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ソンナバカナ

さて、部品探しが本格的に始まったわけだがとりあえず用を足しに学校のトイレにいる。

そんなにのんびりしていいのかと疑問に思うかもしれないが、俺の考えでは夜にならないと部品が現れないと考えているからだ。

根拠は特にないが、じゃあなんで人形の部品が道路や郵便ポストなどに残されているのか? 

ポスト裏に隠されている。マンホールの中にある。そんな感じなら納得がいくが、そんなものが昼間に落ちていたら落とし物やごみと思われて回収されて今頃ないはずだ。しかし不思議なことに、三つの部品を除いて、すべて人が良く使う公共的な場所に落ちている。つまり、何らかの条件を満たさないと見つからない可能性がある。例えば前回のように怪異が持っていたり、夜にだけ現れるとかだ。

なんで落ちてると思ったのかは、部品を所持している人間が三人ほどいること。

この三人が偶然にも怪異と出会って部品を手に入れたとは到底考えられない。なら、「塾や部活帰りに拾って交番に届けようにも夜遅かったから持ち帰ってしまった」と考えるほうが自然だ。

まぁ、人形の部品拾おうと思うのもかなり頭おかしいと思うけどな。


話は変わるんだが、学校のトイレってすごく不気味だと思わないか?

じめじめしてるとかは当たり前なのだが、何故か男子トイレって個室の真上だけ照明がなく薄暗かったり、窓の外にちょうど人一人が隠れられるそうなスペースがあったり、洗面台が向かい合わせになってるせいで、合わせ鏡になってたり・・・あれ、これうちだけの話?


そんなどうでもいいことを考えながら鏡を覗くと背後に金髪の少女が立っていた。

振り返ってみるが、誰もいない。

見間違えかと思い向き直ると、やっぱり少女が立っていた。

と、そこである違和感に気が付く。

このトイレは合わせ鏡になっていると先ほど言ったが、映っている反対側の鏡には背中が移るはずだ。それなのに、少女の背後は映っていなかった。

その少女は近づくでもなく、何が楽しいのかにこにこと笑っていた。


その時だ、バタンと大きな音がし振り向く。

トイレの入り口のドアが閉まった音だったようだ。風でも吹いて閉まったのだろう。

そう考えて正面の鏡に振り返ると、鏡は真っ黒に染まり黒い瞳が浮かんでいた。

突然電灯がチカチカと点滅して消え、鏡の向こうから真っ赤な手がたたきつけられる。


おれは、誰かの置忘れらしきものを拾い急いでドアまで駆けた。

ドアが開かないようになっていると考えていたが、すんなりと開き・・・


外から無数の目がこちらを覗いていた。


「ニゲラレナイヨ?」


そう言って無数の笑い声がトイレの中でこだまし、鏡からぬるりと黒い影が出てくる。

俺は目をつぶり・・・





手に持っていたスプレーを周りに撒いた。


すると耳を裂くような悲鳴が聞こえ、真っ黒な何かと目は消え、蛍光灯の明かりがついた。


「・・・これ、効くんだな」


手に持っていた「汗すっきりAg除菌消臭パウダー!」というスプレーを鏡の前に戻した。

それにしても何だったんだ今の?



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