コンナハナシヲキイタコトアルダロウカ
何故だろう、ギャグ方面を描くはずがどんどんホラーが強くなっていく・・・
メリーさんの電話
口裂け女、トイレの花子さんと並ぶ誰もが聞いたことがあるといってもいい都市伝説の一つだ。
「早川後輩、メリーさんのざっくりとした内容を書き出してくれたまえ」
「え、あ、はい」
早川がホワイトボードに書き出した内容はこうである。
1:ある日電話がかかってくる
2:その人物は「メリーさん」と名乗る
3:居場所を報告する電話を何度も繰り返す
4:家の前にいると報告が来る
5:最終的に背後に現れる
6:ーー規制済みーー
と、メリーさんの電話はこんな感じの内容で、俺が知っているのもほぼ同じだ。ただ、最後の規制済みってなんだ。そこぼかす意味はないだろ。
「おおむねそうだ。だが、少しだけ補足が必要だ」
先輩はそういうとつらつらと語っていく。
「都市伝説というのは、時代や地域ごとによってさまざまな姿を変えていくものだ。例えばそう、人形を捨てたものの前に現れたり、何の脈絡もなく突然電話がかかってきたり、逆に特定の番号に電話を掛けたりするとあらわれたり。そう、例えば四方山後輩が書いたそいつみたいに面白おかしく語られたりね」
そう言って風紀委員長が持つ作文用紙を指さす。おい、勝手に読むんじゃない。
「なかなかいいんと思いますよ? ありきたりな題材だと分かっていたからあえてギャグ方向にもっていこうとしてる。最後のキスあたりはここから恋愛につなげる事にもできますしね」
めっちゃほめるじゃん。でも、完全オリジナルの文章ってわけでもないからちょっと複雑な気分だ。
いろいろとパニクっていたからそれどころじゃなかったけど、確かに恋愛という線はあるのか。
「ところで・・・えっと?」
「宮崎ですよ先輩」
「ああそう宮崎さんね。人形の頭を拾ったりしていないかい?」
「・・・やっぱりこれ、関係あるものだったんですね」
そう言って鞄の中から人形の頭を取り出す。その人形には目玉や髪の毛すらついていない。
人形の頭? なんでそんなもの持ってるんだ?
「拾ったと言う訳じゃないんです。一昨日起きたら枕元にあって・・・」
いや、だからって学校に持ってきたりはせんだろ。
「はは、これは完璧だ。学校の噂と完全に一致している」
「学校の噂?」
「ああ、この学校に伝わるメリーさんの噂さ」
そう言って語り出された内容はこうだ。
1:人形の頭をいつのまにか持っている
2:毎日メリーさんを名乗る人物が、電話をかけてくる
3:徐々に自分の家に近いてくる
4:たどり着く前に人形の部品を揃えなければならない
5:期限は7日である
6:たどり着かれた時に部品がなければ奪われる
とまあ、こんな感じだ。
で、この噂をうのみにすれば、タイムリミットは5日後と言うことだ。
「噂通り行けば君は無惨な姿になるね」
そう言って人形の頭を転がす先輩。 いや、そんなヤバイ呪物で遊ぶなよ。
「どうにかならないのですか!?」
「まあ、出きるだけ手は尽くそう」
え、こんな眉唾な話信じるの!?