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ソレイイネサイヨウ

放課後、部室に集まったのは圭吾先輩、先輩(部長)、俺、早川、宮崎さんの初日の五人だった。


マッチョ先生は職員会議。何でも緊急の職員会議らしいのだけど、どう考えても鹿島関連の事情だろう。


そういえば彼女が救急車で運ばれて以降視線がいつもよりも多くなった気がするんだよね。

いつもの視線じゃなくって、なんていうの?畏怖の感情? とでもいうような恐ろしいものを見るようなそんな視線。

いつもの妬むような視線が今日はだいぶ減ってるけどこれはこれで気持ち悪いな。


生徒会長はどうも家の事情らしく早退した。何故か副会長経由で自分に伝言が届いた。

そのせいで仕事放り出して帰った会長の愚痴を聞かされた挙句ついでとばかりに各クラスの配布物を配らさせられたり届け物をさせられた。


そして今、4人でテーブルを囲み、早川だけ素巻きにされてつるされている状態になっているわけ・・・ああうん。早川は何故か入って来て早々サーベルみたいなもの持って切りかかってきたから拘束されてる。


「で、宮本君。人形を返す前にちょっとお願いがあるんだけどね?」


「先輩。宮崎さんです」


「そこはどうでもいいんだよ。四方山後輩」


いや、どうでもよくないのですが。


「えっと、それよりみゃーちゃんは何であんな状態に?」


「ああ、ちょっとおいたをしたからね。反省中だよ」


早川は何か言いたいの唸り声を発しているが、ガムテープを口に貼られてもがモガとしか言えない。

流石に刃物で切りかかっておいたと言ってのけるのはどうかと思うが。


「あの、人形を返してもらえないと私、死んじゃうんですが」


「いやなに。別に返さないとか言う話じゃないんだ。ただ、完成させる場所を変えようって提案だけだ」


「場所、ですか?」


午前中の話し合いの中、考察が終わった後なのだけれど実は少しだけ続きがある。

と言っても大したことじゃなくって、本当に人形の部品をこのまま集めてしまっても大丈夫なのだろうか? というふとした疑問からだ。

病院の件ではわざわざ地下の怪異の場所まで持っていかれたり、学校では盗んが犯人である・・・誰だっけ?まぁいいか。あの子が異界で殺されかけたりと若干妨害がされてきた。


じゃあ最後のこの段階になって何もしてこないわけがないかと聞かれれば・・・。


「私なら最後を狙って何かしかけるね。それもとんでもなく大きい罠を」


と先輩は言う。

いや、なぜ? と問えば。


「だってその方が面白そうじゃないか」


だそうだ。


ならばと生徒会長に提案されたのが、安全な場所で完成させるのがいいんじゃないかというもの。


じゃあその安全な場所はどこか?

学校? 彼女が頻繁に表れる時点で論外。

警察? そんな眉唾の話誰が信じる?

異界? 論外

カフェ? マスターは知識があるが専門外らしい。


なら、この町で心霊系に強く安全な場所はどこか。それは当然・・・。


「ああ、神社で人形を完成させようじゃないか」




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