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ユウビンヤサン

手紙が降り注いできたが、なんとなくポストを先に調べてみる事にする。

結論からいうとなにも出てこなかった。気になったのは不用心にも鍵が開いている回収用の扉だけだ。

確認してみるが、特に郵便物は入っていなかった。ここに何かある気がしたが気のせいだったみたいだ。


さて、そうなるとこの降ってきた手紙が何かの鍵になる可能性が・・・


『○○テレビプレゼント応募係』


いや、やっぱり気のせいみたいだ。ほんと何がしたいのか分からない。一応全部拾ってみれば何か分かるかも。


10分後・・・


「わからん・・・」


メアリーも協力してくれたことですぐに20枚の郵便物が揃ったわけだが、ほとんどの手紙が何の変哲もない郵便物だった。一枚だけ今どき珍しいようなラブレターの定番のような封筒に入った手紙があった。まぁ、少し汚い文字と下書きらしい文字が消しゴムで消された跡がある。どう見ても小学生が書いた手紙っぽいのだけはわかった。


「絶対関係ないよな…」


住所や郵便番号がしっかりと書かれているし覚えもない。


「『○○君え』いや、誤字ってるし・・・」


ここまであると関係ないよなと思っていると、メアリーが何かを伝えるために肩をたたいてくる。

何かと思い彼女が指さすほうを見てみると郵便ポストの隣に人が立っていたのだ。その姿を見てこの人が郵便屋さんかと納得した。


駅員のようにも学生服にも見えるような紺色の服を着ており、膨らんだ大きな革のカバンを肩から下げ、長靴のような靴を履いて白い手袋をつけている。

そして何よりも不気味なのは顔がないことだ。

いや、顔がないというのは少し語弊がある。のっぺらぼうのマネキンと言っていいのか、目、鼻、口、耳、髪がなく、顔が真っ黒の楕円形なのだ。


今の郵便局の服装とは違い昭和を連想させるような服装。郵便屋さんという言葉がしっくりくる。

郵便屋さんに集めた手紙を渡すと、帽子のつばをつまんで頭を下げてくると一枚一枚ポストに入れ始めた。

そして、郵便ポストに最後の一枚を入れ終わると『コトン』とポストの中に何かが落ちる音がした。

さっき郵便を持った感じからしてそこまで重いようなものはなかったと思うが、はて?

郵便屋さんはしゃがみ込むとポストから何かをとりだしこちらに渡してくる。 

それを受け取ると郵便屋さんの黒い顔が三日月形に割れたかのように口が現れ姿を消した。


あれはいったい何だったんだろうかと思いつつも渡された紙袋を開け中を覗き込む。うん、暗くてよくわからない。

試しに手を入れていると何か糸状の物が生えた丸い立体的な物体が入っていて思わず手を引っ込めてしまう。

え、なに? 中何か生き物でも入ってるの?動物の死骸とかじゃないよね?

試しににおいをかいでみるけど、うん、特に匂いとかはしない。 じゃあなに?

そう思い恐る恐る毛らしき部分をつまんで取り出してみると・・・



小さいカツラが入っていた・・・



「・・・」


そういえばこっくりさんがここに人形の髪があると初めから言ってたな。ビビッて損した。

紙袋に戻すと適当にポケットに突っ込む。鞄でも持ってくるべきだったな。


しかし、思い介してもあの郵便屋さんはいったい何だったのだろうか?

公衆電話の時はずっと名前を呼んでたから死んでもなお娘を探してるってわかるけど、郵便屋さんはそんな雰囲気じゃなかった。もしかして郵便を鞄から落としてしたのに事故にあってなくなったとか? じゃあ、あの歌っていったい何だったのって話にもなる。

それにあの郵便屋さん。公衆電話の時みたいに恐ろしい雰囲気もなく、まるでモブというか映画のエキストラみたいな感じにしか見えなかったしうーん・・・よくわからん。

人形の部品が手に入ったし良しとするか。


帰り際なんとなくポストの中を見てみようともう一度ポストのドアを開けてみた。でも、中には何も入っていかった。

あの郵便物も全部怪異の一部だったのか?



Q:結局何だったの?

A:初見殺しのデストラップ

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