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シヤクショ⑬ ―side宮崎―

ここにこれたことがこの小包のおかげだということはわかった。

でも、それなら余計だれが何のために入れてくれたのかそれが気になる。


「?」


金貨を取り出して見ると一番下に紙が入っていることに気が付く。

どうやら手紙みたいでえっと?


『拝啓、小春日和・・・』


っと前文はいいとして


『さて、今回金貨を用意させていただきましたのは、先日車椅子の老婆の怪異からいただいた三枚の金貨。

換金も子供だけではできず、使い道について先輩である宮北優子の占いにより、三人が一枚づつ使うことが吉だと出ました。

ゆえに勝手ながら管狐に届けるようお願いしました。

一枚は早川京に渡していただけるようお願いいたします』



一通り目を通してみると謎の人物からの手紙だってことはわかった。

多分オカルト研究部の関係の人だとは思うのだけれど誰だろ?


「ねぇみゃーちゃん。この『しほうざん』って誰?」


「・・・知らないわね、誰かしら?」


あれ、みゃーちゃんも知らない?

でも所々みゃーちゃんとかオカケン部長の名前出てるし知らない人じゃないと思うんだけれど。


「それ、『しほうざん』じゃなくって『よもやま』じゃないか?」


いつの間にか覗いていた運転手に驚き手紙を落としてしまう。


「何覗いてんのよ変態」


「変態はないだろうに・・・まぁそれはそうとしてそれ『よもやま』だと思うぜ。ほら、四方山話って言うだろ?」


「いや、聞かない」


「あ、そう? 最近は言わんのかな?」


ばつ悪そうに頬をかく運転手。

まぁともかく送り主はわかったわけだけれど四方山からの手紙か・・・何ふざけた口調で書いてるのよわかりずらいじゃない。


そんなことを考えながら手紙を拾い上げるとまだ下に文章が続いていることに気が付く。


『いくら隣のクラスだからって名前の漢字読まないの酷くない?』


は?


『まぁそれはともかくとして。金貨が必要になったみたいで何より。

まさかシヤクショとかふざけた言葉遊びの場所に連れていかれるだなんていったいどういう事なんだろうね。

そもそもそこに部品があるってことは元から揃えさせないように・・・』


え、何もしかしてどこかからあいつ見てる?


『見てるよ?』


その一文を見た瞬間今まで以上に血の気が引いた。


「・・・ねぇ、みゃーちゃん?」


「何?」


「なんとなくそんな気がしてたけど、この呪の原因やっぱりあいつかも・・・」


「・・・あーうん、そうかもね」


これ以上見まいと手紙を捨てると運転手に金貨と整理券を渡しバスに乗り込む。

これからどうなるのか不安になりながらも乗ってきた場所と同じ席に座り込んだ。

しかし、乗り込んだはいいがみゃーちゃんは一向にバスに乗ってこない。


しばらくしてやっとバスに乗ってきた。


「何かあった?」


「・・・整理券どっか落とした」


それで行き場所は同じだからとおまけしてくれたと。

みゃーちゃん・・・

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