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ニタモノドウシ

「いやぁなかなか面白い体験ができた」


そう言いながら先輩は救急用のテープとガーゼを適当に傷口に当てる。

事前にどうなるか説明されておきながら何のためらいもなくいくとかどうかしてる。


「宮北先輩、男子の前で堂々とYシャツ脱ぐのやめてください」


そう、先輩が切ったのはちょうど胸の間部分だ。そのためYシャツの前を開き止血している。

しかし、恥ずかしがるようなそぶりもせず


「たかが下着だろ。何を恥ずかしがることがある?」


こんな調子である。この人にとっては 羞恥<楽しさ みたいだからな。昨日の早川の反応のほうが明らかに正しい反応だと俺も思うけど。

先輩がガーゼをとめようとするが、どうもブラが邪魔でうまくテープが張れないみたいだ。で、とうとうめんどくさくなったのかブラの間の金具を外した。あ、それ前ホックのタイプのブラなんだ。は! 殺気!

とっさに人形の部品を手に取り迫りくる拳を防ぐと、早川は女子が出しちゃいけないタイプの声を出し床を転げてもだえる。おお胸部装甲がデカすぎてさすれないとか間抜けすぎる。


「早川後輩、気にしてるのは君だけだぞ?」


「いや、先輩は羞恥心を持ちましょう?」


「ふむ、恥ずかしがる私なんて想像できるか?」


「できませんね」


そう言いながら先輩と俺は笑う。その光景を早川は引き気味で見つめるのだった。


・・・

・・


さて、先輩がYシャツを着なおし終わるとそこで宮崎が部室にやってくる。いや、ノックくらいせいや。


「これ、昨日わたし忘れていてすみません」


そう言って鞄の中から人形の頭を取り出す。よく今朝の風紀委員の検査に引っかからなかったな。そんなことを考えていると宮崎が疑問を口にする。


「あの、本当に人形置き忘れましたか?」


「いや、確かに置いていってたよ。いつの間にか消えていたがね」


「やっぱり気のせいじゃなかったんだ」


で、そこで話されたのが朝生徒会長に人形の頭を没収された事、そしていつの間にか鞄の中にあったこと。


うん、すごーくデジャブを感じる。大惨事にならなくてよかった。


「四方山後輩、生徒会長に見逃して貰ってなかったかい?」


「プライバシーって言葉知ってます?」


面倒だから隠してたのに。

ほら、宮崎がまたにらんできてる。早川、お前もジト目で見てくるんじゃない。


「ふむ、それで君はどうしたいんだい?」


「死にたくないです。探すのを手伝ってください」


そう言って素直に頭を下げた。意外だな、どうにかしろだとか呪いとけだとか言い出すかと思っていた。


と、そこで委員会が終わったのか風紀委員長がやってくる。


「あ、神埼先輩! 今日もお願いします! 私怖くて怖くて夜も眠れず・・・」


めっちゃ粉売ってんじゃん。これが目当てかよ。

風紀委員長も苦笑してるし。


「はは、微力でも力になれるよう頑張るよ」


とまあ、そんな感じでそれぞれ席につく。

おいまて、なにしれっと横に座ってきてるんだ。ホモなのかホモなのか?

んでもって宮崎も風紀委員長の隣に座るんじゃない。先輩が向かい側で1人になってるだろうが。


「で、風紀委員長殿がわが部活に何ようだい?」


いや、呼ばれてないんかい。てっきり最後まで面倒見るよう言われて来てるものかと思っていた。


「まあまあ、流石に一方的に押し付ける訳にもいかないじゃないか」


「よく言う。で、本題にはいるのだが。昨日メリーさんについて何か情報があるか調べてみた訳だがこれと言った情報はでなかった」


「私も同じです人形の部品を拾ったとかそう言う情報SNSでもありませんでした」


まあ、普通そうだよな。俺のほうもネットでの情報収集に関しては空振りだった。あんな危険物が、噂にもならないなんてそんなことあるのか?


「四方山後輩は・・・お手柄だったな」


手元にある部品に視線をやる。

近くに別の部品が有るからと何か特別な反応が起こるわけではないみたいだ。

気になったので試しに部品を人形の頭にくっつけてみる。サイズはあっているみたいだが、特に不思議な力でくっついたりとかはないようだ。これ、最後に紐で繋がないとダメな奴じゃない?


「さて、お陰で人形の部品が見つかることが分かった。四方山後輩、他の部品の心当たりとかあったりしないかい?」


「俺は無いですね」


嘘は言ってないありかを知っていたのはメアリーだ。

聞いたらまた連れていってはくれるかもしれないが、

なにぶん意思伝達の手段が限られているから聞き出すこともできない。いまだに彼女の正体についても目的も分からないままだ。


「ふむ、ここはオカルト研究部らしい解決法で行こうじゃないか」


「オカルト研究部らしい?」


「そう、ここはこっくりさんに相談と行こうじゃないか」


あー、うん大体予想はできてた。出来てたけどほんとにそれ効果あるの?


「あ、それいいですね」


「こっくりさんってあの何でも質問に答えてくれる奴ですよね。確かにいいかも」


「ああ、それでこそオカルト研究部ですね」


「何でみんな納得してるの!?」


こいつらほんとに大丈夫か?


宮北先輩と主人公は基本同族。宮北先輩に見抜かれオカルト研究部にスカウトされた。

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