表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
191/194

サイゴノアソビ② side-宮北-

「鬼ごっこ?」


突然聞こえ始めた緊急放送を思わず復唱する。

その直後隣を誰かが駆け抜けていった。あの後ろ姿は四方山後輩?


「ああ!?」


突然声を上げ何事かと振り返ってみると先ほどまで彼女(名前が思い出せない)が持っていた学生鞄がなくなっていた。

ふむ、今通り過ぎた瞬間にくすねていったか。

当然目的は彼女の鞄に入っている人形だろうがどういう心の変化だろうか?

しかし、人形の最後の部品はそろわないように私が持っているはずなのだが・・・。


「持っていかれたみたいだね?」


入れていた鞄の中を探ってもそれらしき部品は出てこない。

一体いつの間に持ち去っていたんだい?


「何のんきに言ってるんですか!あれがないと私死んじゃうんですよ!?」


「何の考えもなくそんなことをするとは思えないがね。それに今の放送を聞いていなかったのかい?」


そう、確かに今緊急放送から鬼ごっこを始めるという合図があった。これはどう考えても四方山後輩が語るれいの少女がかかわっていると断言できよう。

邪魔するようにこれまで何度も怪奇現象を起こしてきた彼女がここでかかわっていないという方が嘘だ。


「ここに風紀委員長殿がいないのを考えれば答えは出てくるんじゃないのかね?」


「まさか、人質に取られている?」


「ああ」


嘘だし適当言っているだけだけれどもその可能性がないこともないって話だけだ。

十中八九違うとは思うがね。


まぁ何か理由があってのことだろうし実際彼女の生死にはあまり興味はない。

興味があるのはあくまで何が起こるかだけなのだ。

ただ、遊びというにはあまりにもフェアではないのではないかな?


「やぁ、聞いているのだろう? ちゃんとルールは決めて置こうじゃないか」


「いったい誰に話して・・・」


彼女がそう言いかけたとき再びハウリングしたような甲高い音とともに放送が流れる。


『深夜0時までに、逃げ役から人形を奪い返してください。そうしないと体が奪われます。鬼は宮崎裕子です。時間制限になった時彼女の手元にあれば勝ちです』


「ふむ、だが彼は超人的な身体能力と謎の技能を持っているはずだ。それに範囲が決まっていなければ探すのも大変じゃないかね?」


『1時間ごとに居場所を放送します』


1時間ごと。

現在時刻は7時、5回は場所を教えてくれると?


「提案だ。残り1時間を切ったら30分、15分、10分、5分と教えてくれた方が面白いじゃないか?」


『採用します』


「参加人数は?」


『四方山勇太と宮崎裕子の二名です。最終的に手元にあれば勝利です』


「君からは何かないかね?」


「え、いや何も・・・」


何もいらないのかね? それはずいぶんと余裕そうじゃあないか。

私からの彼女への手向けは終わった。あとは彼女次第だね。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ