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赤い傘ーsid宮北ー3

私の名前は宮北 優子。伏木高校の三年でありオカルト研究部の部長もやっている。


今日は「メリーさんの人形」の部品探しという珍しくオカルト研究部らしい活動が出来ている。

風紀委員長がこの件を持ってきたときは単なる気を引くための嘘話だと思っていたが、四方山後輩が事実であると証明して見せた。彼を誘ったのはやはり正解だったようだ。


ジャンクフード店を出て、先生と事故が多いと有名な道路にやって来たわけだ。

ここではマスクをつけ鋏を持った赤い服の女性の目撃情報や人を引きずる女性の目撃情報などがある。まあ、この二つはここA市では色々なところで目撃情報があるわけなのだが、ここでは20代ほどの女性が立っていることが目撃されている。


その女性になにか特徴があるわけではないし、襲ってくるという話もない。ただ、何かを探してさまよい突然姿を消すのだ。

曰く、交通事故で亡くした子供を探している母親の霊。

曰く、死してなお彼氏を待ち続ける恋人の霊。

曰く、ここを通る車を交通事故に合わせるために機会をうかがう霊。

曰く、思い入れの公園を台無しにされて恨みを持つ霊。

調べれば調べるほど憶測がオカルト掲示板に並んでいる。

実際にこの横断歩道ではかなりの頻度で交通事故が起こっている。三つ目の説はかなり有力だといえるだろう。


こっくりさんが交差点を指し示した時、真っ先にこの場所が頭の中に浮かんだ。それもここが交差点に近く寝ず良いうわさがあるからだ。



とはいえ、ここにきては見たもののそれっぽい雰囲気はあるが幽霊の姿は見当たらない。

もしかしたら時間を置くと出会えるかもしれないと先生に個々の噂話の説明をしていたのだが、はて?いつの間にか先生は姿を消していた。

どこに行ったのかと探してみると交差点のほうに向かってかけていく姿が見えた。

何かあったのかと追いかけてみると交差点に少女が立っているのが見えた。子供が一人でいるのが危ないと思ったのだろう。

いや、まて? なんで雨が降っていないのにレインコートを羽織っている?


先生を止めようとした瞬間猛スピードで車が先生へと突撃した。

子供をかばうように子供を抱き込み腕を突き出す姿が見える。


「あ・・・」


思わず声が漏れてしまう。

あたりに響く強い衝撃音、周辺に飛び散るかけらそのあとに残ったのはあまりにも無残な姿。


「はは・・・」


そんな光景を見てつい笑いがこみあげてくる。

まさかこんなことになるなんて思ってもいなかった。



腕一本で車を止めるなんて誰が予想するか!


しかもだ、腕が折れるでもなく逆に衝突した車のほうが大破するなんてこんな面白い話があるかい?


どっちが怪異かわかったもんじゃない

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