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水害ーsid??ー

eをつけるのもういいや


最悪だ。

そう思うのは今もなお股の間から流れ出している大量の水。

こんな姿をあれ以上周囲にさらしたくなかったからトイレに駆け込んだ。ここにいれば誰にも見られず流し続けられるだろうと逃げ込んだものの徐々に処理が間に合わず流れるどころかカサを増していっている。

もしここが1階か2階ならばシャワー室に逃げ込めたかもしれないが生憎ここは4階、たどり着くまでに学校中の笑いものになっていただろう。

何がどうなったら肌からホースで水を浴び続けているような大量の水が出続けるのか全く理解ができない。

だが、これはあのいけ好かない男女のせい。きっとそうに違いない。


あの男女は嫌いだ。

入学式当日、正門は新入生の女子たちで大賑わいだった。

それも生徒会役員と先生方が全員イケメンか麗人系の美女ぞろいで正門から並び、新入生を迎え入れるという乙女げーでもなかなか見ない夢のような光景が広がっていた。(この時、体育教師たちがなぜかいなかった)

そんな中一番目を引かれたのは島田先生だ。スーツはしっかりと着込んでいるがダウナー系を彷彿させる少しくたびれたような眼、それを隠すようにかけられている眼鏡、そして優しそうなその笑顔がすごくかっこよかった。

巡り合わせがよくなく、残念ながらうちの担任ではなかったが数学の担当になったのがうれしい事だった。

そして何よりも高スペックな見た目の女子たちの大半は田島先生に興味がなかったこと。生徒会長や別の科目の教師

、はたまた初老の校長先生に心惹かれる女子までいたのには驚きだ。


これなら果たしにもワンチャンあるのでは?

そう思ったのは乙女ゲームの影響かもしれない。

というのも私がやってきた乙女ゲームというのは大抵自分のようなスペックの人間が主人公になる。

完ぺきではなく平凡でもなく。自分で言うのもなんだが、絶世の美少女と名乗るにはかなり見劣りをするが、かわいくないと否定するには「ふざけるな」と突っ込みを入れたくなる程度の見た目。そんな私なら主人公になれるのでは?


そんな乙女ゲーでは定番でイケメン達に一目置かれるようなイベントが起こらないかと期待に胸を膨らませていた。

しかし、そんな私達の夢見がちな願いは空から落ちてきた理不尽に粉々に砕かれてしまった。


空から聞こえた声にそこに居た全員が目を奪われた。だって人が何もない空から降ってきたのだから。


はじめに動いたのは田島先生だった。

あまり運動神経が良さそうではないように見えたが、見事に落ちる場所を予測して受け止めた。


その人物は無事だったことに安堵したのか先生の腕の中で気を失い抱かれたまま保健室に運ばれていった。

少しだけ顔が見えたが、先に制服に目が行かなければ男子だと分からない程度の童顔の女子顔、上位に入らずとも上から数えたほうが早いような顔つきだ。


そんなあまりにも意外性を出そうとしたクソゲーのような出来事は1週間の入院もあって学校中で話題になった。


復帰した彼を気にかけてか田島先生は放課後付きっきりで勉強をしばらく見ていた。

多分「クラス担任だから」と無理を押し付けられて無理やりやらされていたのだろう。

その勉強会に何故か生徒会長と同じクラスのイケメンが参加し、その光景を通りすがりの風紀委員長や同じ学年の数名の男子(何故か顔がいい人ばかり)が見守ったりしている姿が見れそれが1週間も続いた。

当然それが羨ましかった私や女子たちは自分も勉強会に混ぜてほしいといったが、「彼一人だけで時間がいっぱいだ」といい断られた。


勉強会が終わってからも彼は先生に尻尾をふるように付き纏っていた。

特別授業のお礼と称してクッキーを渡していたり、授業の準備を手伝っていたりし、何度か頭を撫でられている姿を見た。

いつも私が質問しに行っても「ごめん、いそがしくって今は」と断られるのに、あいつは「3分だけ!」とせがんで結局わかるまで面倒を見てもらっていた。


その姿や出来事はまるで私の夢見た乙女ゲームのような風景で、何故あいつなんかがあの風景の中心にいるのか納得行かなかった


そう思ったのは私だけではなかった。

少しだけ愚痴をこぼしたことがあり、偶然それを聞いた女子がそれに賛同してくれて仲良くなった。

そのつてで同じくあの男女をよく思っていないメンバーで集まって、初めは独占するなと訴えるようなメモを靴箱に入れて、それでも警告を聞かなくて、少し痛い目を見せようと雨の日に傘を隠したり靴を隠したり、ノートを燃やしたり、メンバーの一人が見つけてきたまじないを行ったり(特に効果はなかったが・・・)と罰を与えてきた。

しかし媚びを売ることを辞めるどころかそれをダシにして更に媚出していった。


そして今日もまた調子に乗っている罰を与えるべくクラスに居るメンバーにこっそりと鞄を取ってきてもらい私が沈めてきた。

前回は一人でやろうとしたら見つかり注意を受けた。

こうやって役割を分けることによって怪しまれずに持ち出す事ができた。


私は罰を与えただけなのに、私以外もやったのになんで私はこんな辱めを受けないと行けないのだろうか。

これはきっとあいつの仕返しにちがいない。


と、その時だ。誰かがトイレのドアを叩いた。



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