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チカラノヘンリン

目が覚めるとくすんだ色の木の天井だった。少し埃を被った裸電球が揺れる。


「知らない天井だ・・・いや、違うな」


そういえば昨日の引っ越して来たことを思い出す。

高校入学にあわせて独り暮らしを始めようとマンションを借りたわけだが、引っ越し業者が付いたところでまさかのすみ場所が火事で全焼。大家はショック死してしまい、返金もないまま引っ越しを余儀なくされ近くの格安物件に引っ越すことになったわけだ。

幸い引っ越し業者が気を利かせてくれて荷物を一時保管してくれたから感謝である。


そんで、夢から覚めた今、身体の変化は・・・特にないな。あれはたんなる夢だったのだろうか? いや、何かあるかもしれない色々と試してみよう。

まずはスプーンを取り出して・・・。


「まがれ!」


・・・なにも起こらない。いや、超能力と異能力は別物か。

よしそれじゃあ某アニメみたいに・・・


「ふー!はっ!」


両腕を付き出すポーズをしてみるが、なにも起こらない。ならつぎ!


「火出ろや!」


なにも起こらない。いや、実際に部屋のなかで出てもそれはそれで困るな。


ドン!


隣の部屋から壁を叩く音が聞こえた。


「あ、すみません」


ヤバイ隣から壁ドン来た。これくらいにしておこう。

そう言えば今日は入学式だった。今の時間は・・・。




「ヤバイヤバイヤバイ!」


色々と試していたら出発時間過ぎてた!

入学初日から遅刻とかまじで洒落にならないぞ!

そして何故か眼鏡女子高生と並走しているわけだが、こいつさっき壁殴った隣部屋の奴だ。


「いや、あんた。寝過ごしてたのかよ!」


「仕方ないじゃない! 昨日引っ越しだったのよ!」


その一言で色々と察する。こいつも同じマンション借りてたのか・・・。


このスピードだったら間に合う。と、交差点を通過しようとした瞬間!


ドン!


「ほぅあ!?」


「っちょ!」


交差点で誰かにぶつかり撥ね飛ばされた。

隣人の方は少し遅れていたので無事なようだ。

え、撥ね飛ばされるとかどんな体格さあんの!?

そうおもって通りすぎた姿を見るとやってしまったといわんばかりの表情の金髪幼女・・・いや、制服を見た感じうちの学校か。


「ってん?」


どうやって受け身とろうかと考えていたら吹っ飛ばされた次の交差点で目に映るのは居眠り運転トラック・・・


ドウン!


「ホゲラッ!?」


くそ、恨むぞ運転手・・・。

空高く撥ね飛ばされ「あ、これ死んだな」なんて思いながらも高校が見えてくる。これ、夢が正しかったら生き返られるんだよな。


「うぉぉおおお!」


男の声が聞こえて誰かに受け止められる。しかもお姫様抱っこでだ。

顔をあげると黒髪スーツのイケメン。


「おい、大丈夫か!?」


そう言われたとろで、意識が落ちた。


結論を言うと遅刻はしなかった。ただ、怪我はなかったものの精密検査ということで3日ほど入院することになった。くそったれ。


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