イツマデヒッツイテルノ?
で、先輩二人にパンをおごってもらい昼食も終わったわけだけれど、いまだに生徒会長の膝の上に座らされているわけだが、いい加減放してくれないかな・・・。
「生徒会長、そろそろ放して・・・」
「はい、フルーツオレ」
わーいフルーツオレしかも関西のバナナ多めのやつだ! これ好き!
「それで、なんで生徒会室に呼ばれたの?」
てっきり人形の件で呼び出されたかと思ったけれど部外者であるはずの生徒会長は放してくれなさそうだし、放送だけ使わしてもらって風紀委員が使用している部屋に呼び出せばいいのにわざわざ副会長を使ってここに呼び出した。
鹿島さんが泣きついて朝の件の現状注意とか、血まみれで登校してきた件とか、深夜に徘徊していたのがどこかからばれての反省文とか思い当たる節が多いけど。
「それについては申し訳ない」
そう言って風紀委員長が語りだしたのは今日の午前のこと。
人形の部品の人物がうちの学校の生徒であるか調べようと職員室に名簿がないか聞きに行くと、校長、生徒会室にしか名簿は保管されておらず、あとはクラスごとの名簿を担任が持っているくらいしかないようだ。
学校の委員会は持ってないのかと聞いたら過去非常勤教師が個人情報を売ったり、家に盗撮機や盗聴器を仕掛けるために家庭訪問、委員会の生徒がストーキング行為、家庭への嫌がらせ、不登校生徒の家の前での更生と称した迷惑行為、本を返さない生徒への30っページを超える警告文の連日投函(内容が毎回違う)などなど多くの問題が発生したらしい。
いや、この学校治安悪すぎだろ! この町自体もかなり犯罪が多いけども!
一応この伏木高校は決して不良校などではない。偏差値65なのでそこそこ高いほうではあるしこの学校で不良生徒と言っても喧嘩好きや授業をサボっている程度のものだ。
で、流石に説明をするわけにもいかず、校長のもとに行くわけにもいかず勇太のことになると面倒くさい地雷集団のもとに行くわけにもいかず仕方がなく生徒に聞き込みでもしようとした時だ。
「やぁ、面白そうなことをしているね。ところで探しているのはこの人物のことだろう? ぜひ僕も混ぜてほしいな」
突然背後から肩をつかまれ振り返ると生徒会長がいて、何故かこの怪奇事件の調査をしていることを知っていたという。
「いや、怖いよ! 何で知ってるの!?」
「この学校結構色々調べられるんだよ。昔の名残でいろんなところに耳と目があるからね」
それって隠しカメラや盗聴器が隠されてるってこと? プライベートのかけらもないな。
「目に見えているやつ以外は基本電波をジャックするかハッキングでもかけないと使えないけから大丈夫だよ」
「へぇ・・・」
生徒会室の中心に設置されている円形の監視カメラをみる。
そういえば学園内を監視するように複数あるけど学園外を向いてるやつがないなと思い出しながらもそれよりも今の飛んでも発言のほうが気になる。
この生徒会長さては両方できるな?
そうでもなければ部室での会話やこっくりさんのメモの内容を知りようがあるはずがない。
ただ、それを聞き出すと昼休みが終わってしまうのでまた今度にしておこう。
まぁ、この際巻き込んでしまった人物がさらに増えてしまったことについては目をつぶるとしよう。
増えてしまった弊害として宮崎さんには悪いが、優秀な人が仲間になってくれた・・・。
勇太「ところでなんで副会長が呼び出したの?」
生徒会長「だって僕が呼んでも最近来てくれないからね」
風紀委員長(当たり前だろ、ストーカー野郎)
生徒会長は入学式以降毎日のように怪我の様子確認(口実)のために呼び出していた




