幕間②―side宮北―
「さて、次は・・・」
当然次は蔵の方だ。
一度蔵の中を見せてもらったことはあるが、中にあるのは古いおもちゃばかりだったと覚えている。
毬に木製のコマなど日本の昔からあるおもちゃから、陶器でできた西洋人形や木製の積み木おもちゃなどまるで博物館のようなラインナップがそろっていた。
あそこにある物だけでもかなりの歴史的価値が出そうなものだが、無理に持ち出そうとすればただでは済まないだろう。
そもそもあれが何のために集められたかという話ではあるが、当然「神様への捧げもの」それ以外に考えられるものではない。
ここの神様がどんなものだったかはわからないが、荒神だったことは間違いがない。
祟られ様で出てきた呪の犯人がここの神様だと言われても納得がいく。
そんなものを持ち出せば当然ただでは済まない。それこそとんでもない呪をもらってもおかしくないものだ。
「?」
蔵のほうに行く途中何かを踏んで割ってしまう。
やってしまったかと思い足元を見てみると、陶器のかけらだった。
それが元から割れて散らばっているだけのものだと気が付き少しホッとする。
これで何か壊していれば故意でなくても碌なことにならない。
拾い上げてみるが、どうやら壺や皿みたいなものではない。いったい何のかけらだろうか?
いや、これに関しては後回しでいい。まずは蔵の中を確認しよう。
蔵の前まで来たが、扉は開かれており中の様子がうかがえた。
以前は鍵がかけられていたはずだが、誰かが壊したのか地面に壊れた南京錠が落ちている。
まさか四方山後輩が?と思ったが、錠の汚れ具合からしてついさっきというわけではないらしい。
となると、やはりこの蔵にもろくでもないことをやっていた可能性がある。
懐中電灯を使い蔵の中を覗いてみる。
残念なことに風紀委員長殿の姿はない。もしかしてと思ったが残念だ。
以前来た時には当然中を案内してもらえなかったので、詳し配置などはわからないが埃の在り方で大体把握できる。
と言っても複数の足跡を見る限り、やはり彼女らはこの蔵に入ってきていたらしい。
ただ、学校指定の靴跡しかないため女子用か男子用かくらいしか判断はできないが。
「ふむ、四方山後輩が来たのはこの辺りまでか」
彼らがとまったらしい位置までくると、漆喰塗?いや、もっと別な素材でできた黒い空箱があった。中にはクッションが詰め込まれており、最近中身を取り出したのがわかる。
箱の横にある紙はこの何かの説明書かね?
そんなことを考え髪を手に取ろうとするとと急に蔵の扉が閉まる




