「明日、それぞれで情報を探って見ると言うのはどうだろうか」
と、風紀委員長が提案してくる。 オカルト研究部に全部丸投げじゃなくってちゃんと手伝ってくれるんだな。 そういうところ面倒な女引き寄せるんだぞ。
「はい、私もそれでいいかと。そろそろ用事がありますので」
それ、スーパーのことだよな。確か今日は肉が安い日だった気がする。
満場一致で解散が決定した。
「あ、後輩たちはまた読み切り短編を一枚作成してくること」
「「えぇ・・・」」
・・・
・・
・
さて、そんな感じでアパートまで帰ってきたわけだが。実は今うちに珍客が来ていたりする。
意を決して部屋の鍵を取り出そうとした瞬間、ドアが開かれ例の珍客が現れる。
理想の美少女を体現したような顔立ちに青く透明感のある双眼、長い金髪を揺らし黒い喪服を連想させるドレスを身にまとっている少女。
ただし、スカートとの隙間からのぞく球体関節の膝が、彼女が人間でないことを物語ってる。ピクリとも動かない表情も、じっとこちらを見つめる光が宿っていないように見える双眼も不気味さを感じさせられる。
実のところ言うと今日短編として提出したあれは今朝にあった出来事だ。即興でオカルトの短編作れと言われても考えるの無理じゃん。なら、経験則でと思って題材としたわけだ。
コンビニ云々もメリーさんみたいな電話も夢の中での話ではあるが、やけに鮮明に記憶に残っている。そして、彼女の要旨などからしても確実の今回の怪奇現象関係があるはずだ。
ピー、ピー、ピー・・・・
なぜか部屋の奥の方で米が炊ける音がした。
「えっと・・・ご飯炊いててくれた?」
こくりと彼女はうなずいた。
夕食を終えて、彼女にいろいろと質問をしていくつか分かったことがある。
まず、彼女はしゃべれないこと。これは何となく想像していたが、体の素材が硬質な素材でできているため口や瞼は動かないのだろう。ただ、簡単な筆談や絵などでの意思疎通はできるようだ。
次に彼女の名前、メモの書き示されたのは「Mary」。日本語翻訳にかけたところメアリーだそうだ。本人もうなずいていたのであっているはずだ。
しかし、彼女がどこから来たのかこれは不明なままだ。聞いてもメモには「Chasing 」の文字と俺のほうを指さしてくるだけ、まったくわからない。
彼女の目的について、これも不明だ。聞いてみだが、なぜか左腕に抱き着いてきた。まさか、ひとめぼれされた?と思うが・・・まぁ、あり得るか。あり得るのか? 害はないしかわいいからいいか。
やっとパートナーの登場。
顔とかは西洋人形っていうよりも現在の日本人からしてかわいいって思えるような感じ。某ホラーゲームのメリイってキャラみたいなイメージ