ソノカンハアタッテル
情報ができったため、あの後一時解散になった。
流石に生徒会権限でも生徒を自由になんてできっこないため午後からは普通に授業を受けることになるのだけれど・・・。
「四方山君、ちょっといいかな?」
丁度解放されたのが昼休みであったため購買にパンでも買いに行こう。そう思っていたら田島先生に声をかけられる。
どこかで言ったかもしれないが、うちのクラス担任の先生だ。ついでに言うと入学式の時に俺をキャッチしてくれたのがこの人。
「はい、なんでしょう?」
「生徒会に呼び出されていたと聞いてね。飯田さんのことでかい?」
飯田。
俺の鞄を校舎裏の池に捨てたあん畜生だ。
そのせいで今日は教科書無しのノート新品という中々にひどい状態。
・・・考えたらちょっとイラっとしてきた。今日は大事をとってなのか引き続き精密検査で入院なのか学校に来ていないが、退院したら二人に弁償させよう。
「はい、そうですね」
人形の部品の被害者(因果応報)だし、苛めの件で名前が挙がっていたので嘘ではないはず。
そもそも本当のことを話したところで信じてくれるような人がいるのだろうか?
・・・いる。生徒会長とかマッチョ先生とか喫茶店のマスターとかかなりいたけどあれは例外? いや例外多すぎ。
「隣のクラスの清原のこと何か聞いていないか?」
「きよはら?」
えっと・・・誰?
確かにどこかで聞いたことがあるような名前だけれどまったく覚えがない。
そもそも学校での友好関係はイケメンハイスぺ集団とオカケンメンバーくらいだ。あ、あと九条。
「すまない。少しモラルのない話だったか?」
何を勘違いしたのか先生はやらかしたなと言いたげな顔をする。
いや、ほんとに誰だっけ? まったく思い出せない。
「えっと・・・清原って誰ですか?」
「ん? ああすまない。知らないならいいんだ。飯田と宮崎と仲が良かったから何か聞いてると思ったんだが」
ああ、思い出した。
しょうもないことしてくれたメンバーの一人か。
いや、それにしても俺に聞くようなことじゃないだろう。
「実はその飯田が今朝無断欠席していてな。四方山が以前から目を付けられていたから何か知っているかもしれないと思ったんだが・・・」
それで俺に声をかけたと。
これ、以前からいじめに関して何か知っていたな? それで標的になってる俺に声がかかったと。
まさか復讐か何かしたと思われてらっしゃる?
そもそも直接手を出してくるような勇気もない人らと接点があるわけないじゃん。 まったく見当違いです。
「まったく知らないです。一応宮崎さんにも聞いておきましょうか?」
「ああ、助かる。どうも嫌な予感がするんだよな・・・」
嫌な予感って、まさかそんな曖昧な理由で何かやったと疑われたのだろうか?




