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サンパイシテッテネ

やっとのことで神社へと昇り切るとそれなりの神社が目に入る。


いやうん。ほんとそれなりなんだよ。

神社って言ったらだいたいこんなイメージだよねという感じの何の変哲もない感じの見た目?


「いやいや、手水舎とか社務所とかいろいろとないものが多いからね」


言われてみれば手を洗うところとかおみくじ売ってる所とかないな。

拝殿と蔵と鳥居と狛犬。

ゲームのワンシーンで出t来るような簡易化されすぎている気もしなくもない。


あとなぜか狛犬が拝殿を見守るように向こうのほうむいてるのも不思議でならないし異様にカラスがうるさい。

何よりも真っ黒な賽銭箱というなかなかに不気味なものまでおかれている。


「先輩。やっぱここまずかったのでは?」


「それでもここ以外頼れそうな場所なんてないからね」


ほんとに?


さて、いやな気配しかしないわけなのだが、守ってもらう本人はというと顔色を悪くしてかがみこんでしまっている。

まぁ、あの階段のほとんどを担いで上がられると気持ち悪くもなるだろう。


「おーい、大丈夫?」


「むり、といれいく・・・」


そう言ってふらふら―っと拝殿の裏手のほうに進む宮崎さん。


「ふむ。ちょっと心配だから行ってくるよ」


あ、ちゃんと自分のせいって自覚はあるんだ。

流石に俺たち男子が行くわけにもいかないからね。


「ああ、逃げださない様にみはっておくよ」


そっちかい。

確かにここにきたがらなかったけどさ。


・・・

・・


さて、二人が花摘みに行ってしまったので圭吾先輩と二人になってしまった。


「圭吾先輩ってここに来たことあります?」


「ああ、と言ってもあまりここには来るなと淳也に言われていたが」


「というと?」


「気に入られると遊びばれるとか」


何そのエッな響き。


「なんでもお題に失敗すると鏡の向こうに連れてかれるとか」


「完全に荒神じゃない」


やだもー帰りたい。絶対ろくなこと起こらないって。


とりあえず二人で神社内を探索してみることにする。


「おみくじとかお守りとか売ってます?」


「残念ながら正月の時だけの限定販売ですね。初詣だけはここはにぎわいますから」


まぁ、唯一の神社だからね。

あの階段とかも長く健康でいられるとかそんな後利益ありそう。


「ええ、一応あります。ただ、上りやすいようにと手すりの設置をしたらやけに事故が多くなったりとなかなかに大変なのですよ」


・・・この狛犬が逆なのは?


「これはご神体であるあの木を見守るためだとか。悪さされるといけませんからね」


「それはご神木『に』?それともご神木『が』?」


「・・・」


やだなんでそこで笑顔?


「あの黒い賽銭箱は?」


「以前は普通でしたが・・・」


そう言って近づいてみるとそれの状態がよく分かった。

うわ、まじか・・・。




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